昨季121敗を喫したホワイトソックスが、今季は72試合を戦って勝率.528でア・リーグ中地区で2位につける。若手とベテランの融合、そして投打が噛み合っていることが躍進の要因だ。
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今季はチーム全体で打線の破壊力が際立つ。
チーム本塁打は73試合で101本を記録し、ヤンキース(110本)、ドジャース(103本)に次ぐリーグ3位。OPS.734もリーグ8位につけており、本塁打だけでなく、得点圏での勝負強さも光る打線となっている。昨季は162試合で165本塁打、2024年は133本だったことを踏まえると、今季のペースは明らかに上昇している。
その中で打線をけん引しているのが、村上宗隆、遊撃手のコルソン・モンゴメリー、そして三塁手ミゲル・バルガスの3人だ。
現在、村上は大腿部の肉離れで負傷者リスト入りしているものの、ここまで20本塁打。さらにモンゴメリーが19本、バルガスが16本と続き、主力3人はいずれもリーグ本塁打ランキング上位20位圏内に入っている。
なかでも26歳のバルガスは、今季は主軸として安定した成績を残している。攻守両面の貢献度を示すWARで2.4を記録しているほか、打率は.242(昨季.234)、本塁打は16本(昨季16本)と長打力を維持。出塁率は.362(昨季.316)、長打率は.481(昨季.401)といずれも向上し、OPSは.843(昨季.717)まで上昇し、いずれの主要指標でもリーグ平均を上回る。
バレル率は9.3%から13.7%、Sweet Spot率は36.6%から42.0%へ上昇。最大打球速度も微増しており、打球の質が全体的に向上。またスイング率は40.5%から45.1%へ上昇。積極性を保ちながらも“強い打球が出るゾーン”でのスイングが増え、結果として打球の質と再現性の両面が向上している。
打撃好調の要因は選球眼の向上にある。72試合で四球45に対し三振52。ゾーン外の球に手を出す割合(チェイス率)も低下しており、打席での判断は明らかに改善している。加えて速球への対応力も大きく向上した。
バルガスはその要因をシンプルに説明する。
「多くの球を見て、試合を重ねることで自然と学んだ。やっぱり経験が一番大きい」
試合前には室内練習場でトラジェクトアークを活用するほか、VR打撃アプリを用いて視覚を慣らし、打撃準備を整える。
「なるべく多くの球数を見て、試合前の感覚を良くすることを意識している」
試合中もダグアウトでチームメートと相手投手の傾向を共有し、自身の打席内容についても積極的に意見を交わし、得た情報を即座に次の打席へと生かしていく。その“変換速度”の高さもバルガスの特徴だ。
キューバ出身で母国語はスペイン語だが、通訳を介さず英語でインタビューに応じるほど堪能だ。
「テレビやNetflixを字幕付きで見て学んだ」
英語が堪能ではないラテン系選手との橋渡し役を務めることもあり、チームのコミュニケーション面でも重要な存在となっている。ラテン系選手がメジャーに昇格した際には、ロッカーがバルガスの近くに配置されることも多い。面倒見の良さから、チーム内では“兄貴分”的な存在として慕われている。
2022年8月、22歳でドジャースからメジャーデビュー。2024年7月のトレードデッドラインでホワイトソックスへ。移籍当初は黒星の多いチームの状況もあり、沈んだ雰囲気を見せることもあった。しかし今季は攻守の中心としてだけでなく、ムードメーカーとしてもチームを支えている。
明るくて楽しい雰囲気のバルガスは全員と分け隔てなく接するが、特に仲のいい選手を尋ねると、村上の名前を挙げた。
「ムネと仲良しなんだ」
そう笑いながら村上の似顔絵と習った日本語を書いてくれた。明るい雰囲気の村上がよく描かれている(ような気もしなくもない)。出来栄えはさておき、今後も攻守でチームを引っ張っていきたいところだ。