今年のパドレスは補強の規模が小さかった。メイソン・ミラー級の獲得はなく、トレード期限を迎えても、パドレスのA.J.プレラーGMは大型トレードを成立させなかった。これは少なからず驚きだった。
それでも、今回の動きがプレラーとパドレスらしいものであったことは間違いない。彼らは今回も、本気で勝ちに行ったからだ。
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パドレスはトレード期限までに、右腕ケーシー・マイズと左腕ロビー・レイを獲得。両投手は、トレード市場に出ていたトップクラスの先発投手だった。
一方、2人はいずれも今季終了後にFAとなる、いわゆるレンタル選手でもある。プレーオフ進出圏の瀬戸際にいるパドレスは、この2人を獲得するために球団トップ9に入る有望株3人を放出した。
いかにもプレラーらしい動きではないだろうか。
「私たちは勝とうとしている。そのことについて弁解するつもりはない。優勝を目指している。ポストシーズンに進出し、それを毎年続けようとしている」と、プレラーはトレード期限後に行われた電話会見で語った。
先発ローテーションを大幅強化
パドレスは3日の補強によって、プレーオフ進出の可能性を大きく高めたと感じている。少なくとも、最大の弱点には対処した。これまでの先発ローテーションは継ぎはぎ状態で、ブルペンゲームや複数の投手を組み合わせる継投策によって、どうにか持ちこたえていた。
それを長く続けられないことは、パドレスも理解していた。
ただし、初めからこの布陣でシーズンを乗り切るつもりだったわけではない。目標は、補強に踏み切れるだけの好位置を保ってトレード期限を迎えることだった。パドレスは、まさにそれを実現した。3日(日本時間4日)の試合前まで直近9試合で8勝を挙げ、買い手としての立場を確立した。
そして、先発ローテーションの補強を実現した。さらに、あと2人の復帰も近づいている。ともに肘のケガから回復中のジョー・マスグローブとニック・ピベッタは、4日(同5日)からリハビリ登板を開始する予定だ。
現時点でも、パドレスは先発ローテーションに大きな手応えを感じられるはずだ。
1.マイケル・キング
2.ロビー・レイ
3.ケーシー・マイズ
4.ウォーカー・ビューラー
5.ランディ・バスケス/ブルペンゲーム
「ロビーとケーシーをチームに迎えられて興奮している。パドレスにとって良い一日になった。現在の勢いを維持し、ポストシーズン進出を目指す上でも良い一日だった」とスタメン監督は語った。
打者より投手を優先
レイのトレードは期限当日の朝に成立し、球団4位の有望株ミゲル・メンデスと同9位のホニエル・ヘルナンデスがサンフランシスコへ渡った。ただし、この補強は必要最低限の動きにすぎなかった。パドレスが即戦力の先発投手を加えることは既定路線であり、その後にはさらなる決断が待っていた。
さらに先発投手を獲得するのか。かねてから求めていた左打ちの外野手を加えるのか。それとも、両方を獲得する余地はあるのか。
最終的にプレラーは、放出できる有望株が過去数年より少ない中で、打線の補強よりも先発ローテーションの強化を優先した。
「最終的に、トレード期限までに条件が合う左打者は見つからなかった。ただ、現在のチームには手応えを感じている。この1カ月、われわれの打線はリーグでも上位の成績を残してきた。今見せている打撃を続けることが、大きな鍵になると思う」とプレラーは説明した。
「投手陣を整えなければならない。投手陣が安定すれば、通常は勝つチャンスが生まれる」
実際、打線の復調によってプレラーの戦略が変わった可能性は高い。シーズン開幕から約2カ月半、パドレス打線は多くの指標でメジャーワーストだった。しかし、6月中旬以降はメジャー上位5〜10位に入る水準まで改善。この変化によって、プレラーは必要としていた先発投手の補強に集中できた。
マイズの獲得では、球団2位の有望株である左腕キャッシュ・メイフィールドと、ランキング外の左腕ジャクソン・ウルフを放出した。なお、このトレードでは左打ちの内野手ゲージ・ワークマンもパドレスに加わっている。
モレホン残留で強力ブルペンを維持
パドレスが進むべき方向は、常に明確だったわけではない。オールスターブレイク前には、一時ナ・リーグ11位でワイルドカード圏から5.5ゲーム差。売り手にもなる可能性は十分にあり、特にブルペン投手が候補とみられていた。
トレード期限が迫る中でも、補強と放出を同時に進める選択肢には合理性があった。しかし最終的に、プレラーはメジャーのロースターから一人も放出しなかった。
つまり、エイドリアン・モレホンは今後もパドレスの一員としてプレーする。
「この1週間、そしてここ数週間にかかってきた電話からも分かった。球界全体が、モレホンがどれほどの才能を持ち、このチームと組織にどれほど大きな影響をもたらしているかを理解し、高く評価している」とプレラーは語った。
メイソン・ミラーを巡ってはさまざまな臆測が飛び交ったが、オールスター選出の守護神をパドレスが放出する可能性は、初めから極めて低かった。球団があと3年半にわたって保有権を持っているためだ。
一方、モレホンは今季終了後にFAとなる。パドレスは他球団からのオファーを真剣に検討していた。しかし最終的には、10月の戦いでモレホンとミラーをともに擁するブルペンが、チーム最大の強みになると判断した。さらに、モレホンはパドレスのクラブハウスで誰からも愛される存在でもある。
「彼はリーグ屈指の救援投手で、クラブハウスでも大きな敬意を集めている。2016年にパドレスと契約し、この組織の中で成長してきた選手だと感じている。ブルペンの終盤を担う投手陣は、チームの大きな強みであり、彼はその中心的な存在だ」とプレラーは語った。
