エンゼルス新監督のスズキ、1年契約でも不安なし「それが自分を奮い立たせる」

October 23rd, 2025

エンゼルスのゼネラルマネジャー、ペリー・ミナシアンは22日(日本時間23日)、記者会見でカート・スズキを新監督として紹介し、契約が1年であることを明らかにした。

1年契約は珍しいが、ミナシアン自身も契約最終年に入る。トリー・ハンターやアルバート・プホルスら、他の候補者に複数年契約を提示したかどうかについて、ミナシアンは言及を避けたものの、1年契約でもスズキが長期にわたって監督を務めると考えていると述べた。契約には複数のオプションが含まれるという。

「1年契約だから、彼は私と足並みがそろう」とミナシアンは話した。

「ただ、スポーツ界では一般的に、みんなが1年契約のようなものだ。プロスポーツとはそういうものだ。これは素晴らしい関係になる。彼は良い環境をつくると思うし、しばらく到達できていない場所へ、彼という人物がわれわれを導いてくれると信じている」と続けた。

メジャーやマイナーで指導経験のないスズキだが、2026年以降の保証がない契約をを気にしていない様子だった。現役最終盤、MLB捕手としての16年のキャリアの終わり方とも重なると述べた。

「キャリアの最後の6年は1年契約だった」とスズキ。

「ここにいたいし、この仕事をやりたい。(現役時代は)毎年自分の価値を証明しなければならなかったと感じている。だから怖くはない。むしろ自分をより良くする原動力になる」

42歳のスズキは球団の事情に通じている。現役最後の2年、2021〜22年にエンゼルスでプレーし、その後の過去3年はミナシアンGMの特別補佐を務めていた。ただし、監督やコーチの経験がない人材の起用は異例でもある。

ミナシアンGMは、スズキには成功する監督に必要な資質がそろっており、球団への理解が就任への移行を容易にすると考えていると述べた。

「何かを初めてやるときは、誰でも覚えること、やることが多い」とミナシアンGMは話した。

「ただ、彼は今季すでに何度かベンチに入っていた。だから現場のことは未知ではない。それにチームのこともよく分かっているから、少し有利なスタートになると思う。『顔合わせの期間』がいらない分、むしろ通常よりスムーズに進むかもしれない」

スズキ新監督は、試合の進行に合わせて判断を下す立場になると試合の流れが早く感じられることは理解しているとしつつ、捕手としての経験がその役割への準備になると考えていると語った。現役時代から監督目線で戦略を考えることが多く、現在はミナシアンGMとともにコーチら、スタッフ陣を選んでおり、その力を借りるつもりだという。

「とても楽しみだし、良いスタッフに囲まれることが自分の助けになると思っている」とスズキ新監督。

「現役時代も試合の展開を読みながら考えていた。この役割では、野球をより深いレベルで理解することが求められる。捕手をしていたことで、試合を違う視点から見ることができていたと思う」

最大の問いはスズキ新監督に何ができるのか。球団を立て直せるのか、だ。

エンゼルスは2014年を最後にポストシーズンに進出しておらず、直近のポストシーズン勝利は16年前、2009年のア・リーグ優勝決定シリーズ(対ヤンキース)第5戦だ。

スズキは、チームが2024年の63勝から、昨季は72勝へと伸ばしたとはいえ、2026年に再び優勝争いができるかどうかの予想は避けた。ただ、選手が正しい情報を得て、日々の取り組みを徹底することを自分の目標に挙げた。

「多くの人は結果を成功とみなすが、私たちの仕事は選手を毎日プレーできる状態に整えることだ」と新指揮官は語る。

「勝つと約束はできない。プレーオフ進出を約束もできない。ただ一つ言えるのは、毎日しっかり準備してグラウンドに出る、ということだ」

またスズキは、若い選手たちの成長を助けるのを楽しみにしていると語り、自身の捕手経験が若手投手や捕手のローガン・オホッピーの成長に役立つと考えているという。選手たちが意味のある前進を遂げられれば、自身の契約問題はおのずと解決するとした。

「この仕事をするために生まれてきたと感じている。選手を導き、より良くしていく。それが自分の気質だし、そこにこそ胸が高鳴る」

新監督の挑戦が始まる。