ツインズが打線強化、一塁手兼指名打者のベルと1年契約で合意

メジャー25位のOPS.678と低迷した一塁手のアップグレード

December 15th, 2025

ツインズは補強ポイントの1つを埋めた。15日(日本時間16日)、関係者の情報によると、ツインズは一塁手兼DH(指名打者)のジョシュ・ベルと契約合意。契約条件は1年700万ドル(約10億5000万円)で、2027年シーズンの相互オプション(=球団と選手の双方に選択権がある)が付属しているという。

ベルの加入により、不動のレギュラーと呼べる選手が少ないツインズは、スタメンの1枠が埋まったことになる。なお、身体検査の結果待ちのため、球団からの正式発表はまだ行われていない。

スイッチヒッターのベルは、今季ナショナルズで140試合に出場し、打率.237、22本塁打、63打点、出塁率.325、OPS.742、OPS+110を記録した。今季のツインズは一塁手の打撃成績が低迷。チーム全体で打率.240、出塁率.307、OPS.678にとどまり、OPSはメジャー30球団中25位だった。

もしベルが来季の開幕戦に一塁手としてスタメン出場すれば、ツインズとしては、ミゲル・サノー(2022年)、ジョーイ・ギャロ(2023年)、カルロス・サンタナ(2024年)、タイ・フランス(2025年)に続いて5年間で5人目の一塁手となる。ただし、今季のベルはDHとしての出場が大半を占め、一塁手としての出場は33試合(うちスタメン32試合)だけだった。

ツインズは昨オフ、フランスと契約し、夏場のトレードでブルージェイズに放出するまで一塁のレギュラーとして起用した。フランス放出後はユーティリティプレーヤーのコディ・クレメンスが一塁のレギュラーに昇格。ベルの加入により、クレメンスは今季前半戦で存在感を示したユーティリティの役割に戻ることになるだろう。

ベルは近年、毎年のように夏場のトレード候補に挙がっており、ジャーニーマン(いろいろな球団を渡り歩く選手)のような存在になっている。今季はナショナルズで140試合に出場したが、シーズンを通して1球団でプレーしたのは2021年以来。いくつかの重要な指標では、ここ数年で最も優れた数字を残した。

今季のハードヒット率(打球初速95マイル=約153キロ以上の割合)47%は2021年以来の高水準で、期待長打率.497は2019年以来となる好成績。さらに、22本塁打は直近4シーズンで自己最多タイとなり、OPS.742も昨季(.724)を上回った。

ベルは長打を打てないときでも出塁能力の高さでチームに貢献できる。今季の四球率10.7%はメジャー平均(8.4%)を上回っており、三振率16.5%もリーグ平均(22.0%)より優れた数字だ。

今季終盤は特に好調で、シーズン最終20試合では打率.339、6本塁打、OPS1.083を記録。9月8日のマーリンズ戦では2本塁打を含む6打数4安打6打点と大暴れした。

ベルはスイッチヒッターだが、今季は左打席の数字がはるかに良く、打率.265、18本塁打、OPS.804を記録。一方、右打席では打率.151、4本塁打、OPS.552と低調だった。