大量15得点でタイガースに連勝

「切り替えの早さ」が最大の武器

July 12th, 2025

タイガース7-15マリナーズ】デトロイト/コメリカパーク、7月12日(日本時間13日)

『引きずらない精神力』は野球において、隠れたスキルの一つだ。

致命的なエラーをしても、翌日には新しい試合がある。満塁弾を浴びても、次の登板が待っている。なかなか安打がでなくても、打席はまた回ってくる。

この精神はチームにとっても重要だ。例えば、マリナーズ。パイレーツとのホーム3連戦を完封スイープしたと思ったら、直後のカードでヤンキースに3連敗。勢いをくじかれた中で、今季MLB最強のタイガースとのアウェイ3連戦を迎え、しかも初戦は、オールスター先発投手のスクーバルとの対戦。このまま連敗を重ねるのではという不安もあった。

しかし、マリナーズは『引きずらない精神力』を発揮。初戦でスクーバルを打ち崩すと、2戦目も大量15得点を挙げ、早くもシリーズ勝ち越しを決めた。

フリオ・ロドリゲス(13号)、ルーク・レイリー(4号)、ランディ・アロザレーナ(16号)がそれぞれ本塁打を放ち、先発のジョージ・カービーは五回の3ランを除けば5回6三振1失点という素晴らしい投球を披露。今季はホームで3カードしか負け越していなかったタイガースに連勝を果たした。

この2試合で、マリナーズは計27点を記録。2012年5月29〜30日にレンジャーズから31点を挙げて以来の2試合での最多得点となった。

本塁打3本に加え、 ベン・ウィリアムソンが3安打2打点、J.P.クロフォードも2安打4打点。ダン・ウィルソン監督が前日に評した通り、敗戦も失敗も引きずらずに戦える安定感が今のチームを支えている。

「選手たちの切り替えの早さは本当に素晴らしい。そして、それこそが野球で最も大事なことだ。次の日にまた前を向くことができるかどうか。それを彼らは何度も何度もプレーで証明してくれている」

だからこそ、悪天候による1時間35分の遅れも、彼らにとっては問題なかった。序盤から猛攻を仕掛け、四回終了時点で7-1の大量リード。五回にはライリー・グリーンに3ランを浴びるも、六回から九回にかけて毎回得点を奪い、タイガースを近寄らせなかった。

この勝利で今季4勝4敗としたカービーはチームの戦いぶりを称賛した。

「この数日間は本当に素晴らしい。打線は常に良い打球が飛んでいて、野手の間を抜けるか、強い打球になるか、それとも本塁打になるかだったと思う。ここ数日、みんな本当によくボールが見えていた。明日もこの調子を維持できればうれしいね。援護が多いのはやっぱり最高だし、守備も素晴らしかったよ」

マリナーズの今季最長の連敗はわずか5で、それも6月3日から7日までの一度だけ。浮き沈みのあるシーズンで、ア・リーグ西地区の首位こそ譲ったものの、『引きずらない精神力』を発揮し、2位の座をしっかりキープしている。