ワールドベースボールクラシック(以下、WBC)に出場することは選手にとって特別なことだ。それを複数回経験できるとなれば、なおさらだろう。
さらにその中には、WBCに複数回出場しただけでなく、複数の国・地域代表としてプレーした選手たちもいる。WBCの出場資格は出生地だけでなく、家系やルーツに基づいても認められるため、違う国での参加が可能になっている。
2026年ワールドベースボールクラシック
2017年と2023年に米国代表としてプレーしたノーラン・アレナドは、母親のミリーがプエルトリコとキューバの血筋を引いているため、今大会はプエルトリコ代表に入った。アレナドが試合に出場すれば、「WBCで複数の代表チームでプレーした」数少ない選手の一人になる。
今回は、そんな珍しい経歴を持つ選手たちを4名紹介する。
アダム・オッタビーノ:2023年 米国代表、2009年 イタリア代表
ニューヨーク生まれのオッタビーノはイタリア系の家系を持ち、23歳だった2009年大会ではまだMLBデビュー前。イタリア代表として1試合で先発登板した。その試合では、ボビー・アブレイユ、ミゲル・カブレラ、マグリオ・オルドニェスらの強打者を揃えるベネズエラ打線を相手に、3回無失点。許した安打は、エンディ・チャベスの二塁打1本だけだった。
2023年には米国代表として再びWBCのマウンドへ。MLB13年目を迎えていた右腕は、2試合に救援登板し、いずれも無失点に抑えた。40歳となったオッタビーノは、今大会で再びイタリア代表として大会に臨む。
マーカス・ストローマン:2023年 プエルトリコ代表、2017年 米国代表
ニューヨーク出身のストローマンは、2017年大会で米国代表として出場すると、3先発で防御率2.35。特に決勝のプエルトリコ戦では、6回無失点・1安打という圧巻の投球を披露。大会MVPに輝き、チームを初優勝へ導いた。2023年大会では、母親がプエルトリコにルーツがあることに敬意を表し、プエルトリコ代表として登板。2先発で防御率3.00を記録した。
ポール・ラトガース:2009年 南アフリカ共和国代表、2006年 オーストラリア代表
メルボルン生まれのラトガースは、2002年から2005年にかけてツインズ傘下のマイナーリーグでプレーしていた。2006年の第1回大会では、オーストラリア代表として出場。守備固めや代打として2試合に出場した。3年後の2009年大会では、南アフリカ共和国代表としてプレーし、「複数代表経験者」第1号となった。この時は2試合とも先発出場だった。
ブルース・チェン:2017年 中国代表、2006年・2009年 パナマ代表
パナマ生まれのチェンは、第1回、第2回大会でいずれも母国パナマ代表で先発投手を務めた。チェンは中国系の血筋を持ち、祖父母は中国からパナマへ移住している。2013年大会でも中国代表としての出場を試みたが、手続き上の問題で実現しなかった。2017年大会ではその問題が解消され、中国代表として出場。1試合に先発登板した。
