【フィリーズ8−9ブルワーズ】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド 6月13日(日本時間14日)
前日の鬱憤を晴らすかのようにフィリーズ打線が爆発した。
シリーズ初戦では、ブルワーズの怪物右腕ジェイコブ・ミジオロウスキーの前にわずか1安打で完封負けを喫した。しかし、2戦目は今季最多の17安打で僅差の勝利を果たした。
「打線があらゆる形で得点を重ねた夜だった」とフィリーズのドン・マッティングリー監督代行は振り返った。
中でも存在感を放ったのが、J.T.リアルミュートで4打数3安打、1本塁打、4打点、1四球を記録。対戦成績から抜け出す「きっかけとなる試合」を必要としていた選手の一人だった。
マッティングリー監督代行は「昨夜のことを引きずっている様子はなかったし、そうなるとも思っていなかった」と語った。
「正直に言えば、ああいう投球をされた翌日は切り替えやすいものだ。ミジオロウスキーにあんな球を投げられたら(打てなくても)仕方がない。あれだけ圧倒的な投球を見せられた後では、翌日に対戦する投手は誰でも楽に感じるからね」
前夜にミジオロウスキーの最速104.5マイル(約168.2キロ)の剛速球を見せつけられたフィリーズ打線にとって、相手先発シェーン・ドローハンの速球はまるで別世界だった。平均球速は94.5マイル(約152.1キロ)はミジオロウスキーの最速より10マイル(約16キロ)も遅かった。
リアルミュートは「104マイル(約168キロ)を見た翌日だからね。むしろゲームのスピードが少し遅く感じた」と笑った。
キャリアでも最悪の打撃不振に苦しんでいたリアルミュートにとって、この日は待望の復活劇となった。
5月9日以降の直近25試合は打率.138(80打数11安打)。13年のメジャー生活の中でも、25試合スパンでは最低の打率で、打点もわずか3にとどまっていた。
リアルミュートは、まず四回にタイムリーを放つと、六回には試合を決定づける3ラン本塁打を右翼席へ。一振りで過去25試合分の打点数に並び、2024年8月24日以来となる1試合4打点を記録。さらに九回にも安打を放ち、4月13日以来となる今季2度目の3安打を達成。直近11試合では33打数2安打(打率.061)と苦しんでいたが、復調への足掛かりとなる一戦となった。
「今年はなかなか自分らしい打撃ができていない。それは自分でも分かっているし、これからも改善していかなければならない部分だ。でも今夜は感触が良かった。打てる球をしっかり捉えられたし、タイミングも合っていた」
リアルミュートは久々の活躍に確かな手応えをにじませた。
フィリーズにとって、打線爆発は勝利に必要不可欠だった。先発アーロン・ノラが5回を持たずに降板し、その後もブルペン陣も崩れてブルワーズ打線の反撃を許した。
打線が今季最多の17安打で9得点を奪ったこそ、終盤の追い上げを振り切ることができた。その中心にいたのが、長いトンネルを抜け出そうとしているリアルミュートだった。
先発アーロン・ノラは三回まで無失点と順調な立ち上がりを見せたが、四回に2ラン、五回にソロ本塁打を浴びて同点に追いつかれた。85球を投げて4回2/3で降板。2試合連続で5回を投げ切れず、今季13先発で防御率は5.86となった。
「ブルペンがまた助けてくれたし、特に六回は打線がすごく勢いを持って攻めてくれた」とノラは振り返った。
フィリーズは六回に一挙5点を奪ったが、ブルワーズも七回に2点、八回に3点を奪い、1点差まで追い上げた。
それでも最後は守護神ヨアン・デュランが九回無失点に抑えて逃げ切った。マスクを被り続けたリアルミュートは「正直、もう少し楽に終わる試合にしたかったけど、なんとか勝ち切れた」とホッとした表情でまとめた。
