カブス、ハップスの代役に4位有望株を昇格

May 13th, 2025

夢の瞬間とは突然に訪れるものだ。

カブス期待の捕手モイセス・バジェステロスが昇格の報告を受けたのは月曜日の夜。『MLB The Show』をプレーしていた最中に受けた、3Aアイオワの監督マーティ・ピービーからの電話に「コントローラーを投げそうになったよ。5分くらい呆然としてたね」と驚きを隠せなかった。

左脇腹の張りでイアン・ハップが10日間の負傷者リスト(IL)入りとなった中で白羽の矢が立ったのが、打撃を最大の武器とする21歳だった。

カブスはタイソン・ミラーを60日間のILへ移行し、40人枠の一つを空けてバジェステロスを登録。MLBパイプラインの評価では球団内4位、全体ランキング61位の有望株である。

バジェステロスは昇格を告げられた際、ベネズエラから試合を観に訪れていた両親に直接報告ができたという。「家族と一緒にここに来られて最高だ。リグレー・フィールドは本当に素晴らしい球場だよ」と笑顔で語った。

この昇格は、今永昇太のIL入りに伴い、No.2プロスペクトであるケイド・ホートン(全体35位)を昇格させた直後の出来事。マイナーリーグの上位選手たちを含めた分厚い選手層を活かし、予期せぬアクシデントが続く中でも首位争いを続けている。

今季3Aアイオワでは、バジェステロスは34試合で打率.368/出塁率.420/長打率.522、本塁打4、打点18、四球12、三振16を記録。主に捕手と指名打者を務め、1試合のみ一塁で出場した。

「彼には天性の打撃の才能があるし、それが真の魅力だ」とカウンセル監督は語る。「毎年のように『この年齢でこの成績か』と驚かされる。見逃すはずもないし、なかなかできることではないよ」

一方のハップは金曜日のメッツ戦でのスイングで左脇腹を痛め療養中。月曜日の試合前練習で状態を確認したが、復帰には休養が必要と判断された。

「毎日のように状態を確認するよりも、数日しっかり休ませた方がいいという結論に至った」とカウンセル監督は説明している。

30歳のハップは今季、カブスの左翼手およびリードオフマンとして39試合に出場し、打率.269/出塁率.364/長打率.381、本塁打3、打点19、四球24を記録している。

ここ3試合はピート・クロウ=アームストロングが一番打者を務め、鈴木誠也がDHから外野の守備を務めている。バジェステロスの加入によってDH起用の選択肢が増えたことは打線にとって大きな収穫となる。

「やっぱりメジャーは初めてだから、緊張はあるね。でも、同じ野球だし、自分の中での目標は変わらない」と語るバジェステロス。目標について聞かれると彼は笑顔で返した。

「ゲームの中だけじゃなく、実際にこの舞台にプレーし続けることだ」