昨季のポストシーズンでは、パドレスとカブスがリグレーフィールドで緊迫したワイルドカードWC)シリーズを戦った。3試合を通じた両軍の得点差はわずか1点。白熱した接戦が続き、さらに対戦を見たくなるようなシリーズだった。
そして1年後、両軍の再戦が実現する。今度の舞台はサンディエゴだ。
パドレスとカブスは2年連続でナ・リーグのWCシリーズ(3回戦制)で対戦する。第1戦は29日(日本時間30日)、ペトコパークで行われる。昨季と同じく、このシリーズを勝ち上がったチームがナ・リーグ地区シリーズ(5回戦制)でブルワーズと対戦する。
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パドレスのクレイグ・スタメン監督(42)は「素晴らしいシリーズになると思います。カブスは素晴らしいチームで、いい選手がたくさんいて、コーチ陣も優秀です。接戦になるでしょう。昨年、われわれのポストシーズンを終わらせた相手ですから、最高のプレーをしなければなりません」と語った。
カブスも難しいシリーズになると見ている。パドレスは9月に勢いを増し、ワイルドカード順位の首位まで駆け上がった。
カブスの左腕マシュー・ボイド(35)は「パドレスはここ数週間、球界で最も勢いのあるチームの一つです。でも驚きはありません。今年も昨年も実際に対戦していますから。私は常に、相手よりも自分たちのクラブハウスにいる選手たちが大切だと考えています。自分たちのやるべきことをやる。自分たちの強みを理解して、その強みを生かして戦うだけです」と話した。
【先発投手は?】
カブスは第1戦前日の28日(同29日)、ボイド(10勝5敗、防御率3.91)を第1戦の先発に指名した。
第2戦、必要となれば第3戦の先発候補には、右腕ケビン・ガウスマン(35=9勝12敗、防御率4.51)、右腕クレイ・ホームズ(33=6勝8敗、防御率3.29)、左腕今永昇太(33=11勝10敗、防御率3.77)、左腕デービッド・ピーターソン(31=9勝8敗、防御率4.79)が控える。
ガウスマンは投球する腕とは反対側の肩に張りを抱えており、カブスは登板できる状態か慎重に確認している。
パドレスは第1戦にマイケル・キング(31=12勝10敗、防御率3.21)が先発する。今季はエースとして存在感を高め、夏場を通じて不安定だった先発陣を支える役割を担った。
第2戦以降は流動的だ。ニック・ピベッタ(33=3勝2敗、防御率2.86)は屈筋の張りで5カ月離脱したが、復帰後は安定した投球を続けており、第2戦の先発候補として最有力とみられる。
第3戦までもつれた場合は、ロビー・レイ(34=13勝8敗、防御率3.59)とウォーカー・ビューラー(32=9勝6敗、防御率4.56)が先発候補となる。
【予想先発オーダーは?】
カブスでは、ピート・クロウ=アームストロング(24)がMVP級のシーズンを送り、打線をけん引してきた。今季は40本塁打、40盗塁以上を達成し、メジャー史上7人目の「40-40」入りを果たした。
アレックス・ブレグマン(32)はファウルボールが左頬付近に当たり、複数箇所を骨折したが、最近になって戦列へ復帰した。三塁守備に戻るか、当面はDHで起用されるか未定。ブレグマンがDHに入る場合、ペドロ・ラミレス(22)やマット・ショー(24)が三塁を守る選択肢となる。
左腕が相手なら、イアン・ハップ(32)に代わってタイロン・テイラー(32)が先発する可能性もある。ベンチには経験豊富なマイケル・コンフォート(33)も控える。
- ピート・クロウ=アームストロング(24) 中堅
- 鈴木誠也(32)右翼
- マイケル・ブッシュ(28)一塁
- アレックス・ブレグマン(32) DH
- イアン・ハップ(32) 左翼
- ニコ・ホーナー(29)二塁
- ペドロ・ラミレス(22) 三塁
- カーソン・ケリー(32)捕手
- ダンズビー・スワンソン(32)遊撃
パドレスは相手投手が右腕か左腕かに応じて、柔軟に打線を組み替えられる。第1戦ではカブスが左腕を先発させるため、以下のオーダーが予想される。
- フェルナンド・タティスJr.(27)右翼
- ザンダー・ボガーツ(33)遊撃
- マニー・マチャド(34)三塁
- タイ・フランス(32)一塁
- ジャクソン・メリル(23)中堅
- ルイス・キャンプサーノ(28)捕手
- オースティン・ヘイズ(31)DH
- サマド・テイラー(28)左翼
- ジェイク・クロネンワース(32)二塁
【先発降板後のブルペン起用は?】
カブスは守護神を固定しておらず、相手打線の並びや左右の相性を見ながら救援陣を組み合わせる。
ダニエル・パレンシア(26)は今季、複数回の負傷離脱を経験したが、最近は本来の投球を取り戻しつつある。昨季のポストシーズンでは、カウンセル監督が試合中盤の重要な局面で投入した。
左腕ライアン・ロリソン(29)は重要な場面を任される存在となり、トレード期限に加入した右腕ライアン・ゼファージャン(28)も終盤の選択肢となる。右腕ジェイコブ・ウェブ(33)と左腕ケイレブ・シールバー(39)も終盤を任された経験は豊富だが、最近はやや苦戦している。
さらに、ポストシーズンでは先発陣の一部を救援に回す可能性がある。ハビエル・アサド(29)、アーロン・シバーレ(31)、コリン・レイ(36)ら複数イニングを投げられる投手もブルペン候補だ。MLBの忌引リストに入っているエドワード・カブレラ(28)は、WCシリーズの登録メンバーから外れる。
パドレスは早い段階でポストシーズン進出を決め、27日(同28日)にはWCシリーズの本拠地開催も確定したため、ブルペン陣を万全に近い状態で整えられた。
終盤は進出決定、本拠地開催決定の両試合と同じ起用が有力だ。九回はメイソン・ミラー(28)、セットアッパーはエイドリアン・モレホン(27)が担う。
中盤では左腕松井裕樹(30)と右腕ブラッドグリー・ロドリゲス(22)を起用。右肩の張りから復帰したジェイソン・アダム(35)も加わる。比較的点差に余裕のある場面では、ワンディ・ペラルタ(35)やデービッド・モーガン(26)の登板も考えられる。
【主な負傷者は?】
カブスでは、ガウスマンが直近の先発でダイビングしてタッチした際に左肩を痛め、その後も張りが残っている。27日(同28日)にブルペン投球を行い、経過は良好だったが、球団は引き続き状態を確認している。経験豊富な右腕はWCシリーズのいずれの試合でも先発候補となるため、登板可否によってシリーズ全体の先発起用にも影響が及ぶ可能性がある。
ブレグマンは前週末のシンシナティで、ネクストバッターズサークルにいた際にファウルボールが顔面を直撃した。大事には至らず、25日(同26日)にDHで戦列復帰。27日にも出場し、最初の2打席で連続本塁打を放った。
スワンソンは左脇腹を痛めて約1カ月離脱した後、18日(同19日)に復帰。その後は問題なくプレーを続けている。
パドレスでは、ケーシー・マイズ(29)が右足首捻挫、ルーカス・ジオリト(32)が右肘の炎症、ジョー・マスグローブ(33)がトミー・ジョン手術のため負傷者リスト入りしており、ワイルドカードシリーズには出場できない。いずれもポストシーズンの先発ローテーション入りは微妙な状況だった。
ブルペンでは、右肩のインピンジメントで離脱しているジェレマイア・エストラーダ(27)の不在が大きい。
野手陣には大きな不安材料が少ない。右手首骨折で負傷者リスト入りしているミゲル・アンドゥハー(31)は、プレーできる状態まで回復しているとみられる。ただし、WCシリーズの登録メンバーに入るかは別の判断となる。
【好調な選手、不調な選手は?】
カブスでは、クロウ=アームストロングが今季高いレベルの打撃を続けている。9月23試合でOPS.894を記録しているが、それでもシーズン全体の成績を下回る数字だ。
レギュラーシーズン最終戦を迎える時点で、9月は7本塁打、9盗塁を記録し、シーズン通算45本塁打、41盗塁。さらに12四球、16打点、19得点を挙げている。
ブレグマンも27日の試合前時点で9月のOPS.913と好調だ。
投手陣ではピーターソンが直近4試合で防御率1.27。今永も27日の調整登板前まで、直近4先発で23回を投げて防御率1.96、本塁打はわずか1本に抑えており、先発陣の中で安定した投球を続けている。
パドレスでは、5月下旬まで本塁打が出ていなかったタティスJr.が、その後は長打力を取り戻した。オールスター後に20本塁打を放ち、今季25本塁打でシーズンを終えた。
メリルも終盤に状態を上げ、マチャドは27日(同28日)に今季30号本塁打を記録。前半戦に苦しんだパドレスの主力打者たちは、そろって調子を取り戻してポストシーズンを迎える。
【そのほかの注目点】
・レギュラーシーズンの直接対決はカブスが6試合で5勝1敗。4月27~29日のペトコパークでは2勝1敗、6月29日~7月1日のリグレーフィールドでは3連勝した。
6試合の総得点でもカブスが55-28と大きく上回った。ただし、7月1日(同2日)にカブスが23-3で大勝した試合の影響も大きい。
・パドレスとカブスのポストシーズンでの対戦は過去2度。昨季のWCシリーズではカブスが勝ち上がり、1984年のナ・リーグ優勝決定シリーズではパドレスが勝利した。両シリーズ計8試合の対戦成績は4勝4敗となっている。
サンディエゴで行われた前回のポストシーズン対決は1984年。当時のジャック・マーフィー・スタジアムでパドレスが本拠地3試合すべてに勝利した。
・今季のカブスは、他球団を大きく引き離してメジャー最高の守備力を誇った。フィールディング・ラン・バリュー=FRV(守備による得点価値)は+70、OAA(平均より多く奪ったアウト数)は+72を記録。スタットキャストがデータの集計を始めた2016年以降、いずれもシーズン最高記録となった。
今季2位はFRVでカージナルスの+45、OAAでダイヤモンドバックスの+43。カブスが両指標で際立った数字を残した。
・9月以降、パドレス打線はwRC+(リーグ平均=100の打撃得点創出力)でメジャー首位タイ。前半戦はメジャーでも下位に低迷していたが、終盤に入って大きく持ち直した。昨季のポストシーズンでは3試合で計5得点に終わっており、今季は打線のさらなる得点力が求められる。
・ブレグマンは今季で10年連続となるポストシーズン出場を果たす。MLB.comのサラ・ラングス氏によると、MLBでポストシーズンが実施されたシーズンに限り、10年以上連続でポストシーズンの試合に出場した選手は、マリアノ・リベラ氏(56)の13年を筆頭に、デレク・ジーター氏(52)とバーニー・ウィリアムズ氏(58)の12年、ホルヘ・ポサダ氏(55)、チッパー・ジョーンズ氏(54)、トム・グラビン氏(60)、マイク・スタントン氏(59)の11年、ケンリー・ジャンセン(38)、アンドリュー・ジョーンズ氏(49)、グレッグ・マダックス氏(60)の10年。ブレグマンもこの顔ぶれに加わる。
・パドレスの球団トッププロスペクト、新人捕手イーサン・サラス(20)は第1戦の先発出場が有力ではない。ただし、今シリーズで捕手として出場すれば、メジャー史上最年少でポストシーズンの試合にマスクをかぶる選手となる。
現在の最年少記録は、1969年のナ・リーグ優勝決定シリーズ開幕時に20歳230日だったボブ・ディディエ。サラスは29日の第1戦を20歳120日で迎える。

