【プールB】ダブルエスプレッソ!有望株たちの連続HRでイタリア2連勝

March 8th, 2026

イタリア7-4イギリス】ヒューストン/ダイキンパーク、3月8日(日本時間9日)

大一番の仕事のあとには、ダブルエスプレッソを。

イタリアがイギリスに7-4で勝利し、ワールドベースボールクラシック(WBC)2連勝。攻撃の口火を切ったのが、若手有望株2名による、2者連続本塁打だった。最初の一発はブルワーズの6位プロスペクト、アンドリュー・フィッシャー。続いてエンゼルス傘下の捕手プロスペクト、J.J.ドーラジオが本塁打を放った。

これが意味することはたった一つ。イタリアのダグアウトで、再びエスプレッソが振る舞われたということだ。

イタリア代表は2023年大会で話題になったエスプレッソマシンを今回もダグアウトに持ち込んでいる。そして主将ビニー・パスクアンティーノが、「エスプレッソを飲む」ホームランセレブレーションを定着させた。

本塁打が出るたびに、パスクアンティーノはダグアウトの端でエスプレッソを手に待ち構え、打者に頬へのキスで祝福。1戦目のブラジル戦を含めてすでに5杯のエスプレッソが振舞われている。初戦以降はさらに演出が派手になり、本塁打を打った選手にはイタリアンブルーのスポーツコートまで用意されるようになった。

イタリアは、プールB最多本塁打の打線を武器に勢いに乗っている。しかし、ここからの相手はレベルが一段階変わる。10日にはアメリカ、11日にはメキシコとの対戦だ。

2023年大会で準々決勝進出に貢献したマイルズ・マストロブオーニは「アメリカやメキシコに限らず、この大会に出ているチームはどこも強い。でも彼らと戦うのは楽しいはずだ。持っているすべてをぶつけるよ」と語った。

もしイタリアがこのプールの本命2チームのうちどちらかに勝てば、2大会連続の1次ラウンド突破を果たす可能性が大きく高まる。

フランシスコ・セルベリ監督は「彼らに勝つ方法は一つ。野球をすることだ。彼らも、私たちが戦えることを分かっている。美しくやる必要はない。点を奪って勝つだけだ」とコメントした。

この日の試合で本塁打を放ったフィッシャーとドーラジオは、前日のチームメートよりもエスプレッソを楽しんでいる様子だった。前日のブラジル戦ではドミニク・キャンゾーネとダンテ・ノリが合わせて3本塁打を放っていたが、ノリはコーヒーが苦手(イタリアとしては“冒涜的”とも言えるが)で、キャンゾーネは、その時のは熱すぎたと話していた。

だが21歳のフィッシャーは違った。2025年ドラフトでブルワーズに1巡目指名され、プロ入りから1年も経たないうちに初のWBCに出場している。三回、右翼フェンスをわずかに越える本塁打でイタリアに先制点をもたらすと、勢いよくエスプレッソを飲み干した。

そして1打席後にはドーラジオも続いた。24歳の捕手は右中間へ403フィート(約123メートル)の本塁打を放ち、エスプレッソで祝福された。

「WBC以外で言えば、夢はまずメジャーリーガーになること、そして長く野球を続けることだ。でも、こういうチャンスはそう多くない。僕はまだプロとしては始まったばかりで、自分の名前を世に広めたいと思っている。こういう舞台はそのチャンスになると思う」とフィッシャーは冷静に語った。

「自分だけの話じゃない。こういう選手たちと一緒にプレーできること自体が貴重なんだ。この経験は本当にかけがえがない。…ブルワーズも同じように感じてくれていると思う。こういう機会は、球団にとってもプラスになるはずだからね」

2者連続本塁打となり、“バリスタ”のパスクアンティーノは大忙しだったが心配は無用。2本目の本塁打の祝杯も、しっかり間に合わせて用意していた。

本塁打を放ってダグアウトへ戻ってきた時点で、フィッシャーはすでにかなり興奮していた。あまりの勢いで、ネクストサークルにいたマストロブオーニとのハイタッチを逃してしまうほどだった。どうやら追加のカフェインは必要なかったようだ。

「この大会に出るまでの過程は、とても感情的なものだった。家族や友人、そして国を背負ってプレーするわけだからね」とフィッシャーは語る。

「初戦では打席が回ってこなかったけど、このチームは本当に層が厚いから全然問題ない。僕はまだプロになったばかりだし、当然だと思っている。そして次の試合でようやく打席が回ってきて、その瞬間に感情が一気に溢れ出たんだ」

さらにフィッシャーは、1イニング後の打席でも結果を残す。内野安打で打点を挙げ、イタリアに決勝点をもたらした。

エスプレッソのエネルギーは、打線全体に広がった。

フィッシャーの勝ち越し打の後、マストロブオーニとノリが2死からタイムリーを放ち、スコアは5-2。さらに五回にはサム・アントナッチが一塁線に放った打球が外野のコーナーまで転がり三塁打になると、さらに、三塁への送球が逸れ、アントナッチはそのまま本塁に突っ込み、リトルリーグ本塁打となった。(しかし、エスプレッソの祝杯は行われなかった)

九回にはイギリスも反撃を見せる。2死満塁とし、打席には長打力で知られるハリー・フォード。逆転打の可能性もあったが、イタリアの守護神グレッグ・ワイサートがMLB全体71位プロスペクトを左飛に打ち取り、ピンチを切り抜けて試合を締めくくった。

勝利が決まると、今度はもう一つのイタリア流の祝い方の出番だった。上質なワインのボトルで祝杯だ。

「勝つのは簡単じゃないし、だからこそ祝うべきなんだ。チームとしてまとまり、勝利を祝う方法を見つけた。ここまで2連勝できたのは幸運だし、これはその小さなお祝いだ。このチームの誰に聞いても、私たちのルーツや伝統は深く根付いていると言うはずだ」とマストロブオーニは語った。