日本のスラッガー、村上がホワイトソックスと2年3400万ドル(約53億7000万円)で合意

December 21st, 2025

NFLのベアーズがパッカーズに“サヨナラ勝ち”した記事の隣に、シカゴの新聞紙面を割かせるには、よほど重大な契約が必要だ。だが、ホワイトソックスは21日(日本時間22日)、それをやってのけた。ホワイトソックスは、日本人フリーエージェントの村上宗隆と2年3400万ドル(約53億7000万円)の契約で合意したと発表した。

村上は2027年シーズン終了後、年俸調停を経ずにフリーエージェント(FA)となる資格を得る。ホワイトソックスでの背番号は「5」を着用する。球団は現地時間22日午前11時(日本時間23日午前2時)より、村上の入団会見を開く予定だ。

村上のポスティング期間は11月7日に開始され、45日間の交渉期間。契約期限は米東部時間22(日本時間23日午前7時)だった。

村上は2021年と22年にNPBで2年連続MVPを獲得し、オールスターには4度選出され、19年にはセ・リーグ新人王に輝いた。21年にはスワローズを日本一に導いている。

言うまでもなく、村上の2022年シーズンは野球史上屈指の総合的な打撃シーズンであり、とりわけ長打力においては特筆すべきものだった。

そのシーズン、22歳の村上は56本塁打を放ち、伝説的な王貞治が保持していた日本人選手によるシーズン最多本塁打記録を更新した。さらに打率.318、56本塁打、134打点で三冠王にも輝いており、その左のパワーこそホワイトソックスが必要としていたものだ。

村上はまた、ホワイトソックスを国際市場のこの特定の分野へと再び引き戻す存在でもある(かつては成功を収めていたが、最近は遠ざかっていた)。二塁手の井口資仁とクローザーの高津臣吾は、チームの2005年ワールドシリーズ優勝に貢献した。

ホワイトソックスは3年連続で100敗シーズンを喫したばかりだが、今季の後半以降は、正しい方向へと進んでいる。また、ドラフト抽選によって確保した2026年ドラフトの全体1位指名権も保持している。

村上は、すでにメジャーレベルに到達している急成長中の若手コアメンバーに加わる。その顔ぶれには、遊撃手のコルソン・モンゴメリー、二塁手のチェイス・マイドロス、捕手のカイル・ティールとエドガー・クエロ、右腕のシェーン・スミスやグラント・テイラーらが名を連ねる。

村上は通算1003試合、4246打席に立ち、打率.273、出塁率.394、長打率.550、265本塁打、二塁打170本、722打点、678四球、1068三振という成績を残した。

村上は、脇腹の負傷により56試合の出場にとどまった2025年シーズンを経て、MLBでのキャリアをスタートさせる。だが、復帰後の村上は、あの歴史的な2022年シーズン以来となる最高の姿を見せた。出場わずか56試合で22本塁打(2022年を上回る本塁打ペース)を放ち、打率.273、長打率.663、OPS 1.043を記録した。

スーパースター級の左の強打者として高いポテンシャルを秘める村上は、今オフの市場で最も期待されるフリーエージェントの1人だった。だが同時に、最も評価の分かれる選手の1人でもあった。

その理由は、驚異的な2022年シーズン以降、三振数と空振り率が急増する一方で、四球率と出塁率が低下しており、メジャーリーグでパワーを生かすために必要なコンタクト能力があるのか、懸念があるためだ。特に、村上がMLBのスピードボールや、キレのある変化球への対応には課題があった。

守備面でもいくつかの疑問がある。村上は日本で主に三塁を守り、ときに一塁も守っていたが、メジャーではDHでの出場が増えるかもしれない。村上ほどの高い将来性を持ったエリート級の若き国際的スラッガーが現れることは、そうめったにない。

村上は、日本を優勝に導いた2023年のワールドベースボールクラシックにおいて、MLBの投手を相手にいくつかの決定的な場面を作った。

米国代表との決勝戦では、当時ダイヤモンドバックスの右腕メリル・ケリーから、打球速度115.1マイル(約185.2キロ)、飛距離432フィート(約131.7メートル)の本塁打をライト2階席に叩き込んだ。また準決勝では、当時カージナルスの救援投手ジオバンニー・ガエゴスから、中堅のフェンス直撃となる打球速度111.0マイル(約178.6キロ)のサヨナラ二塁打を放ち、メキシコ戦で逆転勝利を完結させた。