ダイヤモンドバックスがウィンターミーティング開幕早々に先発補強を実現させた。8日(日本時間9日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、フリーエージェント(FA)の右腕マイケル・ソロカと1年750万ドル(約11億2500万円)で契約合意。出来高を含めると、最大で950万ドル(約14億2500万円)に達する可能性がある。なお、球団からの正式発表はまだ行われていない。
メリル・ケリーを夏場のトレード期限に放出し、シーズン終了後にはザック・ギャレンがクオリファイングオファーを拒否してFAとなったため、ダイヤモンドバックスは先発ローテーションに2つの大きな穴を抱えていた。ファームには有望な若手投手が揃っているものの、2026年のポストシーズン進出を狙うチームは、メジャーで一定の実績を持つ先発投手の補強を目指している。
現有戦力で先発ローテーションを担うのはエデュアルド・ロドリゲス、ブランドン・ファート、ライン・ネルソンの3人。ソロカはそこに加わることになる。
今季のダイヤモンドバックスは、開幕時点のペイロール(年俸総額)が球団史上最高の1億9500万ドル(約292億5000万円)に達したが、2026年は減額される見込みだ。ゼネラルマネージャーのマイク・ヘイゼンは、『ポストシーズン進出を狙えるチームを作るだけのリソースはある』と語り、先発ローテーションやブルペンの強化のためであれば、トップクラスの有望株や場合によってはスター二塁手ケテル・マルテをトレードで放出することも辞さない姿勢を示している。
今季のソロカは22試合(うち17先発)に登板して89回2/3を投げた。これはブレーブスで輝かしいルーキーシーズンを過ごした2019年以降では最多の数字だった。2019年のソロカは、21歳にして29先発で防御率2.68という素晴らしい活躍を見せ、オールスターに選出。新人王投票で2位、サイ・ヤング賞投票でも6位にランクインした。
現在28歳のソロカは、今季ナショナルズとカブスの2球団でプレーした。2度の右アキレス腱断裂で2021年と2022年の2シーズンを全休するなど、負傷に悩まされてきたキャリアだが、今季はかつての輝きを垣間見る場面もあった。防御率は4.52と振るわなかったものの、スタットキャストによる予想防御率は3.43、予想被打率も.210と好数値を記録しており、今季の成績がやや不運に左右されたことを示している。
ナショナルズで16試合に先発したあと、7月末にマイナー2選手とのトレードでカブスへ移籍したが、最初の登板でわずか2イニングを投げただけで右肩を痛め、1カ月以上の戦線離脱を強いられたが、9月後半にリリーフとして復帰すると、5試合で自責点0に抑えるなど効果的な投球を見せた。
今季ナショナルズで先発した16試合のうち、6イニング以上を投げたのはわずか4試合にとどまり、大半の試合では長いイニングを任されなかった。投球では4つの球種のうちスラーブが最も好調で、被打率.118、被長打率.245、空振り率38.3%と優れた成績を記録。そのほか、フォーシーム、対左打者用のチェンジアップ、対右打者用のシンカーも駆使した。
2シーズンを全休したソロカにとって、今季は復帰後3年目のシーズンだった(2023年はわずか7登板だったため、フルシーズンとしては復帰後2年目)。2023年はブレーブスで防御率6.40に終わり、シーズン終了後にトレードでホワイトソックスへ移籍。2024年はホワイトソックスで25試合(うち9先発)に登板したが、0勝10敗、防御率4.74と1つも勝てなかった。その後、1年900万ドル(約13億5000万円)でナショナルズと契約し、今年7月末にカブスへ移籍した。ダイヤモンドバックスがキャリア5球団目となる。

