【レッズ5−6カージナルス】セントルイス/ブッシュスタジアム、6月6日(日本時間7日)
オフシーズンの両かかとの手術から慎重な復帰の途上にあり、出場予定すらなかったラーズ・ヌートバー(28)が思いがけずヒーローとなり、カージナルスはレッズに勝利した。
- 【“推し”を球宴へ!】8年ぶりに日本語でのオールスター投票が復活
- 日本語の投票サイトはこちら
カージナルスが4−5で追う八回裏、ヌートバーは復帰2試合目で初本塁打を放った。
推定飛距離433フィート(約132メートル)の完璧な当たりで、カージナルスは6−5とリードを奪い、そのまま勝利した。
「ベンチから起用できてよかったよ」とオリバー・マーモル監督(39)は語った。
「本当にいい打者だ。左対左であの結果を生み出した、本当に大きなスイングだった。最高に楽しい瞬間だった」
ヌートバーの本塁打でブッシュスタジアムの観客は熱狂し、愛される外野手がグラウンドに戻ってカーテンコールに応えるまで「ヌーーー!」の大合唱が続いた。
「あまり聞こえなかったよ」とヌートバーは振り返った。
「ダグアウトでチームメートと喜んでいたら、上に行けと言われた。いつも通り、ブーイングのように聞こえるからね。普通、自分が良いプレーをしているときは、ブーイングじゃなくて『ヌーー!』って言われているって、よく分かっているよ」
ヌートバーがレッズの救援投手サム・モル(34)から勝ち越し打を放ち、試合をライリー・オブライエン(31)に託す展開になるとカージナルスのクローザーは一進一退の攻防を勝利で終わらせるべく、急いで準備を整えた。
その登板は決して平穏ではなかった。
オブライエンは簡単に2アウトを取った後、連続安打を許してピンチを招いた。スペンサー・スティーア(28)に四球を与えて満塁となり、勝負を決める打席に注目のルーキー、サル・スチュワート(22)を迎えた。
最後の打席では、両チームがABS(自動投球判定システム)のチャレンジを成功させる一幕があった。ボールと判定されれば同点の押し出し四球となるカウント3−1からの投球に対し、スタジアム全体がカージナルスの捕手ジミー・クルックス(24)にチャレンジを求める祈りもそこに含まれていた。
マーモル監督は、そうした状況下でのルーキー捕手のボディランゲージをまだ完全には把握していない。そのため指揮官も観客と同じように、ABSチャレンジを要求するヘルメットを叩く合図をハラハラしながら待っていた。
「本当にハラハラさせられたよ。捕手自身もドキドキしていたんじゃないかな」とマーモル監督は心境を明かした。
その後はビジョンを見つめ、マウンド上のオブライエンがセーブ失敗となるか、あるいは打者のスチュワートにフルカウントから投げるチャンスが残されているのか、結果を待つ長い時間だった。
「ただ待っている間の時間だよ。ファンにとってはエキサイティングだね。自分にとってどうだったかはうまく表現できないけれど、よかったよ」と指揮官は笑いながら振り返った。
ヒヤヒヤする展開だったが、スチュワートは二ゴロに倒れ、オブライエンの九回表は無失点として記録された。カージナルスはこの週末、レッズ戦で2連勝した。
ヌートバーの最初の出番は六回裏だった。その状況で特に何もする必要がなかった。
カージナルスがダブルスチールを決め、無死二、三塁という絶好の得点機を作った後、マーモル監督は強気の采配に出た。
犠打で走者を進めようとしていた捕手のペドロ・パヘス(27)をカウントの途中でベンチへ下げた。パヘスの助けなしに走者が進んだため、マーモル監督はレッズの右腕ティージェイ・アントーン(32)に対して、左打ちのヌートバーを選んだ。
「あそこでどう考えていたかについて(ベンチコーチの)ダニエル・デスカルソと交わした会話が最高だった」とマーモル監督は振り返る。「相手が投手交代をした直後、私たちはリスクを冒して2つの塁を盗むつもりだった。成功すれば、代打を出すと決めていた」と想定通りの采配だった。
しかし、ヌートバーは敬遠され、マーモル監督は満塁でジミー・クルックス(24)を代打で起用した。
この一連の流れは不発に終わった。メイシン・ウィン(24)が遊ゴロに倒れる前にクルックスが3−2−4(一ゴロ)の併殺打に倒れた。カージナルスは絶好の得点チャンスを無駄にしてしまった。
マーモル監督は試合後、クルックスが併殺打など打ち取られやすい可能性を考慮し、ヌートバーとクルックスを代打起用する順番を入れ替えることを真剣に検討していたと明かした。
しかし、六回にヌートバー、次にクルックスという順にしたことで結局、八回にヌートバーの打席が1人分早く回ってくることにつながった。
「それも理由の1つだよ。2度目の打席を確実に回すために、打順を1つ早めた。だからこそ、あのような采配を選んだ」とマーモル監督は意図を明かした。
つまり、ヌートバーが元々試合をひっくり返すはずだった場面は、あの得点機ではなかった。しかし、次のチャンスでヌートバーはそれを逃さなかった。
