【オランダ4x-3ニカラグア】マイアミ/ローンデポパーク、3月7日(日本時間8日)
最初の8イニング、オランダ打線は得点圏で6打数ノーヒットに終わり、10残塁。チャンスを作りながらも、ニカラグアの投手陣からなかなか得点を奪えなかった。
しかし、オジー・オルビーズのひと振りがすべてのフラストレーションを打ち消した。痛恨の敗戦となるはずだった試合は、勝利のセレブレーションへと一変したのだ。
オルビーズはワールドベースボールクラシック史上初となるサヨナラ本塁打を放ち、ローンデポパークで行われているプールDの重要な一戦で、オランダを4-3の逆転勝利へと導いた。サヨナラ勝ちは大会史上10度目。そのうち4度はオランダによるもので、大会記録となっている。
「決して忘れないと思う」とオルビーズは自身の劇的な一打について語った。
2026年ワールドベースボールクラシック
アンヘル・オバンドーの初球、やや甘く入ってきたフォーシームをとらえたとき、オルビーズの頭に浮かんだことは1つだけだった。
「お祝いの時間だ、と思ったんだ。打った瞬間、まさにそんな感じだった。バットの完璧な場所に当たったから、最高のタイミングで打つことができて、本当にうれしかったよ」
1-1の同点で迎えた八回、ジーター・ダウンズの2ラン本塁打でニカラグアがリードを奪った。ニカラグアが大会初勝利を挙げるまで、残り6アウトだった。
しかし、オランダは絶体絶命の九回2死から反撃を開始。セダン・ラファエラがヒットで出塁すると、ザンダー・ボガーツの打球は三塁ベースに当たってレフトに転がる幸運な二塁打となり、オルビーズにヒーローになるチャンスが巡ってきた。
ニカラグアのダスティ・ベイカー監督は「あれは私たちにとって不運だった。打球がベースに当たってしまった。数インチ差が勝敗を分ける結果になった」と悔やんだ。
一塁が空いていたため、オルビーズは申告敬遠を予想しながら打席に向かった。だが、ベイカー監督はオルビーズを歩かせることを選択しなかった。
「決勝点のランナーを出すことは許されない」とベイカー監督。「このチームだけでなく、ニカラグアの国全体にとって、痛恨の敗戦になってしまった。傷を癒して、明日また頑張らないといけない」と前を向いた。
オランダは劇的勝利により、プールDで1勝1敗となった。今後は8日(同9日)にドミニカ共和国、10日(同11日)にイスラエルと対戦する。一方、ニカラグアは0勝2敗となり、まだ2試合残っているものの、敗退の危機が迫っている。
両チームとも拙攻が続き、最初の7イニングで両軍合計22残塁を記録した。満塁のチャンスを2度ずつ作ったが、押し出しで1点ずつを奪っただけだった。
オランダは三回にオルビーズの押し出し死球で先制。ニカラグアは五回にチェスラー・カスバートが押し出し四球を選んで同点に追いついたが、両軍とも決め手を欠いた。
ニカラグア先発のエラスモ・ラミレスは5回5安打1失点の好投。オランダのジェイトワン・ケリーは大会史上最年少(18歳251日)の先発投手となり、2イニングを1安打無失点に抑えた。
試合は1-1の同点のまま八回に突入。前の打席の大飛球を本塁打と勘違いし、直後に守備で好プレーを見せたダウンズが2死一塁の場面で打席に入った。ラーズ・ハイヤーがカウント1-0から投じたシンカーをとらえ、左中間へ飛距離397フィート(約121メートル)の勝ち越し2ラン。ニカラグアのベンチは歓喜に沸いた。
ダウンズは「頭が真っ白になった。ボールを打ち、打球がフェンスを越えたときから、ホームに戻ってベンチに入るまで、何が起こったのかさえ覚えていないんだ」と自身の一打を振り返った。
九回にラファエラとボガーツが出塁し、チャンスで打席に入ったオルビーズは1つのことを考えていた。
「スピードのあるランナーが塁に出ていたから、この反撃を続け、試合を振り出しに戻すためにはヒットが必要だった。彼の一番良い球、速球を投げてきたら、僕も自分のベストスイングをしないといけないと思っていた」
オルビーズはそれをまさに実行し、右中間へ飛距離411フィート(約125メートル)の逆転サヨナラ弾。オランダは2大会ぶりとなる1次ラウンド突破に向けて、望みをつないだ。
ボガーツは「状況は決して良くなかった。でも、僕たちの打線には経験豊富な選手が何人もいる。今日はそれを証明できた。本当に重要な勝利だ」と劇的勝利を喜んだ。
