パドレスの焦点は投手陣!ウィンターミーティングの注目ポイント

December 2nd, 2025

フロリダ州オーランドでのウィンターミーティング開幕を1週間後に控え、パドレスは多くの課題に向き合う必要がある。

2026年のロースターは、トレード期限にメイソン・ミラー、フレディ・フェルミン、ラモン・ローレアーノを加えたことで、ある程度形が見えてきた。それでも依然として穴は多く、特に先発ローテーションは深刻な補強ポイントのままだ。

昨年は比較的静かに過ごしたパドレスだが、GMのA.J. プレラーはウィンターミーティングで大胆な補強を行ってきた実績を持つ。今年はその中間程度の動きになると予想される。昨年ほど大人しくはないだろうが、ウィル・マイヤーズ、ザンダー・ボガーツ、フアン・ソト級の大物を獲得するとは考えにくい。

以下はそんな今年のウィンターミーティングに向けた注目ポイントだ。

補強ポイント

これまで何度も指摘されているが、パドレスは先発投手の補強が急務だ。多くの球団が毎年抱える課題とはいえ、パドレスの場合はその深刻度が他とは違う。

打線はほぼ完成形に近く、ブルペンはリーグ屈指。勝負にいくべき時期に入っているにもかかわらず、40人枠の中で計算できる先発はわずか3人しかいない。プレラーGMがやるべきことは明白だ。昨オフ、“掘り出し物”として獲得し、瞬く間にエース格となったニック・ピベッタの再来を探しつつ、さらに2名の先発投手を上積みする必要がある。

そのうえで、一塁/DHタイプの打者、そしてブルペンが充実しているとはいえ、中盤を任せられる左腕リリーバーの補強も必要だろう。

トレード候補

MLB.com のマーク・ファインサンドは全30球団のトレード候補を1人ずつ挙げ、パドレスからはジェイク・クロネンワースを候補とした。理由は理解できる。

クロネンワースは多才で価値の高い選手で、放出すれば有益な見返りを得られ、他の補強に資金を回すことも可能になる。一方で、その可能性は低いとも思われる。クロネンワースはロースターの中心で、放出すると埋めにくいポジションに大穴が開くことになる。

より現実的なのは、環境を変える必要があると見られるルイス・カンプサーノ(先月契約更新済み)をトレード候補にすることだ。また、層の厚いリリーフ陣から誰かを出し、ベンチ層を強化する可能性もある。

注目のプロスペクト

パドレス最高のプロスペクトであるイーサン・サラスにとって、2026シーズンは極めて重要な一年となる。腰の疲労により2025年のほぼ全シーズンを欠場したサラスは、かつて“全体トップ10”と評価された潜在能力を再び示さなくてはいけない。

また、23歳の右腕ミゲル・メンデスはルール5ドラフトから保護するため、最近40人枠に追加された。プレラーはGM会議で、メンデスを「今季メジャーで即戦力になりうる選手」と評価している。95イニングで防御率3.22、118奪三振という成績を考えれば、注目すべき存在であることは間違いない。

※ルール5ドラフト:マイナーリーグで長くプレーしている有望株が、所属チームの40人ロースターに入っていない場合に、他球団が獲得できる特別な選手獲得制度。

ルール5ドラフト

先月、パドレスはメンデスと同じく右腕のギャレット・ホーキンスを40人枠に追加し、ルール5ドラフトから保護した。それでも、トップ30内で指名される可能性のあるプロスペクトは複数残っている。左腕ジャガー・ヘインズ(10位)、右腕フランシス・ペーニャ(20位)、内野手ロメオ・サナブリア(21位)、右腕アイザイア・ロウ(27位)、右腕ビクター・リザラガ(28位)らだ。

もちろん、パドレスが逆にルール5ドラフトで選手を獲得する可能性も十分にある。40人枠にはなんと6つの空きがある。これは2年前と同じで、その時に獲得したスティーブン・コレクは2024年に頼れるリリーバーへ成長し、翌2025年には先発として成功した後、フェルミンとのトレードで放出されている。

メイソン・ミラーの起用法は?

ロベルト・スアレスがFAで退団したため、ミラーにはクローザーを含むブルペン後方の役割が明確に空いている。昨季終盤、ミラーほど支配的だった投手はいなかった。ポストシーズンではカブス相手に圧巻のリリーフ登板を連発し、その価値を証明した。

一方で、ミラーを先発として起用すれば、さらに大きな価値を引き出せる可能性はあるのか?その場合のリスクはどれほど大きいのか?割に合うのか?

今まさに、パドレスとミラー本人が、これらの問いに向き合っている。その答え次第で、この冬の補強方針は大きく左右されるだろう。