自身11度目のオールスター選出をクレイトン・カーショウは全く予想していなかった。
「彼は本当に驚いていたよ。でも、この『功労者枠』がこれまでどれだけ偉大な選手たちに与えられてきたかを理解して、その意味を受け止めていた。素晴らしい名誉だし、それを正しく受け取ったんだと思う」とデーブ・ロバーツ監督は語った。
ベテラン左腕は、2022年のアルバート・プホルスとミゲル・カブレラに続き、ロブ・マンフレッド・コミッショナーによる『功労者枠』で指名をされた。投手としては初めての選出となる。
「そんな枠があるなんて正直知らなかった。少し変な感じだけど、せっかくだから楽しむつもりだよ」とカーショウは語った。
プホルスやカブレラと同様、カーショウも引退後は殿堂入りが確実とされている。今月初めにはキャリア通算3000三振を達成し、18年にわたる華々しいメジャーキャリアの中でも屈指のハイライトを打ち立てた。
その節目を迎えた後も、将来について多くを語ることなく目の前の試合に集中している。37歳のカーショウはオフに左足の指と膝の手術を受けた後、リハビリを経てローテーションに復帰し、ここまで10先発で4勝1敗、防御率3.38という成績で、ドジャース投手陣を支えている。
2度のワールドシリーズ制覇、サイ・ヤング賞3回、2014年のナ・リーグMVP、そして20人目となる3000三振。全てを勝ち取ってきたが、その関心はワールドシリーズの連覇を目指すチーム、そしてそれを達成するため、目の前の試合にだけ向けられている。
「3000三振を達成した試合のような瞬間を軽んじているわけじゃないよ。あれはロサンゼルスでの本当に特別な夜だった。何ひとつ変えたいとは思わないし、それくらい特別だった。でも、この先どうなるかは全く分からない。今年以降のことなんて本当に想像もつかないよ」
「だからこそ、今年はこの素晴らしいチームの一員として、ただ楽しみたい。まだやるべきことはたくさんあるし、ポストシーズンも残っている。チームとしての目標を追いかけていると、個人のことを振り返る余裕はあまりないんだ」
まさに生けるレジェンドのカーショウは、その振る舞いと存在感で、チームにおいて最高の手本となっている。
「カーショウは模範そのものだ。最初にウェイトルームに入って、準備も治療も完璧だ。球場に来た瞬間から、やるべきことを全てやっている。それが、選手としての姿勢や達成してきたものを表していると思う。若手としては、カーショウのようにやらなきゃいけないと思わされる」と新人のジャック・ドレイヤーは語る。
また、左腕アンソニー・バンダも大先輩から多くを学ぶ一人だ。「毎日一緒にいて、ルーティンや姿勢を見ていられるのは、本当に特別な経験だ。カーショウが将来殿堂入りした時、自信を持って『俺は彼のチームメートだったんだ』と言える。そんな記憶を大切にしていきたい」
チーム文化を大切にするドジャースにおいて、カーショウはその中心的役割を果たしてきた。輝かしい実績はもちろん、それを可能にしてきたその日々の取り組みと姿勢こそが、カーショウの『伝説』を作ってきたのだ。
「オールスターゲームに出場できることは、どんな理由があっても決して当たり前じゃない。それほど投げていないし、今季の自分が選ばれるに値するとは思っていないよ。でも、家族と一緒にその場に行けることも含めて、オールスターに参加できる機会は絶対に逃したくない。それだけの大きな名誉だよ」
