PCAが1試合3本塁打!MVPレースでさらに大谷をリードか

August 29th, 2026

レッズ5-17カブス】シカゴ/リグレーフィールド、8月29日(日本時間8月30日)

カブスには、圧倒的なプレーで観客を魅了してきた選手たちが在籍してきた。その代表が「スラミン・サミー」ことサミー・ソーサだ。この日、グラウンドへ姿を見せるとスタンドから大歓声を浴びた。

その領域に並ぶほどの勢いを見せているのが、ピート・クロウ=アームストロングだ。ソーサをはじめとする歴代の強打者たちがリグレーフィールドに集まる中、クロウ=アームストロングは3本塁打を放ち、チーム大勝を導いた。

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「試合前の打撃ケージには、レジェンドが何人もいた。今日一番緊張したのは、サミー・ソーサとビリー・ウィリアムズの前で試合前のルーティンを行ったことかもしれない」とクロウ=アームストロングは語った。

試合前に打撃ケージで言葉を交わした際、ソーサはある注文を出していた。

「“今日は3本打ってくれ。3本必要だ”と言われたんだ。本当にそうなったね。あの時、彼から特別な力をもらったのかもしれないね」とPCAは笑顔で語った。

初回、左腕アンドリュー・アボットの速球を右中間席へ運ぶ先頭打者本塁打で1本目。続く二回には、アボットのカーブを右翼線のポールに当てる2ランとし、最初の2打席で2本塁打を記録した。

MVP投票のライバルである大谷翔平の投手復帰が遅れているため、クロウ=アームストロングがドジャースのスターからMVPの座を奪う可能性は高まっている。この試合前時点で、クロウ=アームストロングはFanGraphs版WAR8.6でMLBトップ。大谷は打撃WAR4.0、投手WAR2.9、合計6.9で2位だった。

試合後、クロウ=アームストロングのWARは9.1まで上昇した。カブスの歴代シーズン記録では、1929年のロジャース・ホーンスビー(11.0)、2001年のソーサ(9.9)、1959年のアーニー・バンクス(9.7)、1967年のロン・サント(9.5)に次ぐ数字となった。

クロウ=アームストロングのMVP受賞の可能性を聞かれたカブスの三塁手アレックス・ブレグマンは、「僕たちがどう思っているかは、ここにいる全員が分かっていると思う」と答えた。

クロウ=アームストロングは四回に単打を加えると、 七回にはトニー・サンティランから左中間へ3ランを放ち、自身初の1試合3本塁打を完成させた。今季、1試合で10塁打以上を記録したのは5度目。少なくとも1900年以降では、1997年のラリー・ウォーカー、1940年のジョニー・マイズ、1933年のジミー・フォックスと並ぶ歴代2位となった。最多記録は、ネルソン・クルーズが2019年に記録した6試合だ。

また、通算で10塁打以上を記録したのは9試合目で、25歳になる前の選手としては、少なくとも1900年以降でほかの誰よりも2試合多い。カブスの通算記録では、ウィリアムズとソーサが各12試合、ハンク・サウアーとバンクスが各10試合を記録している。

「こういうシーズンを送る選手を目にすることはある。頻繁に起きることではないが、後々まで記憶に残る個人シーズンだ。その一部になれる私たちは幸運だ」とカブスのクレイグ・カウンセル監督は語った。

大差がついた八回、レッズが捕手ホセ・トレビーノを登板させると、クロウ=アームストロングには4本目を放つ機会が訪れた。結果は二塁ゴロだったが、本拠地の観客は立ち上がって拍手を送った。クロウ=アームストロングは一塁側ダッグアウトへ戻りながらヘルメットを掲げ、声援に応えた。

「笑って帽子を掲げることしかできなかった。あれは本当に特別な瞬間だった。毎日球場へ来てくれる人たちには心から感謝している。ファンとの関係はどんどん深まっている」とは語った。

大谷は高いレベルで投打をこなす、現代野球で唯一無二の存在だ。一方、クロウ=アームストロングは中堅での卓越した守備で大きな価値を生み出している。この試合前時点で、守備得点価値はMLBトップの24、OAAは全体2位の23。今季前半には、スタットキャスト時代の2015年以降における通算5スターキャッチ数の最多記録も樹立した。

この日で36本塁打に到達し、カブス史上初の40本塁打、40盗塁も現実味を帯びてきた。MLB史上、40本塁打と40盗塁を同一シーズンに達成した例はわずか6度。直近では大谷が2024年に前人未到の50本塁打、50盗塁を成し遂げ、ドジャース移籍後初のMVPを獲得した。

クロウ=アームストロングが2本目と3本目の本塁打後にダイヤモンドを回ると、リグレーフィールドの観客から「MVP! MVP!」の大合唱が巻き起こった。シーズン本塁打記録を巡ってマーク・マグワイアと歴史的な争いを繰り広げ、1998年のナ・リーグMVPに輝いたソーサにとっては、聞き覚えのある歓声だったに違いない。

数日後には9月を迎える。カブスのポストシーズンでの順位争いも、クロウ=アームストロングのMVP争いも、いよいよ最終局面へ入る。

「MVPコールはどんな時でも最高だ。でも、今日のような勝利の後にみんなで歌う方が、もっと最高だね」とクロウ=アームストロングは語った。