【マーリンズ1−2カブス】シカゴ/リグレーフィールド 9月24日(日本時間25日)
カブスは今季も10月の舞台に立つ。
シーズン前にそんな青写真を描いていたものの、そこまでの道のりは、想像以上に険しく、長かった。
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24日(日本時間25日)、本拠地リグリーフィールドで迎えたレギュラーシーズン最後のホームゲーム。カブスはマーリンズを下し、2年連続となるプレーオフ進出を決めた。試合後、クラブハウスでは、選手たちがシャンパンを掛け合い、苦難続きだったシーズンの一区切りを盛大に祝った。
「ここまでいろいろあったからこそ、みんなで一緒に祝えるのは特別。もう少し早く決めたかったけれど、結果的には最高のタイミングだった」
ゴーグル姿でシャンパンでずぶ濡れのなか、遊撃手ダンズビー・スワンソンは笑った。
プレーオフ進出を決めた一戦では、今季チームを牽引したヒーローが躍動した。初回に二盗を決め、史上7人目の「40本塁打・40盗塁」を達成したピート・クロウ=アームストロングだ。
開幕投手を務めたベテラン左腕マシュー・ボイドは、負ければ後がないような緊張感の中で七回1失点の好投。そして、チーム在籍年数が最も長いイアン・ハップは六回に右翼深くへ三塁打を放ち、勝ち越しのきっかけを作った。
カブス一筋でプレーしてきたハップにとって、今季がチームとの最後の時間になる可能性もある。そんな一戦で、ベテランが大仕事をやってのけた。今後の焦点は、ナ・リーグのワイルドカード3枠のうち、どの順位になるか。そこによって、10月最初のシリーズの開催地が決まる。
「プレーオフ進出を素直に喜びたい。大事なのは、勝つチャンスを自分たちでつくったこと。きょうは本当に素晴らしい日だ。理想を言えば、もっと圧倒的に決めたかった。でも今年は、本当にいろんなことを乗り越えてきた」とクロウ=アームストロングはそう語った。
戦いは、まだ終わらない。
カブスは残り3試合。25日(日本時間26日)から敵地でレッドソックスとのダブルヘッダーを含む3連戦に臨む。ただ、週末には大型の嵐が予想されており、27日(日)の試合は前倒しされるなど、日程は天候次第で変更の可能性もある。
「目の前に何が飛び込んでくるのか分からない。それも面白いところだよ。何が起こるかわからないけれど、それを楽しめばいい。今週末がまさにそうだ。どんなことをやれと言われても、やるだけだ」とカウンセル監督は笑った。
カブスが2年連続でポストシーズンに進むのは、2015~18年以来だ。ナ・リーグ優勝決定シリーズに3度進出し、2016年には108年ぶりのワールドシリーズ制覇も成し遂げた。あれから10年。記念すべきシーズンを戦う今のカブスも、これから始まる10月を特別なものにしたい。
この日の勝利を支えたのは、7回1失点の好投を披露したボイドだった。三回にジェイコブ・マーシーにタイムリーを許したものの、五回に鈴木誠也がマーリンズ救援右腕ジャック・ラルストンから同点ソロを放った。さらに六回、ハップが右中間深くへ三塁打で出塁すると、続くニコ・ホーナーのタイムリーで勝ち越した。
「イアンは普段、グラウンドではあまり感情を表に出さない。でもきょうは、いつもとはちょっと違ったね」
カウンセル監督も、ハップの姿に特別なものを感じ取っていた。ハップ自身も、この一日をかみしめ、「浮き沈みがあった。ケガもあった。仲間を失うこともあった。本当にジェットコースターのようなシーズンだった。でも、それを乗り越えてきたこのチームの粘り強さは、本当にすごいと思う」と振り返った。
今季のカブスは、まさに試練の連続だった。昨季のナ・リーグ新人王投票で2位だったケイド・ホートンは、開幕からわずか2試合の先発で肘の手術を受け、シーズンを棒に振った。5月末までには10連勝を2度記録する一方で、10連敗も経験した。
前半戦のチームを支えたベン・ブラウンも、6月には首の負傷で今季絶望に。救援陣も負傷と入れ替わりが相次ぎ、今季は実に14人のリリーフ投手が少なくとも1度はセーブを記録した。それでもカブスは、劇的なサヨナラ勝ちを13度も積み重ねてきた。
「どのチームも何かしらの逆境と戦っている。ここまで、ロースター全員の力が必要だった。それがこのチームのすごいところだと思う。ここからも全員の力が必要になる」とボイドは言う。
苦しみ、もがき、それでも前へ進んだ。カブスがつかんだのは、10月への切符。そして、ここから先を戦うためのもう一度のチャンスだ。
