進化した速球で空振り量産 今永の快投でカブス大勝

3:37 AM UTC

カブス11-2フィリーズ】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、4月15日(日本時間16日)

シチズンズバンクパークの二塁から、ニコ・ホーナー今永昇太の投球を間近で見ていた。今永と捕手ミゲル・アマヤがフィリーズ打線を切り裂いていく様子に、ただただ感嘆していた。

「本当にすごかった。ミギー(アマヤ)と完全に呼吸が合っていて、まるで一緒に踊っているようだった。見ていて楽しかった」

フィリーズに11-2で勝利したこの試合では打線の援護も大きかったが、今永の快投も際立っていた。前回のパイレーツ戦で6回無安打投球を見せると、この試合でも6回を投げた上に、空振りを量産する圧巻の内容だった。

MLBの最新ニュースを見逃さない!

今永は26の空振りを奪い、ダルビッシュ有(2020年8月23日ホワイトソックス戦)に並び、2008年以降のカブスの1試合最多記録。また11奪三振は自己最多タイだ。

ここ4試合の投球は、ブレイクした2024年の姿を彷彿とさせる。昨年はケガに苦しんだが、ここまでの投球に本人も手応えを感じている。

「打たれたときは打たれた原因をしっかりと、マウンド上で分析できていますし、抑えたらなぜ抑えたかっていうのも分かっている。2巡目3巡目も頭に入れた中で分析できている」と今永は自身の状態について語った。

この日、初回先頭のトレイ・ターナーに本塁打を浴びたが、その後はすぐに立て直し、21打席で出塁を許したのはわずか3人。カイル・シュワーバーとブライス・ハーパーの主砲コンビを合わせて6打数無安打、5三振に抑え込んだ。

「すべての球種で緩急の使い分けが素晴らしかった。スライダーも速いのと遅いのがあったし、全体的に非常に良い投球だった」とハーパーは評価した。

今季は22回で防御率2.45を記録しているが、許した6自責点のうち3点は開幕戦でジョーイ・ウィーマーに浴びた3ランによるもの。その後は打者を打率.127(71打数9安打)に抑えている。4先発で31三振、5四球と内容も充実している。

フィリーズ戦ではフォーシーム(34球)と持ち味のスプリット(32球)を中心に投球しつつ、スイーパー19球、シンカー11球、カーブ1球を織り交ぜた。スプリットだけで14の空振りを奪うなど、決め球として威力を発揮した。

スプリングトレーニングを含め、今永はすでに17以上の空振りを5試合で記録。3月17日のエンゼルス戦(オープン戦)では25の空振りを奪い、ダルビッシュ有の記録に迫った。レギュラーシーズンでも4先発中3試合で17以上の空振りを奪っている。昨季は15以上が1度しかなかったことを考えると大きな進歩だ。

「球が良くなっていると思う。特に空振りの多さにそれが表れている」とカブスのトミー・ホットビー投手コーチは今月初めに語っていた。

スプリングトレーニングで復調の兆しがあったかと問われたホーナーは、速球の球速向上を挙げた。今永は2024年に平均91.7マイル(約147.6キロ)だったが、2025年は90.8マイル(約146.1キロ)まで低下。しかし今季は92マイル(約148.1キロ)前後まで回復し、試合前時点で平均92.2マイル(約148.4キロ)だった。

「フォーシームの伸びが少しでも増すと大きい。その球速差によって打者が判断する時間が減って、その結果ほかの球種に手を出してしまう。さらに変化球やシンカーで揺さぶることで、フォーシームへの迷いも生まれる」

まさに、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票5位だった2024年のような投球を見せる今永。しかし本人はそんな比較にも冷静だ。

「自分自身は毎年レベルアップしているように自信を持っている。2024年よりも2025年の方が良かった時もありますし、今は過去に戻るんじゃなくて、また新しい自分を作り上げる、過去の良かった時とかあんまり関係ない。今の新しい自分を作り上げることにフォーカスしています」