ここ数年打率3割は打者にとって高い壁になりつつある。昨年は7人、2023年は9人、2022年は11人、2021年は14人と年々減少傾向にある。現在、選手の打撃指標をより正確にとらえる統計は多くあり、打率だけで評価されるわけではないが、選手にとって「打率3割」は大きな数字だ。
開幕から3週間で3割超えの選手は30選手。その中でシーズンを通して3割を達成しそうな6選手を紹介したい。
アーロン・ジャッジ、右翼手、ヤンキース、
打率.415(MLB首位)
本塁打王は開幕から打率だけではなく、すべての打撃指標で最高の数字を叩き出す。バットとボールのコンタクトの巧みさを習得し、今季の三振率(21.2%)はキャリア最低で、MLB平均をわずかに下回る。一方、打球は相変わらず力強い。4月23日時点で本塁打(7本)、安打(39)、出塁率(.513)、OPS(1.247)、打点(26)で首位に立つ。今季は本塁打王に続き、首位打者の可能性もある。
現状、相手投手はジャッジに投げる球がない。
ポール・ゴールドシュミット、一塁手、ヤンキース、
打率.383(MLB2位)
2022年のナ・リーグMVP選手だが、昨年5月は打率1割台の打撃不振だった。後半戦(打率.271、出塁率.319、長打率.480)と持ち直したが、最終打率(.245)はキャリア最低を記録した。
ヤンキースに移籍後、37歳は本塁打数はわずか1本。打球速度、強打率、そしてバレル率は2024年と比べて大幅に低下。しかしパワー不足を補うために三振とゴロを大幅に減らし、結果的に打率向上に繋がっている。
ジェイコブ・ウィルソン、遊撃手、アスレチックス、
打率.337(MLB9位)
2023年のMLBドラフト全体6位指名で、わずか1年でメジャー昇格をし、昨年はアスレチックスで28試合に出場。だがデビュー戦のけがで1ヵ月以上欠場し、打率.250、本塁打ゼロだったが、今季は2塁打6本、本塁打2本で長打率.477をマーク。今季まだ四球がなく、積極的な打率も魅力だ。
トレバー・ストーリー、遊撃手、レッドソックス
打率 .319 (MLB 18位)
ストーリーの活躍の鍵は「けがなくシーズンを送れるか」だ。好調のストーリーに監督が休養をあたえるのは当然かもしれない。フライボール重視のスイングで、最初のホームゲーム10試合で打率.381、長打率.619を記録。
「健康でプレーできるのはうれしい」と本人も話す。ちなみにロッキーズ時代の最高打率は.294で3割超えの経験はないのもちょっと意外だ。
スティーブン・クワン、左翼手、ガーディアンズ
打率.337 (MLB 10位)
2022年のルーキーシーズンは打率.298、昨年は.292で、まだ3割超えの経験はない。昨年は6月中盤に打率.398という脅威的な数字を残したが、その後、右肩下がりで、9月と10月は打率.195という淋しい結果に終わった。
今季はさらに選球眼を磨き、チームの攻撃を牽引する。クワンもストーリーと同様、健康を維持できるかが3割超えの鍵になる。
イ・ジョンフ(李政厚)、センター、ジャイアンツ
打率 .315 (MLB 22位)
元KBOのMVPが今季、開幕から好調だ。イ・ジョンフ(李政厚)の特徴は打率だけでなく、長打力も兼ね備えている点だ。本塁打3本、三塁打2本、そしてリーグ2位の二塁打10本を記録し、長打率.573をマーク。また盗塁数(3)は昨年の年間盗塁数を上回る。ジャイアンツのボブ・メルビン監督が先頭打者ではなく、3番で起用しているのも興味深い。スピード、コンタクト、そして予想以上のパワーで、KBOでMVPに輝いたのも納得できる。
