外野手のマリンズ、レイズと1年契約で合意報道

December 4th, 2025

今オフに外野全体の攻撃力アップを狙うレイズが、フリーエージェントの中堅手セドリック・マリンズと1年契約で合意した。3日、関係者がMLB.comに明かした。

球団はまだこの合意を正式発表しておらず、メディカルチェックの結果待ちとなっている。ザ・アスレチックのケン・ローゼンタル記者によれば、契約総額は700万ドル(約10億9200万円)。

レイズはマリンズを中堅で起用する方針だが、現有メンバーに外野手が多く、編成はまだ固まっていない。マリンズの加入が正式に決まれば、外野の過密状態はいっそう進む。

レイズは中堅に左打ちのマリンズを起用し、負傷で昨季のほとんどを棒に振った右打ちのジョニー・デラクルーザと組ませる起用も考えられる。さらに、左打ちの両翼候補としてジョシュ・ロウ、ジェイク・フレイリー、チャンドラー・シンプソン、両打ちのジェイク・マンガムに加え、外野と内野の両方を守れる外野手リッチー・パラシオスとライアン・ビラーデも控えている。

レイズは外野の“ダブつき”を解消するため、少なくとも外野手を1人、トレードに出す可能性が高い。外野の層に興味を示す球団はすでに多い。

レイズは昨季開幕時点で、ホセ・シリの後任として中堅をジョニー・デルーカに託す構想だった。守備力の高さと、2024年終盤の打撃内容がその判断材料になっていた。ただ、デルーカは4月上旬に肩を負傷し、復帰後も11試合に出場しただけで、今度は下半身の負傷でシーズンを終えた。

マリンズは外野の中央に安定感とベテランとしての存在感をもたらす補強になる。球界でも屈指の観客を楽しませる中堅手であり、広い外野を動き回りながら、一見不可能に思える打球もたびたびキャッチしてきた。

ウインターミーティングを前にしたレイズにとっての大きな疑問は、「先発投手が足りるかどうか」だ。

外野で戦力アップが必要なことは明らかであり、これまでの実績を見れば、マリンズには守備と長打力の両面で貢献する力がある。

レイズの外野手は今季、メジャーワーストのチーム本塁打29本に終わり、OPS.663も30球団中26位だった。守備面でも数字は振るわず、OAA(平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを示す指標)はマイナス9で20位、フィールド・ラン・バリュー(平均的な選手と比べてどれだけ失点を防いだか、もしくは増やしたか)もマイナス12で26位の評価だった。

問題は、マリンズが打撃でどこまで成績を残せるか。

マリンズがオリオールズでコンスタントに出場機会を得るようになったのは2021年からで、その年に一気にMLB屈指の外野手に浮上した。OAAは+11を記録し、打撃でも675打席で打率.291、出塁率.360、長打率.403、OPS+は137(100が平均)だった。オールスターに選ばれ、シルバースラッガー賞も受賞。オリオールズ史上初の30本塁打、30盗塁を達成した外野手になった。

ただ、その後は打撃成績が落ち込んでいる。この4年間は打率.237、出塁率.308、長打率.403で、OPS+は102と平均より少し上にとどまっている。2025年はさらに厳しく、序盤は好調だったものの、その後は長い不振に陥った。オリオールズで最後の69試合は打率.208、OPS.636に終わり、7月31日にメッツへトレードされるまで復調できなかった。

メッツは中堅の戦力アップが急務だったが、マリンズは打線を活気づけることができず、42試合で打率.182、OPS.565にとどまった。

打率と出塁率は2021年の水準に再び届かないかもしれないものの、マリンズは2022年以降、毎年15〜18本塁打を放ち、その間の盗塁も毎年19個以上。2025年のスプリントスピードはリーグ全体の上位約23%に入っており、31歳になっても足の速さは十分に保たれている。

本塁打数は、今後も引っ張り方向への打球を飛ばし続けられれば、一定の数字を期待できるはずだ。昨季の「引っ張り方向へのフライとライナー」の割合は29.6%で規定打席に到達した打者の中で8位。自身のこれまでのキャリアハイを4.1ポイント更新した数字だった。