カブスのGM会議での5つの注目ポイント

November 8th, 2025

ワールドシリーズ終了後の最初の1週間は、これから始まるオフシーズンの土台を築く週だった。ドジャースが新たな優勝トロフィーを掲げ、パレードを催す一方で、カブスをはじめとする球団は、ロースター構成や移籍の可能性について、内部で真剣な議論を重ねていた。

来週からラスベガスで開催されるGM会議の到来とともに、オフシーズンの動きはさらに加速するだろう。これは、オフシーズン初となる、全30球団の代表者と選手代理人が一堂に会し、今後数カ月で実現する(あるいは実現しない)契約について協議を始める機会となる。

GM会議中にカブスについて注目すべき5つのポイントは以下の通りだ。

1)今永昇太が残留する可能性は?

カブスは今永との契約に含まれていた3年間の球団オプションを破棄。それによって与えられた1年1525万ドル(約23億円)の選手オプションを今永が拒否したことで、今永はフリーエージェント(FA)となった。FAとなった今永に対し、カブスは2202万5000ドル(約34億円)のクオリファイング・オファー(QO)を提示した。

QOを受けた選手は11月18日までに受け入れるか、否かを決めなければならない。今永にとってはQOを受諾すれば、1年あたりの年俸は増額する。しかし、GM会議で他球団からどのような複数年契約のオファーがあるか、あるいはカブスが条件を見直した延長契約を提示する可能性があるかを早期に把握できる。

2) カイル・タッカーとの再契約は現実的か?
今永はQO受諾の可能性があるが、タッカーのQO拒否は確実だ。タッカーは今オフのFA市場で間違いなくトップクラスの攻撃力を持ち、高額な長期契約を勝ち取る可能性が高い。ただ、QOを拒否されても、カブスはドラフト指名権の補償を得ることができる。

カブスはタッカーとの再契約交渉に動くと予想されているが、流出の可能性は高いだろう。タッカーとの契約の成否にかかわらず、打線を強化する術を見つけなければならない。アレックス・ブレグマンと村上宗隆は興味深いFA候補だ。

3) 先発ローテーションをどう整備するか
今永のFA決定以前も、カブスは先発ローテーションの強化を必要としていた。FA市場で投手を探すのも一つの選択肢だ。ディラン・シース、フランバー・バルデス、レンジャー・スアレス、マイケル・キングらが有力候補に挙がっている。日本のスター選手、今井達也が西武ライオンズからポスティングされれば、さらなる選択肢となるだろう。カブスは今季のトレードデッドラインでジョー・ライアン(ツインズ)、サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)、エドワード・カブレラ(マーリンズ)、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)らの投手を検討していたこともあり、トレードの可能性も考えられる。

4) ブルペンをどう立て直すか
今季終盤のブルペン陣の大半はもはやチームに残っていない。アンドリュー・キットリッジはオリオールズにトレードされ、ブラッド・ケラー、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツはFAとなった。複数年契約で大物リリーフ投手を狙うのはカブスのやり方ではない(昨年のタナー・スコット争奪戦への参戦は稀な例外だった)。シカゴのフロントは、リリーフ陣の再構築に向けて、短期契約、小規模なトレードを模索し続けると予想される。

5) ケイド・ホートンは新人王を獲得するか
10日(日本時間11日)はGM会議が始まるだけでなく、全米野球記者協会が毎年恒例の表彰式を開始する夜でもある。まずは新人王の発表が行われ、ホートンはナ・リーグのファイナリストの一人だ。捕手のドレイク・ボールドウィン(ブレーブス)と内野手のケイレブ・ダービン(ブルワーズ)と競うことになる。