イスラエル代表 未勝利に終わった前回大会から再浮上なるか

February 6th, 2026

アメリカ系ユダヤ人選手を中心に構成されるイスラエル代表は、今大会が3度目のワールドベースボールクラシック(以下WBC)出場となる。2013年の第3回大会では予選で敗退し、本大会出場はならなかったが、2016年の予選を突破して2017年大会への切符をつかんだ。

その2017年大会で、イスラエルはまさに“シンデレラ・ストーリー”を演じる。韓国、台湾、オランダに勝利し、プール戦を3戦全勝で突破し、次のラウンド初戦でもキューバを下した。決勝進出への期待が高まったものの、その後はオランダ、日本に敗れ、快進撃はここで幕を閉じた。

今回のイスラエル代表も、メジャーリーガーとマイナーリーガーをバランスよく織り交ぜた編成となっている。ただし、同組にはベネズエラやドミニカ共和国などの強豪国が名を連ねており、厳しい戦いになることは避けられそうにない。

2023年大会のパフォーマンス

イスラエルは、マイアミで開催されたプールD、通称「死の組」に組み込まれた。対戦相手はベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ニカラグアと、いずれも実力国だった。初戦ではニカラグアに3―1で勝利し、幸先の良いスタートを切った。しかし、その後はベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国に敗れ、3連敗。残る3試合では合計25失点、わずか1得点に終わり、力の差を見せつけられた。

2026大会のスケジュール(プールD)

  • 3月6日:ベネズエラ
  • 3月7日:ニカラグア
  • 3月8日:ドミニカ共和国
  • 3月9日:オランダ

過去の大会での主な好成績

  • 2023年
     ディーン・クレーマー:4回、被安打3、無失点、1四球、4奪三振(対ニカラグア)
  • 2017年
     ジョシュ・ザイド:4試合10回、被安打5、無失点、6四球、10奪三振
     ライアン・ラバンウェイ:6試合、打率.444/出塁率.565/長打率.722、1本塁打、6打点

代表史に残るビッグゲーム

2017年大会での2つの勝利は、イスラエル野球史における金字塔だ。まず大会初戦で開催国・韓国に2―1で勝利し、そのままプールAを全勝突破。さらに日本で行われた準々決勝ではキューバを4―1で下し、大会4連勝を記録した。その後、オランダと日本に敗れたものの、大会屈指のサプライズチームとして名を残した。また、延期された東京五輪(2021年)では、ノックアウトステージでメキシコに12―5で勝利している。

チームを牽引するメジャーリーガー

  • ハリソン・ベイダー(外野手/ジャイアンツ)
  • スペンサー・ホーウィッツ(一塁手/パイレーツ)
  • ディーン・クレーマー(右腕/オリオールズ)
  • ギャレット・スタッブス(捕手/フィリーズ)

クレーマーは両親がイスラエル出身で、かつては代表唯一のイスラエル旅券保持者だった。2017年大会にもプロスペクトとして出場し、2023年大会ではチーム最高の投手だった。打線では、ベイダーとホーウィッツが実績ある打者として期待される。

マイナーリーグの有望株選手

  • コール・キャリッグ
  • ハリソン・コーエン
  • ジェイク・ゲロフ

前回大会で兄ザック・ゲロフの出場で、兄弟共演への期待も高まった。今回は兄の出場はないが、弟ジェイクは2023年ドラフト2巡目でドジャースに指名され、2025年にはハイAで16本塁打を記録。コーエンはヤンキース傘下の救援投手で、ブルペンの安定化が期待されている。

今大会の注目ポイント

1勝をもぎとれるか?

現実的に見て、多くのイスラエルファンが「必勝」と位置づけているのがニカラグア戦だ。この試合に勝てば、次回大会への出場権獲得も見えてくる。一方で、ベネズエラ、ドミニカ共和国、オランダといった強豪から白星を挙げるのは容易ではない。ただし、2017年大会ではオランダから金星を挙げた実績もあり、番狂わせの可能性がゼロとは言い切れない。

大会に向けた課題

最大の鍵は、やはり投手陣だ。確かな先発投手はクレーマー1人。前回大会では好投を見せたが、強豪ひしめくこのプールで勝ち上がるには、他の無名の投手たちが台頭し、強打線を抑え込む必要がある。