バイキングが野球場に”襲来”した。
ノルウェー代表の歴史的勝利に酔いしれたファンたちは、その熱狂をそのまま野球場へ持ち込んだ。
23日、ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われたサッカーW杯で、ノルウェーはセネガルを3―2で撃破し、1998年以来となる決勝トーナメント進出を決めた。その興奮冷めやらぬ大勢のサポーターが、24日にシティ・フィールドで行われたメッツ―カブスのダブルヘッダー第1試合へ駆け付けた。
平日昼間のデーゲームで観客席に空席が目立つ中、ノルウェーファンの存在感は際立った。ノルウェー代表のユニホームやバイキングの帽子姿でセンター後方の外野席を真っ赤に染め上げた。
メッツが好プレーを見せるたびに大歓声をあげ、ノルウェー語版の「レッツ・ゴー・メッツ」や、SNSで話題となった「バイキング・ロウ」のチャントを響かせ、球場を異様な熱気で包み込んだ。
野球のルールを完全に理解しているわけではなかった(ように見えた)が、それでもお構いなし。メッツが好プレーをするたびに総立ちで盛り上がり、シティフィールドはまるでノルウェーのホームスタジアムのような雰囲気に包まれた。
「ニューヨークには一度来たことがあって、ヤンキースの試合も(時々)見ているけど、ニューヨークでの野球観戦はこれで2回目だ」と話すのはマグナスさん。少しだけ野球の知識もあると胸を張りつつも、こう笑った。
「でも、選手は誰も知らないんだ(笑)」
ノルウェー代表サポーターの旅はボストンから始まった。
2026年W杯で歴史をつくるアーリング・ハーランドやマルティン・ウーデゴールら代表を追いかけて米国へ。
22時間以上かけて海を渡り、イラクとの初戦を観戦。ノルウェーは4―1で快勝した。その後はニューヨーク近郊へ移動し、23日にニュージャージー州でのセネガル戦へ。土砂降りの雨にもかかわらず、スタンドを埋めたサポーターたちの熱気は衰えなかった。
ファンのダニエルさんは「本当に最高だった。セネガル戦には思った以上のノルウェー人が集まっていた。2万人くらいはいたと思う」と振り返った。
その熱狂は、長年代表を応援してきたファンにとっても特別なものだった。
オスロ出身のマッツさんは「信じられない経験だよ。一生に一度あるかないかの機会だと思う」と目を輝かせる。
そしてこう続けた。
「自分たちの国にとって大きな歴史の瞬間に立ち会えている。本当に誇らしい気持ちだ」
ノルウェー代表の快進撃。この10日間はまさに夢のような旅だった。
そしてそれを追いかけるサポーターたちの旅は、まだ終わっていない。
