ネイラーがマリナーズで築いた”ワン”ダフルな友情

February 18th, 2026

スプリングトレーニング真っ最中のマリナーズで、一際目立つペアがいる。

マリナーズの一塁手ジョシュ・ネイラーと、チームのクラブハウス犬、タッカーの絆は特別だ。今やネイラーにとって、タッカーにおやつをあげるのが、欠かせない日課になっている。

そのことをタッカーもしっかりと分かっているのだろう。ネイラーが内野守備や打撃練習に向かう前に芝生でストレッチをしていると、気づけばタッカーは隣にいて、ネイラーからもらえるおやつを頬張っている。

「変なものはあげないよ。いいおやつだけをあげている」とネイラーは強調した。

タッカーとの絆は、あくまでネイラーがシアトルで愛される理由の一つだ。打線の要としてチームメートから信頼され、高い熱量と忠誠心でファンに支持されている。シアトルを拠点とするチームのユニフォームを日常的に着用していることも人気を支えている。しかし、クラブハウス犬の8歳のイエローラブラドール・レトリーバーであるタッカーとの関係は、ネイラーの優しい一面を際立たせる。

「犬が大好きなんだ」とネイラーは語った。

「正直、犬は人間にとってもったいないと思うくらいだ。彼らは本当に素晴らしい。いつもハッピーで愛情深く、会うのを楽しみにしてくれている。彼らの人生は私たちの人生の一部なんだ。そう考えれば、毎日できる限り甘やかしてあげてもいいじゃないか」

昨夏、ダイヤモンドバックスとの大型トレードで加入した際、ネイラーは新チームのクラブハウスに犬がいることを知らなかった。加入後最初の1週間は遠征で、タッカーは帯同していなかった。

「最初に本拠地に戻った日、『今日は誰かが犬を連れてきたんだな。いいじゃん』と思ったんだ。そういう話はあまり聞かないからね。でもそれからいつ来ても彼はずっとそこにいるから『どういうことだ?』ってなった。『ああ、この子はここにいるんだな。じゃあ受け入れよう』って思ったよ」

2人はあっという間に打ち解けた。ネイラーは11月に5年総額9250万ドル(約139億円)のフリーエージェント契約でマリナーズに復帰した際の記者会見でもタッカーの名前を挙げた。冗談めかして「復帰の大きな理由の一つ」と語ったが、もしかすると本気だったのかもしれない。

「彼がクラブハウスに入ってくると、その場が明るくなる。みんな撫でたくなるし、会いたくなるし、少し遊びたくなる。昨年も早めに球場入りしたとき、テニスボールを持って一緒にグラウンドに出て、できるだけ遠くまで投げて、彼が全力で走っていくのを見ていたよ」

スプリングトレーニングでは、タッカーがへとへとになるまでネイラーはボール遊びをする。だが、おやつはどうしているのか。

「ほどほどにだよ。小さな皿に少しだけで、あげすぎないようにしてる。フルコースを一緒に食べるわけじゃないけど、ちょっとしたものはあげるよ」

ツーストライクからの打席と同様、犬に対しても節度を持っているようだ。

内容は主にリンゴやバナナなどの果物で、主なタンパク源はグリルチキンだという。レギュラーシーズン中、タッカーが最も好きな試合日は日曜日で、本拠地T・モバイルパークのクラブハウスでは朝食が用意され、ナイトゲームの日には出ないベーコンが並ぶ。

しかし、スプリングトレーニングが行われている、ピオリアスポーツコンプレックスでは事情が違い、毎日夜明け前から食事が用意されている。タッカーもそれを知っており、尽きることのない食欲を満たすための“標的”が数多くいる。中でも最も狙われやすいのが、マリナーズの長年の放送担当リック・リズスで、自制が効かないという。

「春にもらえるたくさんのおやつに備えて、体を仕上げてくるって聞いたよ。でもだからこそ、自分はあのやり方であげているんだ。タッカーにとっては162試合の長丁場なんだから」とネイラーは語った。

それも事実である。タッカーは5年前に東ワシントンの保護施設OkanDogsからマリナーズに引き取られて以来、体重を減らしている。少し食べすぎたとしても、キャンプ中は常にリードを外され動き回っているため、それ以上に消費している。

広大な施設にはボール遊びができるフィールドが6面あり、探検できる廊下も無数にあり、おやつも豊富にある。タッカーにとってこの時期が一年で最も好きな時間であることは間違いない。1年ぶりの訪問でも、アリゾナに到着すれば何が待っているかを正確に理解している。

「彼はチーム全体を明るくしてくれるんだ。みんな彼に会うのを楽しみにしているし、食事中もカフェテリアを歩き回っている。日々を本当に明るくしてくれる、最高の存在だよ」とネイラーは語った。