引退発表のカーショウへ、若手やベテランから惜別と称賛の声

September 19th, 2025

クレイトン・カーショウは、会見の場でこらえきれず涙ぐみ、「一番つらいのはチームメートへの思いです。みんなの目を見て話せない。ここにいるみんな、本当に大切な存在です。一緒に過ごした時間は楽しかったし、それがなくなるのが寂しい」と声を詰まらせた。その姿は、彼がいかに仲間を大切にしてきたかを物語っていた。

その思いは選手たちも同じだ。長年カーショウを知る仲間たちは、彼のキャリアの初期から晩年までの進化を間近で見てきた。

「97マイルの速球とカーブを武器にデビューしたけれど、短期間の離脱中にスライダーを磨いた。それから18年間、打者にとっては悪夢だった」と元同僚で現エンゼルス守護神のケンリー・ジャンセン。「彼の仕事への姿勢、準備、献身は信じられないレベル。ルーティンを一切崩さなかった」と語る。

カーショウの勤勉さは、やがてチーム文化の根幹となった。
「クラブハウスの文化は時間をかけて築かれてきたけれど、実際は彼から始まった」とドジャース三塁手マックス・マンシー。「彼は無言のリーダー。全力で取り組む姿勢、良い瞬間を共に喜ぶ姿勢、全部がチームの基準になった」と話す。

ルーキーもベテランも、彼の姿勢に刺激を受けてきた。

「準備力と勝負への姿勢を上回る人はいない。登板前の準備も、マウンド上での戦いも、全てが圧倒的だった」と話すのはエンゼルスのクリス・テイラーだ。

特に若手選手たちにとって、カーショウの存在は大きい。「影響は計り知れない。毎日の姿を見て学ぶだけで価値がある」と話すのは、カーショウに憧れるドジャース右腕エメット・シーハン。

左腕同士で過ごした特別な時間を教えてくれたのはのは、ルーキー左腕ジャック・ドライヤーだ。「最後のシーズンを共にできて本当に特別。高校時代から技術を真似してきた憧れの選手。言葉では表せないほど貴重な経験」と語る。

マンシーはカーショウの通算3000三振の瞬間に負傷で立ち会えなかった。「とても悔しかった。でも、その場で自分を気遣いに来てくれて、ハグしてくれた」と振り返った。マウンド上の偉大さと同様に、カーショウはチームメートとしても最高の人物だった。

「全員を思いやり、勝利を追求し、競争心を体現する。マウンド上でもそうでなくてもチームを盛り上げる」とドジャース遊撃手ムーキー・ベッツ。

カーショウはレギュラーシーズン最後のドジャースタジアム登板を迎える。

「クレイトンのことだから、黙って引退すると思った。でも、発表してくれてよかった。18年目の今も、毎5~6日ごとに頼りにできる存在。彼はドジャースの伝説だけでなく、野球界の永遠の伝説だ」とドジャース一塁手フレディ・フリーマンは左腕に敬意を表した。