PCA、古巣から初アーチも悔しい敗戦

May 11th, 2025

ピート・クロウ=アームストロング(通称PCA)がシティ・フィールドで本塁打を放ち、盗塁を決め、華麗な守備を見せる。かつてメッツファンが夢見た光景がついに実現した。それが対戦相手だったということを除けば。

2021年7月30日、バビエル・バエズとのトレードでカブスに移籍してから約5年。メッツは今や、かつての有望株がシカゴでスターへと成長する姿を見守る立場にある。

メッツとのシリーズ最終戦となった日曜の一戦。チームは6-2で敗れたものの、PCAは右翼スタンド上段に飛び込む特大ホームランを放ち、大きなインパクトを残した。

2020年のドラフト1巡目でメッツに指名されたクロウ=アームストロングにとって、対戦10試合目にして初の古巣からのホームランとなった。

個人としては成長を示したものの、シリーズ負け越しとなった一戦に「何の意味もない」とPCAは悔しさをあらわにした。「チームが負けてしまっては、自分がどんなパフォーマンスをしても相手がどこであっても関係ないし、どうでも良い」

現在、カブスはナ・リーグ中地区で首位をキープしているものの、この敗戦で今季初となる2カード連続の負け越しに。8連勝と絶好調の2位カージナルスに1ゲーム差まで詰め寄られている。

本人としては悔しい思い出の残る試合となったが、シーズンが終わる頃には、今季のブレイクを語る上で象徴的な一打となる可能性は高い。第10号となった一発はすでに昨年の記録に並ぶ数字。このペースを維持することができれば、シーズン40本が視野に入ってくる。

同僚のジャスティン・ターナーは、この状況に過去の自分を重ねている。彼もまた、キャリア初期にメッツから放出された後にドジャースでブレイクし、何度も古巣を負かしてきた。

「やっぱり気分はいいものだよ。放出されたチームに対して結果を出すのは、誰でもうれしいはずだ」と語る。

現時点で、PCAはメジャーで二桁本塁打を記録しているわずか12人のうちの一人。チームメートのカイル・タッカーとともに、同チーム内で10本以上のホームランを放っている数少ないコンビの一つだ。(他はヤンキースのアーロン・ジャッジとトレント・グリシャム、Dバックスのエウヘニオ・スアレスとコービン・キャロルのみ)

そんな彼は、今シリーズを通して走攻守すべてで躍動。この試合で見せたパワーだけでなく、前日の6-5で勝利を収めた試合でもスピードを活かしチームに貢献した。

イアン・ハップの欠場で、今季初めて一番打者として出場したPCAは、初回にヒットで出塁し、盗塁を試みると、捕手の悪送球を誘いそのまま一気に三塁まで。この時のスプリントスピードは時速31.8キロで、MLB平均の29.6キロを大きく上回る。その後、鈴木誠也のタイムリーヒットで先制のホームを踏んだ。

また守備では、初回にフアン・ソトの長打を右中間の深い位置でキャッチし、二塁打を阻止。35%という低いキャッチ確率の打球を見事に捕球してみせた。

さらに日曜日の試合でも、左中間フェンス直撃のルイス・トーレンスの三塁打を、PCAは全力疾走してジャンプキャッチ寸前まで迫った。

誰もが無理だと思うような打球だったが、PCAは「取れたはず」と一言。

「本気ですか?」という問いに、彼は即答した。「当然だ」と。

それが彼のメンタリティであり、スターへの道を駆け上がる所以でもある。