主砲シュワーバーに最適な新天地は?FA市場で注目の行方

November 6th, 2025

2025年シーズンが幕を下ろし、ストーブリーグがいよいよ熱を帯びてきた。今オフのFA市場では、多くの注目選手が去就を注目される中、その筆頭格として名前が挙がるのがカイル・シュワーバーだ。

カイル・シュワーバー(DH/左翼手)
所属: フィラデルフィア・フィリーズ
年齢(2026年開幕時点): 33歳
2025年成績: 打率.240/出塁率.365/長打率.563(OPS .928)、56本塁打、132打点、111得点、OPS+150、fWAR 4.9

ホームランや長打を求める球団に朗報

オフシーズンの補強を検討する各球団には、三塁手やコーナー外野手、あるいは先発投手など、さまざまなニーズがある。だが「50本塁打を放てるバット」となれば、どのチームにとっても魅力的な存在だ。もちろん、すべての球団がカイル・シュワーバー獲得に動くわけではない。それでも、33歳を迎えるこのスラッガーには、活発な争奪戦が待っているだろう。

2025年、シュワーバーはキャリア最高のシーズンを送った。ナ・リーグ最多の56本塁打、132打点をマークし、全162試合に出場。OPS.928、OPS+150という圧倒的な数字を残し、フィリーズ移籍後4年間の集大成といえる1年となった。

2022年以降、平均46本塁打、108打点、年間156試合出場という安定した成績を残している。フィリーズは再契約を強く望むが、その強打を求める複数の球団による争奪戦は避けられそうにない。

主な移籍候補球団

フィリーズ
球団史上2人目となる50本塁打達成者のシュワーバーの存在は、チームに欠かせない。クラブハウスでの影響力も大きく、今季はナ・リーグのMVP最終候補にも名を連ねた。高齢化が進むチームにとって、主砲の残留は優勝争いを継続する鍵となる。一方で、過去3年間のポストシーズンで結果を残せなかったことから、デーブ・ドンブロウスキー編成本部長が今オフに変化を起こす可能性もある。

レンジャーズ
チーム防御率3.47(メジャー1位)を誇りながら、得点力不足で81勝81敗に終わった。DHジョク・ピーダーソンの不振が響き、長打力の補強が急務。175本塁打はア・リーグ12位。シュワーバーの強打は、打線に大きな起爆剤となるだろう。

レッドソックス
2021年途中加入時にOPS.957を残したシュワーバーは、フェンウェイ・パークでも好相性(通算26試合で6本塁打、OPS1.122)。再契約を阻む要素は吉田正尚(32)の存在だ。吉田には2年3720万ドル(56億9200万円)の契約が残っており、もしレッドソックスが吉田をトレードできれば、再びボストンのユニフォームを着る可能性もある。

メッツ
今オフの市場で、シュワーバー級のパワーを持つ選手はピート・アロンソのみ。もしアロンソが他球団に移籍した場合、メッツ(約9000万ドル=137億7400万円の年俸総額削減見込み)は強打者を必要とし、シュワーバーが理想的な補強ターゲットとなるだろう。ナ・リーグ東地区のライバルであるフィリーズから引き抜く形になれば、なおさら価値は高い。

タイガース
2025年、DHは10人が先発を分け合う「回転制」状態で、チーム全体の打率.223、OPS.713と低迷。ベテランの左の大砲を加えることは、下半期に失速した打線の立て直しに大きく貢献するだろう。ただし、2026年終了後にFAとなる左腕タリク・スクバルの契約方針次第で、球団の支出余力が左右される。

オリオールズ
若手中心のチームに、リーダーシップと長打力を兼ね備えたベテランを加えるのは理想的だ。2025年の得点数はア・リーグ11位、本塁打は6位タイ。シュワーバーの加入で打線全体の底上げが期待できる。2023年に101勝、2024年に91勝を記録したが、2025年は75勝止まり。巻き返しへ向け、フロントは動きを見せるはずだ。

ブレーブス
マルセル・オズナの契約満了によりDHの空席が生まれる。捕手のドレイク・ボールドウィンとショーン・マーフィーを同時起用する案もあるが、純粋な長打力ではシュワーバーが上。捕手の一人をトレードに出して他の補強を進め、FA市場でシュワーバーを狙う可能性もある。

レッズ
2025年に12年ぶりのフルシーズンでのポストシーズン進出を果たしたシンシナティ。資金力では大型市場に劣るが、シュワーバーにとっては「地元でプレーする」という特別な魅力がある。出身地のオハイオ州ミドルタウンはシンシナティ近郊で、実現すれば話題性も十分だ。

関係者の見方

「評価が難しいタイプの選手だ。普通なら年齢的に衰えが見えるはずだが、むしろ今がピークに見える」と、ある球団幹部は語る。

注意点

打撃面に大きな弱点はないものの、変化球への対応には課題が残る。2025年は変化球の打率.158、長打率.378と、前年(.243/.497)から大きく数字を落とした。また空振り率はリーグ下位5%。それでも生産力を考えれば「許容範囲」と見なされるだろう。

過去の契約参考例

33歳でDH専任という条件での大型契約例は少ない。一般的には、ポジションプレーヤーとして契約した選手が、キャリア後半にDHへ移行するケースが多い。参考として、J.D.マルティネスは30歳の春にレッドソックスと5年1億1000万ドル(168億3500万円)で契約を結び、毎年オールスターに選出(2020年を除く)されている。