エースで兄貴分、ペラルタを残すのか、トレードするのか?

November 12th, 2025

11日のGMミーティングの合間、ブルワーズの野球運営部門代表マット・アーノルドは、まるでトレード交渉に臨む覚悟を固めたかのような口ぶりだった。

「私たちは自分たちを誰よりも厳しく評価しようとしている。チームを良くするために、考え得るすべての手を尽くす必要がある。そして時には本当に難しい決断を下さなければならない。過去にもそうしてきたし、今年も同じ覚悟でいる」

ブルワーズが持つ最も価値ある駒は、フレディ・ペラルタだ。29歳の右腕は、33先発で17勝(ナ・リーグ最多)、防御率2.70を記録し、3年連続で200三振超えを達成した。

数週間前、ナ・リーグ優勝決定シリーズでドジャースに敗れた直後、アーノルドは「ペラルタのトレードは考えていない」と語っていた。しかし、オフシーズンに入り、ペラルタが2020年に結んだ延長契約の最終年を迎える今、その姿勢に変化が見られる。

ブルワーズは今オフ、必ずしもペラルタをトレードに出す必要はない。クイン・プリースター、ジェイコブ・ミジオロウスキー、ロバート・ガッサー(MLBパイプラインによる球団内有望株18位)、ローガン・ヘンダーソン(同5位)ら若手を引っ張る存在として、シーズン中のトレード期限で動くか、契約満了まで保有するかを見極めることもできる。実際、ブルワーズは昨オフ、遊撃手ウィリー・アダメスを同様に保有。昨年12月にジャイアンツと契約した際、2025年ドラフト全体32位の補償指名権を得ている。

しかし、投手というポジションの価値を考慮すると、球団のこれまでの歴史から見ても事情は異なる。

ブルワーズは昨年12月、FA目前だったクローザーのデビン・ウィリアムズをヤンキースへトレード。さらにその前年には、同じく契約最終年を控えた2021年サイ・ヤング賞投手コービン・バーンズをダイヤモンドバックスへ放出している。2022年には、支配下期間が残り1年半だった守護神ジョシュ・ヘイダーを価値が最も高い時期にトレードした。

2020年には、オールスター・クローザーのコーリー・クネーベルが契約最終年を迎えるタイミングでドジャースへ。さらにその前には、チェイス・アンダーソンをFA1年前に、ザック・デイヴィーズを2年前にそれぞれ放出している。

健康体のオールスター級投手を契約最終年まで保有した例は稀で、その最後のケースは2012年のザック・グリンキーまでさかのぼる。その際もブルワーズは最終的に、トレード期限でエンゼルスに放出し、有望株を獲得した。

いずれのケースでも、ブルワーズは複数年の保有期間を残す選手を見返りとして獲得してきた。控えめな年俸総額を維持しながら、過去8年間で7度のポストシーズンに進出できたのは、この戦略が大きい。

「すべてのケースは本当にそれぞれ異なる。もちろん、すべてのチームがフレディ・ペラルタに関心を持っているだろうが、われわれにとっても非常に大きな存在だ。現時点では、来季のチームの一員であると想定している」とアーノルドはペラルタについて語った。

ただし、状況が変わる可能性もあると認めた。

「こうしたケースはいつでも難しい決断を伴う。これまでもジョシュ・ヘイダーやコービン・バーンズらの選手に関して悩ましい判断を下してきた。フレディもその議論の対象に入っている。リーグで最も市場規模の小さい球団として、われわれは常にこうした決断を迫られる。しかし同時に、来季もチームに貢献してくれると確信している」

ペラルタはグラウンド内外でブルワーズにとって貴重な存在だ。捕手ウィリアム・コントレラスとともに、クローザーのアブナー・ウリーベや外野手ジャクソン・チューリオといったスペイン語圏の若手選手たちの良き兄貴分として支え続けた。

ウリーベは2024年はマイナー降格と出場停止という苦しいシーズンを経験したが、レギュラーシーズンとポストシーズンを合わせて80試合に登板し、防御率1.77の好成績。将来の守護神候補であることを証明した。チューリオもまた、史上最年少で2年連続の「20本塁打・20盗塁」を達成し、2年目のジンクスを跳ね返した。

2人はいずれも、ペラルタの助言と導きが大きかったと語っていた。

「10代の頃から彼を見てきたが、今のフレディは本当に最高だ。本当に素晴らしい。どんな場でも明るくしてくれるし、マウンドに立てばスピードガンを輝かせる。とにかく、あらゆる意味で素晴らしい存在なんだ。私は彼のことが本当に大好きだ」とアーノルドは笑顔で語った。