メッツの有望株マクリーンが鮮烈デビューを飾ることができた理由とは

「ゴロ率」と「三振率」のハイレベルな両立が鍵

12:30 AM UTC

メッツの有望株右腕ノーラン・マクリーンは今季メジャーデビューして48イニングを投げ、数々の印象的な数字を残した。

防御率2.06、FIP(守備の影響を除外して算出する疑似防御率)2.97を記録し、三振率と四球率の差21.8%は40イニング以上を投げた先発投手の中で17位タイの好成績だった。しかし、マクリーンの今季の成績を見る上で、注目すべき数字がほかに2つある。「60」と「30」だ。

これは「ゴロ率60%」と「三振率30%」を意味している。先発投手がこの2つを両立するのは極めて珍しく、2024年の夏まで二刀流でプレーしていた新人投手が達成したのだから驚きだ。

2008年以降のピッチトラッキング時代において、100打球以上の先発投手がゴロ率60%以上を記録するのはマクリーンが38人目。具体的には、マクリーンのゴロ率は60.2%だった。同じ投手が複数回記録した場合も含め、2008年以降に先発投手がゴロ率60%以上を記録したケースは66度ある。では、このうち何人が三振率30%以上を記録しているのだろうか。

答えは「1人」だ。MLBパイプラインの有望株ランキングで全体11位球団1位の評価を受けているマクリーンが初めてだった。

マクリーンは三振率30.3%を記録。ゴロ率60%以上の投手で2番目に三振率が高いのは、ジャイアンツのエース右腕ローガン・ウェブで、2021年にゴロ率62.1%と三振率26.5%を記録した。マクリーン以前に「30-60」達成に最も近づいた先発投手はアストロズの右腕ランス・マカラーズJr.で、2016年にゴロ率58.7%と三振率30.1%を記録した。

マクリーンは6つの球種を投げ分けるが、このユニークな組み合わせの成功の要因となったのは、主にシンカーとカーブの2球種だ。

今季、この有望株右腕が90マイル台中盤のシンカーを投じた割合は27.9%に過ぎなかったが、それでも球種別の投球割合では最も多かった。インプレーの打球が40度あり、ゴロにならなかったのは8度だけ。80%という驚異的なゴロ率を記録し、全投手の25打球以上の全球種の中でメジャートップクラスの数字だった。

マクリーンのカーブはゴロ率62.5%を記録したが、ゴロを打たせる以上に空振りを奪うボールとして見事に機能した。水平方向(横方向)の変化が大きく、50度のスイングで25度の空振り、つまり空振り率50%を記録。カーブで終わった27打席で19個の三振を奪っており、バットに当たったときもほとんど痛打されなかった。打たれたヒットは2本(いずれも単打)だけ。それ以外の打球6本はいずれも初速85マイル(約137キロ)未満だった。

多くのゴロを打たせるのは良いことだ。多くの三振を奪うのはさらに素晴らしい。24歳の若さでその両方をこなせる投手はほかにいるだろうか。マクリーンを2026年の新人王最有力候補に挙げる者がいたとしても決して不思議ではない。