ガーディアンズ打線、過去のポストシーズンより好調

October 1st, 2026

シェーン・ビーバー(31)、カルロス・カラスコ(39)、タナー・バイビー(27)、ギャビン・ウィリアムズ(27)。

近年、ポストシーズンを戦ってきたガーディアンズは、こうした先発投手と強力なブルペンを武器としてきた。

今季もその強みは変わらない。新人左腕パーカー・メシック(25)と、ア・リーグ最多の248三振を記録したウィリアムズが先発陣をけん引。ブルペンも防御率3.54でメジャー6位、9イニングあたり10.21三振でメジャー1位と高水準の成績を残した。

では、過去のポストシーズンで打線はどうだったか。中心はホセ・ラミレス(34)だった。時には、ラミレス一人で打線を支えているようにも映った。さすがに言い過ぎではあるものの、昨季のガーディアンズでwRC+(リーグ平均を100とし、100を上回るほど打撃力が高いことを示す指標)が100以上だった選手は2人だけ。もう1人はカイル・マンザード(26)の112だった。

過去4度のポストシーズン進出時も、ガーディアンズの攻撃力は良くてもリーグ中位にとどまっている。

2020年: wRC+90で23位タイ、248得点で24位タイ
2022年: wRC+100で15位タイ、698得点で15位タイ
2024年: wRC+100で17位、708得点で14位
2025年: wRC+86で28位、643得点で28位

今季もシーズン全体では大きく変わらなかった。

2026年: wRC+97で20位タイ、678得点で24位

それでも、ホワイトソックスとのア・リーグ地区シリーズ第1戦を3日(日本時間4日)に本拠地で迎える現在、打線には明らかな変化がある。

8月1日以降のガーディアンズ打線: wRC+108でメジャー4位、245得点で6位

しかも、この期間はラミレスの不振が数字を下げている。規定打席到達161選手のうち、レギュラーシーズン最後の2カ月におけるラミレスのwRC+72は145位。9月は97打席で打率.198、出塁率.237、長打率.264、wRC+39まで落ち込んだ。

球団の中心選手であるラミレスは、左手の手術による1カ月以上の離脱から7月22日に復帰して以降、本来の打撃を取り戻せていない。それでもガーディアンズ打線は長期間、高い得点力を維持してきた。

以前から在籍する選手たちの貢献も大きい。スティーブン・クワン(29)は後半戦、球界屈指の打者として活躍。アンヘル・マルティネス(24)とブライアン・ロッキオ(25)は9月にそれぞれ11長打を記録し、ともにOPS.900を上回った。

さらに今秋の打線には、2025年レギュラーシーズン終了時の出場登録メンバーに入っていなかった3選手が加わった。その存在によって、打線全体の厚みと得点力が増している。

チェイス・デローター

チェイス・デローター(24)は、ちょうど1年前にメジャーデビュー。ポストシーズンでメジャー初出場した史上6人目の選手となった。

今季は開幕戦で2本塁打を放つなど、序盤から好スタートを切った。2022年ドラフト1巡目指名のデローターは5、6月に調子を落とし、肋骨骨折による離脱も経験。それでも8月以降は打率.311、出塁率.400、長打率.507を記録し、170打席で17長打と再び打撃状態を上げた。

今季は空振りの少なさ、ボール球に手を出さない能力がともにMLB上位10%以内。右投手、左投手のどちらに対してもOPS.800を超えている。左投手には打率.323を記録し、75打席以上に立った左打者95人中3位だった。

以前から将来のスター候補として高く評価されてきたデローターにとって、最大の懸念は度重なる大きな負傷だった。持てる能力を発揮し続けられるだけの健康状態の維持が課題だった。

今季は133試合に出場。プロ入り後の自己最多を2倍以上更新し、その懸念も払拭した。今後何年にもわたり、ガーディアンズ打線の上位を担う存在として期待される。

トラビス・バザーナ

2024年ドラフト全体1位で、今季開幕前にはガーディアンズの球団トッププロスペクトだったトラビス・バザーナ(24)は、4月28日にメジャーデビューした。約1カ月後には1番を任されるまでになった。

後半戦はクワンが復調したため、バザーナは打線の下位に入る機会が増えた。それでも9月以降は打撃で大きく貢献し、23試合で6本塁打を記録。9月のwRC+(リーグ平均を100とし、100を上回るほど打撃力が高いことを示す指標)は170で、規定打席到達者の中で19位だった。

バザーナは長打専門というより、総合的な打撃技術に優れたタイプだ。それでも9月は、強い打球を生みやすい理想的な打球を示す「バレル」の割合が、それまでの4.6%から8.2%へ上昇。今季のリーグ平均7.7%も上回った。

さらに、8月まで15.4%だった引っ張った空中打球の割合が、9月には26.2%まで上昇した。持ち前のパワーを長打につなげる打撃が増え、シーズン終盤に成果として表れた。

ジョー・アデル

近年のガーディアンズは本塁打の多いチームではなく、今季もその傾向は続いている。シーズン終盤に打線が上向いても、162本塁打はメジャー27位。8月以降の56本塁打も19位にとどまる。チーム最多もマルティネスの18本塁打だ。

そこでガーディアンズは8月3日のトレード期限を前に打線へ長打力を加える必要があると判断。メジャーでも屈指のスイングスピードを誇るジョー・アデル(27)を獲得した。昨季エンゼルスで37本塁打を放った右打者は、8月4日の加入後48試合で7本塁打。期間中ではチーム最多となっている。

選球眼にも変化が出た。ガーディアンズ加入後は204打席で18四球、四球率8.8%。移籍前のエンゼルスでは456打席で16四球、3.5%だった。

その結果、出塁率は移籍前の.287から.324まで上昇。ガーディアンズも8月以降、チーム出塁率.330でメジャー6位に入り、アデルの出塁増加も打線の活性化につながっている。

ア・リーグのワイルドカードシリーズを勝ち上がったチームにとって、ガーディアンズ投手陣はもともと難敵だった。そこへ現在の打線の好調ぶりも加わり、地区シリーズを迎えるチームは投打のバランスが取れたチームに仕上がっている。チームの中心を担うラミレスが本来の成績を残せていない中でも、この充実ぶりだ。

さらにラミレス自身も復調の兆しを示している。レギュラーシーズン最後の9試合では12安打を放ち、OPS.831だった。

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