「永遠」は今始まる レイズの新球場計画、郡委員会で承認

6:53 PM UTC

レイズの新オーナーグループは、就任時に一つの約束を掲げた。昨年10月上旬、ジョージ・M・スタインブレナー・フィールドで、共同会長のビル・コスグローブ氏、最高経営責任者(CEO)のケン・バビー氏と並んで会見に臨んだマネージングパートナーのパトリック・ザルプスキー氏は、最優先課題を明確にした。

タンパベイ地域に長期的な本拠地球場を確保することについて、ザルプスキー氏は「最初に取り組む、最も優先度の高い課題になる」と位置づけた。

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「簡単なことではない」とザルプスキー氏は、新オーナーグループの就任会見で認めた。「それでも、ここタンパベイで成功できると確信している」と自信を語った。

それから約11カ月。計画は正式に承認された。27日(日本時間28日)にタンパ市議会で4対3の賛成多数で可決され、28日(同29日)にはヒルズボロ郡委員会でも5対2で承認。レイズがタンパにあるヒルズボロ・カレッジのデール・マブリー・キャンパス跡地に建設を計画する新たな長期本拠地球場「フォーエバー・ホーム」の実現へ、大きく前進した。

市と郡の承認を得たことで、レイズは今後、地域貢献協定の策定や債券・資金調達の確認作業を進めることができる。さらに、タンパベイのファンが20年にわたって待ち続けてきた新球場の起工式開催へ向けた準備にも入る。

すべてが計画通りに進めば、2029年の開幕を新球場で迎えるための準備が本格化する。

「この瞬間を迎えるために、時間、労力、アイデア、そして信頼を注いでくださったすべての方々に、心から感謝しています」とザルプスキー氏は声明を発表した。

「まだ重要な仕事が残っていることは認識しています。この大きな変革をもたらすプロジェクトの約束を実現するため、今後も協力を続けていくことを楽しみにしています」

さらに「きょうはタンパベイにとって素晴らしい日です。実現に力を貸してくださったすべての方々に感謝します。『永遠』は今、始まります」と喜びを表した。

レイズがセントピーターズバーグのトロピカーナフィールドを使用する契約は、2028年シーズン終了後に満了する。そして、その後の本拠地が決まった。

新球場と周辺開発は「働く、暮らす、学ぶ、遊ぶ」をコンセプトに、デール・マブリー・ハイウェイ沿いに整備される。NFL(北米フットボールリーグ)バッカニアーズの本拠地レイモンド・ジェームス・スタジアムの向かい側で、ヤンキースのジョージ・M・スタインブレナー・フィールドにも隣接する。タンパベイ地域の中心部に位置し、地域住民の多くの人々がアクセスしやすいほか、タンパ国際空港にも近く、タンパ中心部からも数キロの距離にある。

「タンパベイ・レイズは、歴史的な決断を下したヒルズボロ郡委員会に心から感謝し、その決断を称賛します」とバビー氏は声明で謝意を示した。

「レイズ、タンパ市と連携した郡の投資が承認されたことで、きょう地域全体が、民間資金による複合用途地区、刷新されるヒルズボロ・カレッジのキャンパス、そしてタンパベイにおけるメジャーリーグの長期的な未来を確かなものにする新球場の誕生を祝うことができます」

ヒルズボロ郡委員会では、ケン・ヘーガン氏、ハリー・コーエン氏、グウェン・マイヤーズ氏、クリスティン・ミラー氏、クリス・ボールズ氏がレイズの提案に賛成票を投じた。ドナ・キャメロン・セペダ氏とジョシュア・ウォスタル氏は反対した。郡にとって大規模な投資となり、総工費23億6000万ドル(約3780億円)と見込まれる新球場建設費のうち、7億9600万ドル(約1275億円)を負担する。大半は郡のコミュニティー投資税から約3億6000万ドル(約577億円)、観光開発税から約3億300万ドル(約485億円)を充てる。

タンパ市は8000万ドル(約128億円)を負担し、レイズは約13億7000万ドル(約2194億円)に加え、予算を超過した建設費も全額負担する予定だ。球団は周辺の複合開発地区についても、民間資金で整備する見通しとなっている。

契約内容を定めた最終文書によると、新球場は固定式屋根を備え、収容人数は最低2万8000人。ヒルズボロ郡が所有し、レイズは年間400万ドル(約6億4000万円)の賃料を支払う。球団移転を禁止する条項を含む使用契約の期間は35年間となる。

プロジェクトの一環として、周辺地区にはヒルズボロ・カレッジのキャンパスを刷新し、近代化した施設も整備する。レイズは新球場を野球以外のイベントにも活用できる点を強調。さらに周辺開発を通じ、企業、ホテル、飲食、エンターテインメントなどが集まる新たな目的地を生み出す構想を掲げている。ブレーブスの本拠地周辺に整備された「ザ・バッテリー・アトランタ」のタンパ版を目指す。

レイズが長年にわたって本拠地球場問題を抱えてきた経緯を考えれば、今回の計画は急速にまとまったようにも映る。

昨年9月、ザルプスキー氏が率いるグループがスターンバーグ氏から球団を買収し、正式に経営権を取得した。前筆頭オーナーのスチュアート・スターンバーグ氏から球団を買収した。スターンバーグ氏の在任中には、長期的な本拠地球場の確保を目指して複数の計画が進められたが、いずれも実現しなかった。最後の計画では行政の承認まで得たものの、球団側が撤退した。スターンバーグ氏は売却時、タンパベイに球団を残す「最も大きな可能性を与えてくれる」グループを選んだと説明していた。

今年1月、レイズはヒルズボロ・カレッジの敷地を新球場建設の最有力候補地に選び、同校と法的拘束力を持たないパートナーシップを締結した。MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナー、フロリダ州のロン・デサンティス知事からも支持を得て、新球場の外観や内部の完成予想図を公開。さらに契約の基本的な枠組みを定めた覚書をまとめ、タンパ市、ヒルズボロ郡との交渉を進めてきた。