カブスは2026年レギュラーシーズンを、史上最高クラスの守備力で終えた。
ナ・リーグMVP最有力候補のピート・クロウ=アームストロング(24)を中心に、今季のチーム守備はFRV(Fielding Run Value=守備で防いだ得点を示す指標)で73を記録。FRVの計測が始まった2018年以降、MLB全体で歴代最高となった。
今季2位のブルージェイズを27点も上回り、従来の歴代2位だった2018年ダイヤモンドバックスの64を9点上回った。
カブスは内野から外野まで、堅実な守備力を備えた選手から球界屈指の守備力を誇る選手までそろえる。すでに5つのポジションにゴールドグラブ賞受賞経験者を擁し、今季はさらに受賞者を増やす可能性がある。
14日(日本時間15日)に発表されたゴールドグラブ賞の最終候補には、カブスから三塁手アレックス・ブレグマン(32)、遊撃手ダンズビー・スワンソン(32)、左翼手イアン・ハップ(32)、中堅手ピート・クロウ=アームストロング(24)、右翼手鈴木誠也(32)の5人が選出された。5人はナ・リーグ最多で、MLB全体でもブルージェイズと並ぶ最多となった。
歴史的な守備力を誇った今季のカブスには、前例のない快挙も視野に入る。
左右両リーグを通じ、同一球団が外野3部門すべてのゴールドグラブ賞を独占した例は一度もない。左翼、中堅、右翼の各部門に分けて表彰する制度が始まった2011年以降はもちろん、1957年の同賞創設から2010年までにも達成されていない。
外野3部門のうち2部門を同一球団が受賞した例は複数あり、2025年のカブスもハップとクロウ=アームストロングが受賞した。今季はハップ、クロウ=アームストロング、鈴木の3人がそろって選ばれれば、史上初の外野3部門独占となる。
受賞者は11月1日午後8時30分(日本時間2日午前10時30分)からESPNで発表される。選考はMLB関係者による投票が75%、SABR Defensive Index(SDI=米国野球学会が算出する守備評価指標)が25%を占め、その合計で決定する。
左翼手イアン・ハップ(32)
ハップは左翼手部門で4年連続ゴールドグラブ賞を受賞しており、今季は5年連続受賞を狙う。ただ、強力なライバルがいる。
ハップのFRVは6で、ナ・リーグ左翼手ではブルワーズのジャクソン・チューリオ(22)の8に次ぐ2位。DRS(Defensive Runs Saved=守備で防いだ得点を示す指標)でもチューリオが13、ハップが10と僅差だった。もう1人の最終候補、ナショナルズのデイレン・ライル(23)はFRV3、DRS8で、各指標を見る限りハップとチューリオの一騎打ちといえる。
守備範囲ではチューリオが大きくリードした。OAA(Outs Above Average=平均的な守備と比べてどれだけアウトを増減させたかを示す指標)はチューリオの6に対し、ハップは1。一方、送球によるFRVではハップが5を記録し、チョウリオの3を上回った。
数字だけを見ればチューリオがやや優勢で、ハップの連続受賞が止まる可能性もある。ただし、ハップはチューリオより222イニング多く守備に就いた。さらに、8月9日時点のSABR Defensive Indexではハップが4.6、チョウリオが0.0と、ハップが大きく上回っている。
中堅手ピート・クロウ=アームストロング(24)
この部門では、カブスに大きな不安材料は見当たらない。クロウ=アームストロングはMLBトップのFRV26を記録し、今季の球界で最も高い守備評価を受けた。最終候補に残ったドジャースのアンディ・パヘス(25)はFRV13、ブレーブスのマイケル・ハリス2世(25)は12で、大差をつけている。
クロウ=アームストロングには、初のプラチナグラブ賞受賞にも注目が集まる。同賞は各リーグで最も優れた守備選手をファン投票で選出する。最大のライバルとなりそうなカージナルスの新人二塁手JJ・ウェザーホルト(24)は、メジャー1年目にFRV23を記録した。
右翼手鈴木誠也(32)
鈴木は2022年にカブスへ移籍するまで、日本プロ野球でMLBのゴールドグラブ賞に相当するゴールデン・グラブ賞を5度受賞した。メジャー移籍後の最初の4年間は守備面で苦しみ、FRVは通算-9。2025年はカイル・タッカー(29)が右翼を守り、鈴木は主にDHで出場した。
しかし、2026年は右翼守備で大きく巻き返した。これまで平均的な評価だった送球は球界トップクラスまで向上し、送球によるFRVで4を記録。守備範囲も大幅に改善し、OAAは自己最高の5に達した。DRSでも14を記録し、ナ・リーグ右翼手トップとなった。
鈴木の初ゴールドグラブ賞受賞争いでは、各守備指標をどう評価するかが大きなポイントとなりそうだ。FRVは8で、最終候補のカーソン・ベンジ(23)の6、コービン・キャロル(26)の4を上回る。ベンジは守備範囲のFRVが-1、キャロルは送球で-6。鈴木は守備範囲と送球の両面で安定した数値を残した。
守備範囲ではキャロルがOAA9で、鈴木の5を上回った。送球ではベンジがFRV7を記録し、鈴木の4より高い。DRSは鈴木が14、キャロルが12、ベンジが6だった。
8月9日時点のSABR Defensive Indexでは、キャロルが10.9でトップ。鈴木は6.8で2位、ベンジは-0.7だった。
鈴木、キャロルともにゴールドグラブ賞の受賞経験はなく、ベンジは今季メジャーデビューした新人。誰が選ばれても初受賞となる。各指標で強みが分かれており、3人の争いは最後まで予断を許さない。
MLBの最新ニュースを見逃さない!
- 【毎週日本時間金曜配信】日本語版ニュースレターに登録
- 【自分のスタイルでMLBを楽しむ】日本語公式アプリをダウンロード
- 【2026年より開設!】MLB Japan公式Youtubeチャンネル
