目玉補強のタッカー、右翼と打線上位で長打力をプラスへ

January 21st, 2026

ワールドシリーズ連覇を成し遂げてた主力陣の、さらなる強化。

3連覇を狙えるロースター作りを進めつつ、球団の長期的な健全性も重視する中で、ドジャースは自らに非常に高いハードルを課してきた。

球団的には、戦力はすでに十分に整っており、市場で誰もが認めるトップFAを必ずしも獲得する必要はなかったという。それでも、カイル・タッカーを迎え入れるチャンスは、どうしても見逃せない魅力があった。

「オフシーズンに入り、トレード市場やFA市場でさまざまな可能性を検討してきたが、2026年のワールドシリーズ制覇の確率をこれほど押し上げる存在は、カイル・タッカー以外にいなかった」と、アンドリュー・フリードマン編成本部長は語る。

4年総額2億4000万ドル(約379億円)の契約が正式に成立し、21日にドジャー・スタジアムで新しい背番号23のユニフォームに袖を通したタッカー。ドジャースは、来季さらにスターを加えた強力打線の姿を思い描いている。デーブ・ロバーツ監督は、タッカーを打順の上位3番以内で起用し、守備では右翼を任せる見通しで、テオスカー・ヘルナンデスは左翼に回ると明かした。

想定される2026年のドジャース打線は以下の通り。

大谷翔平(DH)
ムーキー・ベッツ(遊撃)
カイル・タッカー(右翼)
ウィル・スミス(捕手)
フレディ・フリーマン(一塁)
テオスカー・ヘルナンデス(左翼)
マックス・マンシー(三塁)
アンディ・パヘス(中堅)
トミー・エドマン(二塁)

タッカー加入で、ここ2シーズンは大谷、ベッツ、フリーマンというMVPトリオが牽引してきた打線上位は大きく様変わりする可能性がある。フリーマンが5番ではなく4番に入る選択肢もあるが、ドジャースは特に強力な左腕投手が相手の場合、左打者を続けて並べることをできるだけ避ける傾向がある。

フリーマンは来季で36歳を迎え、ドジャースの野手陣では年長の部類に入るが、それでもなおチーム屈指の打撃力を誇る。5番以降で先発出場したのは2016年が最後。それでも打線の後半を打つ可能性が取り沙汰されるほど、現在のドジャース打線は層の厚さを誇っている。

タッカーはこう語る。

「このメンバーの一員になれることが本当に楽しみです。個人として成長することもそうですが、みんなと一緒にチームに貢献したい。勝てるチームでプレーするというのは、それだけで特別ですし、毎日グラウンドに立つのが楽しくなると思う。試合数が多いと大変なこともあるけれど、この仲間たちと一緒なら、シーズンを通してすごく楽しいものになると思う」

タッカーはオールスター選出4度、シルバースラッガー賞2度、ゴールドグラブ賞1度を誇る実績の持ち主。7年連続でポストシーズンを経験し、2022年にはアストロズの一員としてワールドシリーズ制覇も味わっている。派手さを前面に出すタイプではないが、その実力と経験は、すでにスター揃いのドジャースにさらなる厚みをもたらす。

そして球団は、タッカーがドジャースの一員として、さらに進化できると考えている。

「まだゴールドグラブを獲れる力はあると思っている。周りにこれだけの選手がいれば、得点ももっと増えるはずだし、打点を稼ぐ力も十分に発揮できる。指導者としては、選手をより良くしていくのが仕事。彼は5ツールプレーヤーだ。日々の一試合一試合を大事にして、とにかく勝つことに集中するカイルの姿勢は、われわれのチームの考え方と完全に一致している」とロバーツ監督は絶賛する。

タッカーとの正式契約で、ドジャースは今オフに抱えていた二つの最大の課題を解消した。外野は市場で最高評価の外野手を獲得して強化し、ブルペンもオフ序盤にエドウィン・ディアスを3年総額6900万ドル(約109億円)で獲得し、万全の体制を整えた。

もっとも、今オフの補強がこれで終わるとは限らない。球団は常に戦力アップの可能性があれば、慎重に検討を重ねる姿勢を崩さない。ただし、これ以上タッカー獲得ほどのインパクトを持つ動きは想定されていない。

「これ以上の“地殻変動”が起きるかというと、現時点ではほぼ整っていると思う」とフリードマン編成本部長は語った。