2023年のワールドベースボールクラシック(WBC)は、最初から最後まで私たちを熱狂させる素晴らしい大会だった。2026年大会もそれに匹敵する素晴らしいものになるはずだ。
今月上旬にWBCの出場選手が発表された際、いかに多くの才能あふれる選手たちが出場するかは極めて明白だった。
これを踏まえ、2026年のWBCの行方を左右する可能性のある8人のXファクターを見ていく。
2026年ワールドベースボールクラシック
ローガン・ウェブ投手(29歳、米国代表、右投手)
単刀直入に言って、米国代表は間違いなく層が厚い。アーロン・ジャッジ外野手(33)、カル・ローリー捕手(29)、ボビー・ウィットJr.内野手(25)
ら野手陣に、タリック・スクーバル投手(29)、ポール・スキーンズ投手(23)ら投手陣と、スター選手が揃っている。しかし、他国も主力を揃える大会では、チーム全体で役割を果たすことが不可欠だ。
注目は先発ローテーション。スクーバル、スキーンズに次ぐ3番手として期待されるのがローガン・ウェブだ。球界屈指のイニングイーターであるだけでなく、総合力でもトップクラスの先発投手の一人である。ジャイアンツ右腕は2025年に自己最高のシーズンを送り、ナ・リーグトップの224三振を記録して飛躍を遂げた。WBCでは球数制限があるとはいえ、ウェブは大会の行方を左右する存在になる可能性が高い。
サンディ・アルカンタラ投手(30歳、ドミニカ共和国代表、右投手)
ドミニカ共和国代表が強力打線なのは周知の事実だ。
最大の注目点は先発陣だ。2025年ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入ったフィリーズのクリストファー・サンチェス投手(29)に続き、大会でどの先発投手がチームを牽引するかが焦点となる。アルカンタラ、ブライアン・ベヨ投手(26)、ルイス・セベリーノ投手(32)など、MLBで実績のある先発は揃っているが、その中でもアルカンタラが最大の潜在力を秘めている。
アルカンタラは昨季、トミー・ジョン手術から復帰し、174回2/3を投げて防御率5.36(予想防御率4.64)と成績は振るわなかった。しかし、2022年のナ・リーグサイ・ヤング賞受賞者はシーズン後半に調子を上げ、後半戦は防御率3.33を記録している。30歳のアルカンタラは手術からさらに時間が経過しており、後半戦の成績が示す通りであれば、今大会におけるドミニカ共和国代表のカギを握る存在となる可能性が高い。
伊藤大海投手(28歳、日本代表、右投手)
2023年の決勝で劇的な勝利で優勝した日本代表は、今大会でも全く引けを取らない強さだ。日本代表の目玉は大谷と山本だが、過去最多となる9人のメジャーリーガーをはじめ、他にも才能あふれる選手が多数揃っている。その中で、MLBファンには最も馴染みの薄い存在かもしれないのが伊藤大海だ。
28歳の伊藤はこの10年間で日本プロ野球屈指の投手の一人で、昨季は196回2/3を投げ、防御率2.52、195三振を記録。沢村賞(日本のサイ・ヤング賞)を受賞した。今大会、大谷が打撃に専念することもあり、日本代表には山本以外にも先発を任せられる投手が必要とされる。菊池雄星(34)、菅野智之(36)、そして伊藤がその候補だ。
ジャクソン・チューリオ外野手(21歳、ベネズエラ代表)
ベネズエラ代表を伏兵と呼ぶのは無理がある。選手を見れば一目瞭然だ。しかし、大会の優勝候補として広く見なされているわけではない。だが、ロナルド・アクーニャJr.外野手(28)、レンジャー・スアレス投手(30)、コントレラス兄弟らを擁するチームは、最後まで勝ち進むチャンスがある。そこに到達するためには、誰かが大活躍する必要がある。
その役割を担う可能性があるのがチューリオだ。来月22歳になる若武者は、MLBでの最初の2シーズンですでに6.9のWAR(ファングラフス版の勝利貢献の総合指標)、42本塁打、43盗塁を記録している。チューリオは2026年シーズンにさらに飛躍する可能性を秘めており、私たちはすでに大舞台で活躍する姿を目にしている。2024年の自身2試合目となるプレーオフで2本塁打を放った時や、昨季のナ・リーグ地区シリーズで101.4マイル(約163.2キロ)の速球を打ち返した本塁打がその例だ。
ランディ・アロザレーナ外野手(30、メキシコ代表)
アロザレーナは常に劇的な場面で強さを発揮してきた。歴史的な2020年のポストシーズンでの快進撃や、2023年WBCでの活躍も記憶に新しい。そのため、今大会でもヒーローとなる可能性は十分にある。その理由の一つは、この10年間で誰よりも安定した成績を残してきたことだ。アロザレーナは5シーズン連続で20本塁打、20盗塁を達成し、すべての年でWAR2から3.9を記録している。
今大会のメキシコ代表は他国に比べてやや見劣りする部分があるかもしれないが、上位進出を狙う実力は十分に備えている。チームの主力はアロザレーナ、アレハンドロ・カーク捕手(27)、ジャレン・デュラン外野手(29)、アンドレス・ムニョス投手(27)らだ。もしアロザレーナが例年通りの本塁打量産モードに入れば、メキシコ代表は大会で旋風を巻き起こす可能性がある。
セス・ルーゴ投手(36、プエルトリコ代表、右投手)
フランシスコ・リンドーア内野手(32)とカルロス・コレア内野手(31)が不在のプエルトリコ代表では、誰かが大きく飛躍することが求められる。その役割を担う可能性が最も高いのが、チーム唯一のMLB経験を持つ先発右腕、ルーゴだ。
ベテラン右腕は通算で約1000イニングを投げ、防御率3.49を記録。重要な先発登板でチームを支え、大会での上位進出を狙うプエルトリコ代表にとって鍵を握る存在だ。球数制限があったとしても、5イニング以上を好投でまとめる登板を2試合続けられれば、ルーゴの影響力は十分に発揮されるだろう。
アーロン・ノラ投手(32、イタリア代表、右投手)
そう、フィリーズのベテラン右腕は、予想以上の実力を秘めるイタリア代表のエースを務める。ビニー・パスカンティーノ内野手(28)、ドミニク・カンゾーン外野手(28)、カイル・ティール捕手(24)ら打撃陣はチームに十分な勝機をもたらすが、上位進出には投手陣の誰かが素晴らしいピッチングを見せる必要がある。
ノラは昨季、94回1/3を投げて防御率6.01とキャリア最悪のシーズンに終わったが、今季の完全復活を目指しており、WBC期間中にその第一歩を踏み出す可能性がある。
タイラー・オニール外野手(30、カナダ代表)
健康であれば2024年にレッドソックスで113試合に出場し、31本塁打、OPS .847を記録した時のようにオニールは勝敗を左右する選手になり得る。残念ながら、ケガはオニールのキャリアにつきもので昨季オリオールズでわずか54試合の出場(OPS .684)にとどまったこともその一例だ。多くの意味で、オニールはカナダ代表とオリオールズの双方にとって重要なXファクターだ。
