18日(日本時間19日)の延長10回裏を迎える前、カブスが球場の映像を流すより早く、リグレーフィールドのファンから大歓声が上がった。次の打者が誰か、誰もが分かっていた。球場には期待を込めた「PCA」の大合唱が響いた。
ピート・クロウ=アームストロング外野手(24)は、その期待に応えた。
クレイグ・カウンセル監督(55)は「本当に素晴らしい」と称賛した。
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クロウ=アームストロングは一回、先頭打者本塁打でシカゴ対決を盛り上げると、延長10回にはサヨナラ2ラン。ナ・リーグMVP候補としての存在感をさらに高め、カブスをホワイトソックスとの一戦で7―5の勝利に導いた。長い歴史を持つシカゴのライバル対決に、新たな名場面を刻んだ。
打球が右翼フェンスを越えるとPCAは三塁側ベンチの仲間へ向き、バットを豪快に放り投げた。この一発で2年連続の30本塁打、30盗塁を達成。三塁付近ではヘルメットを地面に叩きつけ、最後は本塁で待つチームメートの輪に飛び込んだ。
試合後、祝福の場面を振り返った。
「こういう時は、だいたい何も覚えていない。でも、いいバットフリップができた。それだけは分かっている」
記録会社エライアス・スポーツ・ビューローによると、同一試合で先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放った選手は、クロウ=アームストロングを含め史上6人。クリス・ヤング(ダイヤモンドバックス、当時26歳、2010年8月7日)、イアン・キンズラー(レンジャーズ、当時27歳、2009年7月19日)、リード・ジョンソン(ブルージェイズ、当時26歳、2003年6月15日)、ダリン・アースタッド(エンゼルス、当時26歳、2000年6月25日)、ビック・パワー(アスレチックス、当時29歳、1957年5月7日)に続いた。
PCAの先頭打者本塁打は今季5本目。サヨナラ本塁打はメジャー初となった。
30本塁打、31盗塁を記録したクロウ=アームストロングは、球団史上初めて2年連続の30本塁打、30盗塁を達成した。MLB史上では10人目となった。
過去の達成者はホゼ・ラミレス(ガーディアンズ、2024年当時31歳、25年当時32歳)、ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ、23年当時23歳、24年当時24歳)、ライアン・ブラウン(ブルワーズ、11年当時27歳、12年当時28歳)、アルフォンソ・ソリアーノ(ヤンキース、02年当時26歳、03年当時27歳/レンジャーズ、05年当時29歳、ナショナルズ、06年当時30歳)、ブラディミール・ゲレーロ(エクスポズ、01年当時26歳、02年当時27歳)、バリー・ボンズ(ジャイアンツ、1995年当時31歳~97年当時33歳)、ロン・ガント(ブレーブス、90年当時25歳、91年当時26歳)、ボビー・ボンズ(エンゼルス、77年当時31歳/ホワイトソックス、レンジャーズ、78年当時32歳)、ウィリー・メイズ(ジャイアンツ、56年当時25歳、57年当時26歳)。
クロウ=アームストロングとサミー・ソーサ(カブス、1993年当時24歳、95年当時26歳)は、球団史上で30本塁打、30盗塁を達成した唯一の選手となっている。
PCAのサヨナラ本塁打は、シカゴのライバル同士による緊迫した一戦を締めくくる一発となった。
さまざまなプレーが積み重なり、10回裏にクロウ=アームストロングへ打席が回った。その名前がアナウンスされる前から、リグレーフィールドには「P-C-A! P-C-A!」の大合唱が響いていた。
「こういう試合の後は、うまくいった細かいプレーの一つ一つを振り返る時間が本当に楽しい。その積み重ねがあったから、自分へ打席が回ってきた。こういう試合が大好きだ。いつも同じようにいくわけではないからね」
クロウ=アームストロングは4安打を放ち、今季2度目のサイクル安打まで三塁打を残すだけだった。さらに1四球、1盗塁。俊足と長打力に加え、四球を選ぶ力も向上している。中堅での圧倒的な守備力も備え、ナ・リーグMVP争いの中心にいる。
カウンセル監督は「メジャーで一番いい試合だったかもしれない。本当に素晴らしい試合だった」と称賛した。
18日の試合を終え、今季126試合で打率.281、出塁率.379、長打率.550。30本塁打、31盗塁に加え、25二塁打、78打点を記録し、66四球は自己最多となっている。スタットキャストによると、試合前時点で守備のラン・バリュー(守備で防いだ得点価値を示す指標)24、OAA(平均的な野手と比べて守備でいくつアウトを増やしたかを示す指標)22はいずれもメジャートップだった。
さらにホワイトソックス戦の活躍でファングラフスのfWAR(控えレベルの選手と比べて何勝分の貢献をしたかを示す指標)は7.8から8.2へ上昇し、メジャートップ。ドジャースの大谷翔平(32)も18日に2本塁打を含む4安打を記録し、fWARは7.0となっている。
延長10回に2四球を出しながらも無失点に抑えたウェブは「同じチームで本当に良かった。僕にとってMVPはピートだ。間違いなく、それだけの活躍をしている。本当に素晴らしい選手だと思う」と評価した。
勝利後、カブスファンは球場の通路からリグレービルの街へ流れながら、「M-V-P!」の大合唱に切り替えた。
クロウ=アームストロングはMVP争いを考える楽しさについて聞かれ、こう答えた。
「それを楽しむのはみなさんでしょう。今夜みたいな試合ができれば、それだけで十分楽しい。それ以上は必要ないよ」
