補強ほぼ無しのヤンキース、新シーズンへ進化の余地は?

February 4th, 2026

ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、新シーズンに向け、チームの顔ぶれは大きく変わっていなくても、結果を変えることができると考えている。

今オフ、ヤンキースが行なった目立った補強は投手のライアン・ウェザーズのみ。しかし、「ブルージェイズに敗れたチームのままだ」という指摘に対して、同GMは「同じロースターではないと思っている」と違った見方をしている。

「同じチームでやり直している、という意見には賛成できない。われわれが持っている質と才能のあるロースター(メンバー編成)で戦うことに不安はない。その姿勢はこのオフを通じて一貫している。『このチームは優勝できるレベルではない』と言う人がいれば、いくらでも議論するつもりだ」

2026年に向けて、キャッシュマンGMの主張が正しいことを示し、ヤンキースが昨季から進化を遂げることのできる要素はいくつかある。躍進の鍵となるポイントは、次の3つだ。

1. 主力選手たちのコンディション改善

最大の補強と言えるのがゲリット・コールの復帰だ。トミー・ジョン手術からの回復に専念するため、昨季は全休となったものの、2023年ア・リーグのサイ・ヤング賞投手は、5月下旬から6月上旬にかけて復帰する見込みだ。

ルイス・ヒルが万全の状態に戻ることも、ローテーションにとって大きな追い風になる。ヒルは2024年に151回2/3を投げて防御率3.50、171三振を記録し、ア・リーグ新人王に輝いたが、昨季は右広背筋の負傷により11先発にとどまり、復帰後も本来の姿には見えなかった。

打線でも昨季は大きな欠場があった。ジャンカルロ・スタントンが両肘のリハビリでシーズンのほぼ半分を欠場。常に健康面の不安がつきまとう選手だが、出場試合数が少し増えるだけでも、その影響は大きい。2025年は77試合の出場で24本塁打、66打点、OPS.944を記録している。

アーロン・ジャッジは、ほぼシーズン通して出場したものの、右肘の負傷で欠場した10試合が、結果的に地区優勝を逃す要因になったとも言える。ジャッジ不在時のヤンキースは4勝6敗に終わり、最終的にリーグの第1シードを逃した。

2. トレードで獲得した選手たちが戦力として定着すること

昨年のトレード期限での動きは主に2025年を考えたものだったが、複数年の保有権を持つ選手を獲得しており、2026年も大きな役割を果たすと期待されている。中でも重要なのが、デービッド・ベドナーカミロ・ドバルライアン・マクマーンホセ・カバジェロの4人だ。

特に、2025年にデビン・ウィリアムズとルーク・ウィーバーが不安定だったクローザー役を、ベドナーが安定して務めることを期待している。ドバルもまた元クローザーであり、ウィリアムズとウィーバーがFAでメッツへ移籍したため、ブルペン内で重要な役割を担うことになった。

マクマーンは、ここ数年定まらなかった三塁のレギュラーを固める存在として期待されている。一方のカバジェロは、アンソニー・ボルピーが左肩手術から復帰するまで遊撃で起用される見込みだ。ボルピーが負傷者リストから戻った後も、カバジェロはユーティリティ選手として、またチーム有数の盗塁要員として重要な役割を担い続けるだろう。

3. 自前で育てた選手たちからさらなる成長を引き出すこと

聞き慣れた話かもしれないが、ボルピーの成長は依然としてヤンキースの将来を左右する重要な要素だ。26歳のボルピーは、遊撃手として3シーズンを過ごしてきたが、安定した結果を残せているとは言い難い。それでも球団は、ポジションを変更する決断を下していない。

2026年に向けて、ヤンキースがさらなる飛躍を期待している生え抜き選手はボルピーだけではない。2025年に充実したシーズンを過ごした先発投手のキャム・シュリットラーと、一塁手のベン・ライスにも注目が集まっている。

シュリットラーはルーキーイヤーながら、度々支配的な投球を見せ、レギュラーシーズン14先発で防御率2.96を記録。さらに、レッドソックス戦でのポストシーズン初登板では歴史的な内容を披露した。ライスは530打席で26本塁打、OPS+131をマーク(OPS+は100を平均とする指標)。十分に立派な数字だが、より細かい指標を見ると、さらなる飛躍の可能性も感じさせる。

ジャッソン・ドミンゲススペンサー・ジョーンズについては、コディ・ベリンジャーの再契約により、現時点では安定した出場機会を得られるかは分からない。ただし、2025年にサプライズ的なブレークを果たしたトレント・グリシャムの打撃が後退すれば、状況が変わる可能性もある。