「何球か決めきれなかっただけ」スキーンズ、開幕戦で自己最短0回2/3降板

March 26th, 2026

パイレーツ7–11メッツ】ニューヨーク/シティフィールド、3月26日(日本時間27日)

「先頭打者を歩かせてしまった。それと、2ストライクから決めきれなかった。三振や併殺が欲しい場面で仕留められなかった。(上手くいかなかった要因は)いくつかある。何球か決めきれなかっただけ」

ポール・スキーンズは試合後、冷静に分析した。

2026年の開幕戦は、右腕にとってほろ苦いものとなった。

2年連続で開幕投手を務めたパイレーツのスキーンズは、メッツ戦では初回に制球を乱し、0回2/3で37球を投げ、4安打、3四球で、犠牲フライを含む5失点を喫した。

9番打者に死球を与え、再び先頭打者を迎える場面でドン・ケリー監督がマウンドへ向かった。

スキーンズは「長いイニングになっていたので、ここで無理をさせる段階ではない、という判断だったと思う」と説明し、「(投げ切れば)イニングを切り抜けられたとは思うけれど、シーズン序盤でもあるし、予防的な意味もあったと思う」と納得の表情を見せた。

2点の援護をもらってマウンドに上がったが、先頭のフランシスコ・リンドーアに対し、立ち上がりから3球連続ボール。98マイル前後(約157.7キロ前後)のフォーシームを思うようにコントロールできず、四球で出塁を許すと、続くフアン・ソトには内角の97.6マイル(約157.1キロ)のシンカーをセンター前へ運ばれ、無死一、三塁。さらにボー・ビシェットにチェンジアップを右翼へ運ばれ、犠牲フライで先制点を献上した。

主導権を握りきれないまま、スキーンズは試合序盤から厳しい展開を強いられた。

「不運な当たりもあった」とスキーンズは振り返るように、4番ホルヘ・ポランコは、外角に大きく外れたチェンジアップを引っかけた三塁線へのボテボテの当たりになった。スキーンズ自らダッシュして処理したが、送球できず、1死一、二塁。さらに5番ルイス・ロバートJr.には、フォーシーム、スイーパー、スライダー、チェンジアップ、シンカーと5球種を織り交ぜて応じたが、ファウルで粘られ、最後は10球目で四球を選ばれ、1死満塁とピンチが広がった。

苦しむエースを味方守備も援護できなかった。

6番ベイティに捉えられたチェンジアップは中堅へライナー性の当たりに。オニール・クルーズが打球判断を誤り前進したが、打球は頭上を越える。クルーズはすぐに振り返って懸命に追ったものの、走者一掃の3点タイムリーとなった。

不運はなおも続く。

7番マーカス・セミエンを97.3マイル(約156.6キロ)のフォーシームで平凡なセンターフライに打ち取ったかに見えたが、再びクルーズが打球を見失い、ポトリと落球。追加点を許した。その後、ルーキーのカーソン・ベンジを3球三振に仕留めたものの、9番フランシスコ・アルバレスに死球を与えたところで降板。

最速は98.7マイル(約158.8キロ)。37球中26球がストライクと、極端に制球を乱していたわけではない。それでも、いつものように打者を圧倒する投球とはいかず、メッツにその隙を突かれた。

「うまく投げたと思った球を打たれた場面もあったし、逆に投げきれなかった球もある。見送られたり、ファウルにされたりもした」と振り返り、「後で映像を見直すつもりだが、個人的には周りが思うほど悪い内容ではなかった」とスキーンズは話す。

ケリー監督は「きょうはたまたま噛み合わなかっただけ。『そういう日もあるよ』」とエースをかばったが、球界を代表するサイ・ヤング投手の『そういう日』はとても稀だ。

直近では、昨年9月16日のカブス戦で、3回2/3を投げて3失点。そのうえ92球を要し、球数がかさんで降板している。しかし、今回の初回降板はメジャーでの自己最短記録となった。

「こういう試合は野球では起こるものだが、これまでなかったのが意外か」という記者からの問いに、スキーンズは冷静に「まあ、いつかは起こるものだから。早いうちに経験できてよかった」と率直な言葉を返した。

「きょうは何球か決めきれなかっただけ」

スキーンズは何度かそう口にした。しかし、その“何球か”を逃さないのがメジャーの打者たちだ。

絶対的エースにとっての“例外”は、次の登板で再び“通常”へと戻るのか。どう戻すのか、スキーンズの本領発揮に期待したい。