【マリナーズ3-2タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月5日(日本時間6日)
球団の顔であり、マリナーズの現在と未来を担う2人。若くしてスーパースターへの道を歩み始め、もしこのポストシーズンの幕を勝利で閉じれば、シアトルにおいてその名声は永遠のものとなる可能性がある。
同点に追いつかれて2-2で迎えた八回、ローリーが1死から二塁打で出塁すると、続くフリオも二塁打で続き、マリナーズは一瞬で勝ち越し点を手にした。結局、この1点を守り抜き、マリナーズは3-2で勝利。シリーズを1勝1敗のタイに戻した。
「これは巻き返しの試合だった。そして2人はまさにそれをやってのけた」と、ダン・ウィルソン監督もローリーとフリオを称賛した。
この日の勝利は、マリナーズにとって2001年のア・リーグ優勝決定シリーズの第1戦以来、24年ぶりの本拠地でのポストシーズンの勝利だった。長いトンネルを抜け、涙するファンもいた。
フリオは「これは間違いなくナンバーワンだ。ここしばらくこんな瞬間はなかったので、今夜チームとして勝利を収めることができたのは、私にとって本当に特別なことだった。ファンの皆さんの姿、そして盛り上がっている様子を見るだけでも、本当に特別な思い出だ。この思い出はいつまでも心に残るだろう」とキャリア最大のヒットを表現した。
第1戦で痛恨の敗北を喫したマリナーズは、レギュラーシーズン中も2度勝利しているスクーバルに対し、2-0とリードを奪った。しかし、八回にセットアッパーのブラッシュが失点し、同点に追いつかれた。
その悪い流れをローリーとフリオが払拭した。
「もっと重要なのはチームとして反撃することだ。カル(ローリー)がチャンスを作ってくれて、それに続けてうれしかった」とフリオは語る。
「難しいことじゃないよ。勝つためにここにいるって感じだね。実際に何が起こったかなんて関係ない。相手がリードしたとしても、同点に追いついたとしてもね。この試合の目的は分かっている。だから、何が起こったかを嘆く暇なんてない。ただ、この瞬間を味わうだけさ」
今季のマリナーズのポストシーズンのスローガンは「この瞬間をつかめ(Seize the moment)」。今年米野球殿堂に入り、背番号51がマリナーズの永久欠番となったイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が、永久欠番制定セレモニーのスピーチでマリナーズの選手たちに向けて放った言葉だ。
悲願のワールドシリーズ、そして世界一を目指すマリナーズが、まず一つ大きな瞬間をつかんだ。
