NLDS第3戦ドジャースvs.フィリーズ、見どころ&予想スタメン

October 8th, 2025

3週間前、敵地ドジャースタジアムのクラブハウスで2年連続の地区優勝を祝ったフィリーズは、ロサンゼルスへ戻る。ただし今回は、シーズンをつなぎ止めるために。

一方のドジャースは、ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS=5回戦制)第3戦を前に2勝0敗と王手をかけ、第3戦を本拠地で迎える。最初の2試合をフィラデルフィアで制し、完全に主導権を握っての帰還だ。

ドジャースは2年連続のワールドシリーズ制覇を狙う。

フィリーズは本拠地アドバンテージがありながら、2年連続の地区シリーズ敗退を避けたい。

<第3戦の見どころまとめ>

先発投手

ドジャース:右腕 山本由伸(12勝8敗、防御率2.49)
昨季のポストシーズンで存在感を示した山本は、ワイルドカードシリーズ、レッズ戦でも6回2/3で9奪三振、2失点(自責点0)に抑える好投。ドジャースの先発としては、2020年のウォーカー・ビューラー以来となる「ポストシーズン2試合連続で自責1以下」を達成した。

山本がフィリーズ相手に最後に投げたのは4月。敵地のシチズンズバンクパークで6回を投げて1失点(自責点0)に抑えた。東京ドームでの開幕戦から先発の柱として投げ続け、今季の先発陣で唯一、負傷で先発ローテーションに穴を開けず、守り抜いた。

フィリーズ:右腕 アーロン・ノラ(5勝10敗、防御率6.01)

フィリーズのロブ・トムソン監督は、左腕レンジャー・スアレス(12勝8敗、防御率3.20)を起用する示唆をしていたが、第3戦の先発はノラに決め、意外性のある発表を行った。

「ノラはこれまでブルペン(救援)で投げたことがない。どこまで投げさせるかは分からない。ただ彼を信頼している」と指揮官は語った。

ノラが打者1巡を終え、スアレスにスイッチ、という展開になっても不思議ではない。ノラの今季は苦しい内容が続き、たびたび1イニングで大量失点を喫している。

<予想スタメン>

【ドジャース】

フィリーズが右腕を先発させるため、ドジャースの打線はこれまでの2試合と少し異なる構成になりそうだ。
上位4人、大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン、テオスカー・ヘルナンデスはそのままだが、フリーマンとヘルナンデスの打順は入れ替わる見込み。マックス・マンシーは左腕先発2試合を欠場していたが復帰予定で、ウィル・スミスもポストシーズン初のスタメンが見込まれている。

  1. 大谷翔平(DH)
  2. ムーキー・ベッツ(遊撃)
  3. フレディ・フリーマン(一塁)
  4. テオスカー・ヘルナンデス(右翼)
  5. マックス・マンシー(三塁)
  6. ウィル・スミス(捕手)
  7. キケ・ヘルナンデス(左翼)
  8. アンディ・パヘス(中堅)
  9. トミー・エドマン(二塁)

【フィリーズ】

トムソン監督は、外野の起用をめぐって判断を迫られそうだ。ハリソン・ベイダーが鼠径部(そけいぶ)の負傷で再び先発できない場合、左投手が先発時に限定的に起用されてきたニック・カステヤノスを、右腕の山本に対して右翼でスタメン起用する可能性がある。もう一つの選択肢は、オットー・ケンプを左翼に置き、マックス・ケプラーを右翼へ回すプランだ。いずれにしても、中堅にはベイダーに代わってブランドン・マーシュが入る見込み。

  1. トレイ・ターナー(遊撃)
  2. カイル・シュワーバー(DH)
  3. ブライス・ハーパー(一塁)
  4. アレック・ボーム(三塁)
  5. ブランドン・マーシュ(中堅)
  6. J.T.リアルミュート(捕手)
  7. マックス・ケプラー(左翼)
  8. ニック・カステヤノス(右翼)
  9. ブライソン・ストット(二塁)

・先発降板後のブルペン起用はどうなるか

ドジャース: 第2戦後にオフが入っているため、第3戦に向けてブルペンは立て直されているはずだ。第2戦で2回を投げたエメット・シーアンだけは例外になる可能性がある。ロバーツ監督は佐々木を新クローザーと明言するのは避けているが、ルーキーは地区シリーズ最初の2試合で連続セーブを挙げた。一方で、タナー・スコットやブレイク・トライネンらベテラン勢はレギュラーシーズンで苦しんだ。

フィリーズ: シーズン継続が懸かる正念場で総動員になる。トムソン監督は、ノラの後にスアレスを投入すると示唆した。終盤リード時には、絶対的守護神ヨアン・デュランに4アウト以上を任せる可能性もある。左腕マット・ストラムと右腕オライオン・カーケリングは、デュランにつなぐ前、僅差でプレッシャーのかかる場面を引き続き担う見込みで、右腕デービッド・ロバートソンや左腕タナー・バンクスが中盤に起用されるプランも考えられる。

・注目の負傷情報は?

ドジャース: 右手の骨にひびが入っているウィル・スミスは、フィラデルフィアでの2試合とも途中出場。状態が上向きなら第3戦は先発出場が有力だ。トミー・エドマンは、今季2度の負傷者リスト(IL)入りの原因となった右足首の状態を見極める必要がある。ミゲル・ロハスは第2戦後にハムストリング(右太もも裏)の張りを訴えたが、ロバーツ監督によれば第3戦は出場可能と見込まれている。

フィリーズ:ベイダーは第1戦で負ったそけい部の負傷の影響が続き、今回も代打要員にとどまる見込み。ベイダー以外で最大の痛手はザック・ウィーラーで、9月23日にセントルイスで胸郭出口症候群の除圧手術を受け、ポストシーズンを欠場する。

・好調、不調の選手は?

ドジャース:テオスカー・ヘルナンデスは17打数7安打(打率.412)、3本塁打、9打点と好調。「October Kiké(10月男キケ)」の異名どおり、キケ・ヘルナンデスも16打数5安打(打率.313)、6打点と当たっている。
一方、アンディ・パヘスは17打数1安打(打率.059)と低迷。右足首に不安を抱えるエドマンは、11打数2安打(打率.182)、1本塁打にとどまっている。

フィリーズ:トレイ・ターナー、カイル・シュワーバー、ブライス・ハーパーの3人はシリーズ合計21打数2安打。奇跡の逆転を狙うには、この3人が打線を牽引することが不可欠だ。

・ファンが知っておきたい豆知識は?

フィリーズとドジャースのポストシーズン対戦は通算6度目で、これまでの5回はいずれもナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)だった。ドジャースが1977年、1978年に勝利し、フィリーズが1983年、2008年、2009年に勝っている。

ドジャースは、ワールドシリーズ連覇を達成したチームが四半世紀途絶えている中で、その壁に挑む。

直近で連覇したのは1998年から2000年に3連覇したヤンキースだ。