ドミニカ共和国はワールドベースボールクラシックの20年の歴史を通して、強力な打線を誇ってきた。2006年の第1回大会では2人の殿堂入り選手(エイドリアン・ベルトレとデービッド・オルティス)のほか、殿堂入り確実の強打者(アルバート・プホルス)、多数のオールスター選手(ミゲル・テハダ、アルフォンゾ・ソリアーノ、ホゼ・レイエス、モイゼス・アルー)が集まり、チームをベスト4進出に導いた。
2026年ワールドベースボールクラシック
今大会のドミニカ共和国を率いるプホルス監督は「かなり良い打線だった」と当時を振り返りつつ、「でも、今回の2026年の打線は、おそらくドミニカ共和国史上最強の打線だと思う」と語り、今大会の強力打線に自信を見せている。実際、エキシビションゲームの2試合でプホルス監督が組んだ打線の顔ぶれを見ると、異論を唱えるのは難しい。
ドミニカ共和国の野手陣は、合計で28度のオールスター選出を誇り、シルバースラッガー賞を19度受賞している。ほとんどの選手が所属チームで1~3番を打っているが、現代版の「マーダラーズ・ロウ」(殺人打線=かつてのヤンキース打線の異名)において、7~9番を打たなければならない選手が出てくるのも当然のことだ。
プホルス監督は「監督として、嬉しい悩みの種だね。まさにドリームチームだよ」と言う。
考えてみてほしい。フリオ・ロドリゲスは昨季、マリナーズで30本塁打&30盗塁を達成し、スタメン出場した全160試合で1~3番を打った。しかし、ドミニカ共和国がタイガースと対戦したエキシビションゲーム2試合では7番打者として起用された。
「クラブハウスにエゴなんてない。みんな自分の打順を分かっている。結局のところ、彼らはドミニカ共和国のユニフォームを着て、国を代表してプレーしているんだ。自分の名前のためにプレーするわけじゃないんだよ」とプホルス監督は語った。
プホルス監督がタイガース戦と同じ打順を維持する場合、1~4番にはフェルナンド・タティスJr.、ケテル・マルテ、フアン・ソト、ブラディミール・ゲレーロJr.の4人が並ぶ。昨季パドレスで159試合中150試合に3番打者として出場したマチャドが5番、昨季レイズで45本塁打を放ったジュニオール・カミネロが6番、フリオが7番を打ち、8番と9番には捕手(オースティン・ウェルズとアグスティン・ラミレス)と遊撃手のヘラルド・ペルドモが入る。
ドミニカ共和国の初戦、ニカラグア戦で先発する予定のクリストファー・サンチェスは「この打線が味方でいてくれるのは、神様に感謝だよ」と語った。
プホルス監督は「誰もがこんな打線を夢見ている。上位から下位まで、全員が得点を生み出せるし、私も柔軟に対応することができる。明日の初戦、そして今大会の残りの試合でも、この強力打線で戦えることを本当に楽しみにしているよ」と語った。
リードオフマンを務めるタティスJr.もプホルス監督の「史上最強」という意見に同意する。しかし同時に、「史上最強」という評判は、フィールド上でプレーする選手たちにプレッシャーを与えることになる。
「期待が高まっているからこそ、僕たちに求められるものも大きくなる。間違いなくオールスターチームだが、やらなければならないことがある。本当に大きな期待が寄せられているし、僕たちも今回のチャレンジを楽しみにしているよ」とタティスJr.は意気込みを口にした。
ドミニカ共和国のゼネラルマネージャー(GM)を務めるネルソン・クルーズは、自身もワールドベースボールクラシックに4度出場しており、2013年大会では全勝優勝も経験した。今大会のロースターを編成するにあたり、非常に多くの才能の中から、最高の才能を選ぶだけでなく、複数の役割に適応できる選手を探したという。
クルーズGMは「柔軟に対応できる選手を求めていたんだ。選手たちに最初に伝え、明確にしたのは、どのような役割で、どのように起用するかということだった。そのメッセージは非常に明確だった。要するに、どんな状況でも力を発揮できる選手を集めてチームを作りたいということだ。アルバートが自由に選手を起用し、選手たちから最高のパフォーマンスを引き出せるようなチームにしたかった」とチーム編成の方針について語った。
プホルス監督は今大会のドミニカ共和国の打線に対する自身の評価が正しいと証明されることを望んでいるが、そのためには、ドミニカ共和国が優勝を果たす必要がある。
「今のところ、最強の打線は2013年だ。優勝したのだからね。もし今大会で優勝すれば、私たちが最強の打線だったと言ってもらえるだろう」とプホルス監督。強力打線を擁するドミニカ共和国の戦いがいよいよ幕を開ける。
