【レイズ2−3ブルワーズ】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド、10月23日(日本時間24日)
祝勝の花火が打ち上がり、アメリカンファミリーフィールドのグラウンドには煙が立ち込めていた。ブルース・スプリングスティーン(77)の「Glory Days」が場内スピーカーから大音量で流れ、試合後番組の中継セットを慌ただしく組み立てるスタッフのBGMとなっていた。
ただ、一つ問題があった。ブルワーズはまだ勝っていなかった。少なくとも、正式には。
ワールドシリーズ第1戦では、リプレー検証によって試合終了かと思われた併殺判定が覆り、ブルワーズは最後のアウトをもう一度奪う必要が生じた。トレバー・メギル(32)が再びマウンドに上がり、ジョニー・デルーカ(28)を空振り三振。レイズに3-2で勝利した。
「いつも話している。チャレンジが入った時は、マウンドを離れるな、と。メギルは冷静さを保った。あの打席が試合最大の勝負だった」とパット・マーフィー監督(67)は、土壇場で動じなかった守護神をたたえた。
メギルは当初、チャレンジの対象は一塁だと思っていたという。「捕球でもたついたとか、何かそういうプレーかと思った。でもリプレー映像が出た時点で、二塁のプレーが対象になるとはっきり分かった」
レイズのケビン・キャッシュ監督(48)は、リプレー担当のニック・ロジャース氏が「非常に際どいプレーだとよく見抜いた」と評価した。
「その瞬間は、強い確信まではなかったと思う。でも、あの状況ならチャレンジしない手はない」とキャッシュは、リプレー担当の判断を振り返った。
両軍の選手たちが内野の芝生に残る中、リプレー映像では、トゥラングの送球を受けた瞬間にプラットの右足が二塁ベースから離れていたことが確認できた。ほんのわずかな差だったかもしれないが、かつて認められていた「ネイバーフッド・プレー」(二塁手や遊撃手が併殺を完成させる際、厳密にベースへ触れていなくてもアウトとみなされた慣例)は、もう認められていない。
「いや、正しい判定を下すべきだ」とマーフィーは強調した。
「MLBは、より良くするためにルールを変えている。実際そうだ。その後また何かが起きれば、さらに調整し、また調整する。正しく判定しよう。ネイバーフッド・プレーで済ませるべきではない。そもそも“ネイバーフッド”ってどこまでなんだ? どれくらい広いんだ? 今回の判定は正しかったと思う。仮にあそこで2点を失って負けて、ここでみんな落ち込んでいたとしても、このルールは正しい理由で導入された。正しい判定をするためだ」
次打者として待機し、自分に打席が回ってくるか見守っていたデルーカも、4万3250人の観客とともに中堅の大型ビジョンを見つめていた。
「スパイクがベースから離れている映像が出ているか分からなかった。どうなるかも分からなかった」とデルーカは振り返った。
「ただ待つしかなかった。いくつかの角度では、足が離れているように見えた」
映像は1コマずつ入念に確認され、メギルも「見た目はあまり良くなかった」と認めた拡大映像まで使われた。
ニューヨークのリプレー担当者も同じ結論に達した。判定は覆り、このフィルダース・チョイスでマテオが生還。ブルワーズのリードは1点に縮まった。
「リプレーを何度か見た時点で、判定は覆ると思った」とキャッシュ監督は振り返った。
「それでも2アウトで、ジョニーがメギルと対戦できる。そこには期待していた」
デルーカにとって、この中断は「もちろん理想的ではなかった」。
「野球は流れが大きく影響するスポーツだ。ああいう場面では、試合が終わるのか、それとも自分に打席が回ってくるのか分からない」とデルーカ。
「だからチャレンジ制度があるし、素晴らしい制度だと思う。もう一度、自分で気持ちを高め直すしかない」
メギルはそれをやってのけた。花火の煙が薄れていく中、右腕はブルワーズに必要だった27個目のアウトを奪った。ナックルカーブでデルーカを空振り三振に仕留めた。
「大丈夫。あそこでクーパーを助けられたし、明日は彼が僕たちを助けてくれる」とメギルは仲間を思いやった。
そして再び花火が上がり、スプリングスティーンの曲が流れ、試合後のテレビ中継セットも組まれた。今度は祝勝ムードを中断する出来事はなかった。ミルウォーキーは44年待った。あと数分くらい、どうということはない。
「これが野球だ。際どいプレーを推測のまま終わらせ、結局分からないままにするより、リプレーで正しい判定にする方がいい」とジェイコブ・ミジオロウスキー(24)はリプレー制度を支持した。
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