【キューバ2-7カナダ】サンフアン/ヒラムビソーンスタジアム、3月11日(日本時間12日)
アーニー・ウィット監督は試合後の記者会見場に入り、席に着くと笑顔を見せた。
「言うまでもなく、とてもワクワクしている。ここまで本当に長い道のりだった」とカナダの指揮官は語った。
ウィット監督は2006年の第1回大会から、すべてのワールドベースボールクラシック(WBC)でカナダ代表の監督を務めてきたが、これまでの5大会では一度も準々決勝に進出できていなかった。
しかし、この日の勝利によってついに歴史が動いた。
2026年ワールドベースボールクラシック
カナダは11日(日本時間12日)の“勝てば突破、負ければ敗退”の一戦でキューバに勝利し、史上初のWBC準々決勝進出を決めた。プールAを3勝1敗で終えたカナダは、10日にプエルトリコ戦に勝ったため、同組1位通過を果たした。ヒューストンのダイキンパークでプールB2位のチームと対戦する。
過去5大会の最高順位は9位。今回の結果は大きな飛躍となった。今大会ではすでに3勝を挙げており、これも史上最多となっている。
一方のキューバは2勝2敗でプールA3位。WBC史上初めて、プールステージで敗退となった。
カナダは三回にキューバのエース、リバン・モイネロから先制。タイラー・オニールとエイブラハム・トロの連続安打で好機を作ると、マーリンズ傘下の有望株オーウェン・ケイシーが打席へ。左対左の対戦となったが、動じることなく右翼へ大きな飛球を放ち、犠飛でオニールを迎え入れた。
五回にはトロがブルージェイズの右腕ヤリエル・ロドリゲスからソロを放ち、2-0とリードを広げた。WBCでトロより多くの長打を記録しているカナダ人選手はジャスティン・モーノーのみで、トロはこれで通算6本。そのうち5本がこの1週間で生まれている。
「カナダは間違いなく過小評価されている国だと思う。これからカナダの野球はさらに成長していくはずだし、僕たちが若い世代にとってのインスピレーションになれたらうれしい」と壇上に立ったアブラハム・トロは語った。
マウンドではベテラン右腕カル・クアントリルが試合の流れを作り、キューバ打線を封じた。2023年大会のイギリス戦では3失点で、わずか2アウトしか取れなかったが、今回は見事に5回、1失点と雪辱を果たした。
「背後にいるチームメートを信頼して投げることができた。打者に積極的に向かっていき、守備には思い切りプレーしてもらった。ストライクゾーンを攻めて、相手に打ち崩させる形にした。今日は自分たちの方がミスの少ない試合ができたと思う」とクアントリルは振り返った。
カナダは六回、キューバ守備陣の乱れを見逃さず、ボー・ネイラーのタイムリー二塁打、オットー・ロペスの2点タイムリーで試合を決定づけた。
わずか3人の打者の間に二塁手イディ・カッペの平凡なフライ落球、ロドリゲスの一塁への牽制悪送球、そしてアンドリス・ペレスの打撃妨害が立て続けに発生。この回の3得点は全て自責点にはならなかった。
試合後、キューバのヘルマン・メサ監督は。「野球を知っている人なら、こうしたミスが起きることも理解しているだろう。われわれは優勝候補ではなかった。...だが、このチームでできる限り戦った。持っている戦力で、やれることはすべてやったと思う」と振り返った。
ブルペンも要所を締めた。六回にはアダム・マッコが満塁のピンチを三振で脱出。続く七回には元MLB左腕ジェームズ・パクストンがヨアン・モンカダを三振に取り、3点差のリードを守り切った。
ウィット監督はパクストンにも言及。左腕は2024年に現役を引退したが、今大会に合わせて復帰し、見事な復活劇を見せている。
「彼は隠居生活から戻ってきてくれた。家のソファから立ち上がり、カナダ代表として投げたいと言ってくれた。これまでリーグ優勝も経験し、メジャーリーグの最高レベルでプレーしてきたが、国を代表して投げたことはなかった。それが彼にとって一番大きな理由だった」
こうしてカナダは歴史的な1日を迎えた。準々決勝の日時はプールBの最終順位によって決まり、13日(日本時間14日)または14日(同15日)に行われる予定だ。
