過密スケジュールで調整するローリー「リズムを取り戻したい」

March 23rd, 2026

積み重なる疲労や負担も、カル・ローリーは「動くほど体はほぐれる(motion is lotion)」と受け流してきた。

その姿勢は、19日にワールドベースボールクラシック(WBC)から戻ってきてから、特に顕著だ。キャンプ地のアリゾナ州フェニックス周辺で記録的な暑さが続く中でも変わらない。

「どれだけ良いスプリングトレーニングを送っても、本番でうまくいかないことはあるし、その逆もある。だから結果に一喜一憂しすぎないようにしている。自分のアプローチを大事にして、それを実行できているかが重要だ」とローリーは語る。

復帰初日、ローリーはダン・ウィルソン監督に直訴し、ラッシュアワーの最中、シアトルの施設から最も遠いホホカムスタジアムで行われたアスレチックス戦にDHとして出場した。結果は5打数1安打だったが、満塁の場面で打球速度109.4マイル(約176.0キロ)の二塁打を放った。

翌朝には、ピオリアで行われた9イニングのBゲームに出場し、開幕に向けた調整としてローガン・ギルバートの球を受けた。雲一つない約38.9℃の炎天下。打席にも8度立ち、4四球を選び本塁打も放った。

さらに20日には、カブス戦(1-7の敗戦)で八回までマスクを被り、4打数1安打(二塁打)。この試合は新しくリバース型のピッチコムを使用し始めたジョージ・カービーにとって最後のオープン戦登板だった。

そしてダメ押しのように、22日のホワイトソックスとのビジターゲームでも再びDHとして出場した。

「シーズン前にできるだけ多くの実戦機会をこなして、毎日プレーするリズムを取り戻したいだけだよ。WBCでは役割も違うし、休みも多くなる。だから実戦の投手に再び慣れることが大事だ」とローリーは語った。

このハードなスプリングトレーニング終盤の調整は、ローリー自身のルーティンによる部分もあるが、WBCで期待されたほど出場機会がなかったことも影響している。マリナーズを離れていた18日間で、アメリカ代表としての出場は7試合中わずか3試合だった。

MLBのポストシーズンと比べても短いWBCでは、好調な選手を優先する傾向が強い。9打数無安打、5三振、4四球と調子が上がらなかったローリーは出場機会を減らし、準決勝のドミニカ共和国戦と決勝のベネズエラ戦では、ドジャースのウィル・スミスがスタメン捕手を務めた。

それでもローリーにとって、昨年のア・リーグMVP争いを通じて関係を深めたアーロン・ジャッジと共にプレーできたことは大きな経験だった。さらにサイ・ヤング賞受賞投手であるタリク・スクーバルやポール・スキーンズの球を受ける機会も得た。

「経験者に話を聞いても、あれに備えるのは難しいと言っていた。オフやスプリングトレーニングから、いきなりポストシーズンのような雰囲気に入るからね」とローリーは振り返る。

「本当に特別な経験だった。あのユニフォームを着て戦えたことは名誉だし、すごく楽しかった。またぜひ出たいと思う。でも戻ってきたら不思議な感じだ。すごく長く離れていたように感じるよ」

出場機会の少なさに加え、チームメートのランディ・アロザレーナとの一件(すでに解決済み)もあり、ローリーは今大会で予想外の困難を経験した選手の一人だったかもしれない。しかし、それが、アリゾナに戻ってからさらにモチベーションを高めた理由でもある。

「みんな準備はできている。シーズンに向けて準備は整っているし、ずっとここにいる選手たちも同じだ。この時期のキャンプはいつもこういう雰囲気になる」

昨季、捕手として史上最多となる60本塁打を放ち、一気に世界的な注目を集めたローリーが2026年にどのようなシーズンを送るか、大きな焦点となる。再び60本塁打を打てと求める者はいないだろうが、昨年あと8アウトでワールドシリーズ進出を逃したマリナーズをさらに上のステージへ導くことは期待されている。

そして、その思いは誰よりも本人が強く抱いている。

だからこそ、アリゾナでの最後の数日間をより意識的に過ごしている。今の積み重ねが、10月への道を切り開くと本気で信じている。