【ダイヤモンドバックス0-2カブス】シカゴ/リグレーフィールド、5月2日(日本時間3日)
カブスの今永昇太がダイヤモンドバックスとのシリーズ2戦目に先発。7回を87球の効率的な投球で、今季3勝目をマーク。打線は七回までイアン・ハップのソロ本塁打の1得点のみだったが、この日の左腕はそれで十分だった。
「特別何かが良かったわけではないですけど、しっかりと試合前にキャッチャーと話し合った。投手コーチと話し合ったことを実行することだけを考えて、それができて良かったと思います」
攻撃では大量援護こそなかったものの、守備が今永を支えた。三回、強烈なピッチャーライナーを一度はグラブを弾いたが、遊撃のダンズビー・スワンソンがあらかじめ打球方向を読んでいたかのような絶妙なポジショニングで難なくさばいた。
スワンソンは、この試合で今永が打ち取ったゴロのうち6つのうち5つを処理。ボールが集中するのは、適切な守備位置取りの証だ。
「まずはカブスのみんな、カブスの野手はものすごく守備が上手い。そしてその守備の上手さに加えてポジショニングが素晴らしいので、本当にどこに打ってもアウトになるような、自分でも振り返ったら絶対アウトになるような、そういう気がしていつも投げています」と今永は試合後に称えた。
今季は速球の球速アップが好調の要因となっており、どれだけの失点を防いだかを示すピッチング・ラン・バリューにおいて、速球がリーグ上位8%台。昨年は下位10%と課題だった球種が好投を支えている。
速球がしっかり走っているからこそ、スプリットもより効果を発揮する。MLB.comのジョーダン・バスティアン記者によると、この日の今永は打者1巡目では速球を59%の割合で投げていたが、3巡目にはわずか8%まで減少した。一方でスプリットは1巡目の41%から、2巡目50%、3巡目には72%まで上昇した。
「僕がスプリットを選んだシーンもあれば、(捕手の)アマヤがスプリットを選んだシーンもあるので、ゲームの流れで多くなっていったというのもあると思います。Dバックスの打線はどこからでも点が取れるので、とにかく一番リスクの低いボールを選択していきました」
ただ、それだけではなくメジャー3年目の経験値も進化の要因となっているようだ。本拠地リグレーフィールドは強風で知られており、風速が分かる専用のアプリが存在するほど。しかし、今永はむしろそれを投球に生かしている。
「ここ2年間はそこまで考えなかったんですけど、今年に入ってこの球場の特徴もだいぶ分かってきて、どういう風が吹いたら、どういうバッティングをされると良くないっていうのも分かってきた」と今季からの変化についてコメント。
「今日に関して言えば、右バッターに強く引っ張られたらレフト際に風が流れていたので、ポール際とかにホームランが入ってしまうのが嫌だなと思いながら投げて、左バッターにはアグレッシブに投げていっていいんじゃないかなっていう、そういう変化はありました」と続けた。
ホームでの初戦では4失点となったが、この日を含めた本拠地での直近3登板で、計20イニングを投げわずか2失点。チームも同様にホームでは10連勝と絶好調だ。
「本当に見事な投球をした。あらゆる球種を織り交ぜ、本当に素晴らしいピッチングだった。非常に高いレベルで投球しており、非常に高いレベルで(プランを)遂行している」とカウンセル監督は称えた。
「自分はまだまだピッチャーとして完成していないと思いますし、これからどんどん自分はもっといいピッチャーになれるっていうそういうマインドを持っています。今年一年が大事というよりかは、これまでプロ野球のキャリアが11年間あるんですけど、11年間ずっと大事だった。特に今年だからということではなく、僕にとってはいつも、次の試合も大事です」
32歳にして、さらなる進化を感じさせる今永。”投げる哲学者”の探究は続く。