フィリーズに痛手、ベイダー負傷で出場に黄信号

検査結果は良好、出場の有無は当日の判断

October 5th, 2025

フィリーズの外野手ハリソン・ベイダーナ・リーグ地区シリーズの初戦、七回に左鼠蹊部(そけいぶ=足の付け根)の張りを訴え途中交代した。7月末にツインズからトレードで加入して以来、チームに欠かせない存在となっており、残りのシリーズに出場できないとなれば、フィリーズにとって大きな痛手だ。

初戦の翌日、10月5日(日本時間6日)の検査結果は良好だった。ロブ・トンプソン監督によると「大きな断裂や損傷は見られなかった」とのことで、同日にさらに治療を受ける予定。6日に行われる第2戦に出場できるかどうかは当日の状態を確認してから、決められる。

「試合後にストレッチや軽い動きをさせたところ、状態は良くなっていた。先発できるか、少なくとも代打で出られるかは、明日(6日)判断する」とトンプソン監督は説明した。

ベイダーは五回に死球で出塁。その後、ブライソン・ストットの安打で一塁から二塁へ走る際に違和感を覚えた。二回には犠牲フライで打点を挙げ、五回にはダイビングキャッチを見せるなど、攻守でチームに貢献していた。

「特に理由は分からない。全力でダイビングキャッチをしても大丈夫だったし、スイングも一日中問題なかった。激しいスイングもしたけど、ただ不運としか言いようがない」とベイダーは話した。

トレード期限ギリギリの7月31日に加入したベイダーは、フィリーズでの50試合で打率.305、OPS.824の好成績。長年不安定だったセンターのレギュラーをしっかりと務め上げている。

ベイダーの代役としてセンターを守ることができる選手はブランドン・マーシュのみ。しかし、初戦では、マーシュが八回に代打を送られたため、マックス・ケプラーがセンターを務めた。ケプラーは過去3年でわずか6イニングしかセンターを守っていない。

「おそらくマーシュをセンターで使うことになる。ただ、ケプラーも信頼している」とトンプソン監督は語る。

マーシュは5月以降打率.303、OPS.836と好調だったが、左投手相手の成績は打率.197、OPS.577と苦戦。ベイダー加入後は左翼でプラトーン起用(相手投手の左右などに応じてスタメンを変える起用法)が基本だった。そのため、ドジャースの左腕ブレイク・スネルが先発する第2戦では、マーシュが中堅を守る可能性が高い。

「まずはベイド(ベイターのニックネーム)の無事を願っている。彼は本当に重要な存在だから。まだ何も聞いていないけど、僕は毎日ベストを尽くすだけだ」とマーシュは語った。

ベイダーは昨季、レッズでプレーしていた際も右鼠径部の張りでシーズン終盤11試合を欠場したが、今回の箇所とは違うと説明した。

「今は全てを出し切る時期だ。どんな小さなチャンスでも、チームのために、そしてこの先の野球のために全力を尽くす。少しでも可能性があるなら、俺は絶対に出る」とベイダーは覚悟を語った。