【アストロズ1-3xレイズ】セントピーターズバーグ/トロピカーナフィールド、9月11日(日本時間12日)
カージナルスとの開幕戦を迎えた時、レイズに大きな期待を寄せている人は、ファンを含めてもほとんどいなかっただろう。
唯一、自分たちを除いては。
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期待外れに終わった2シーズンと、いかにも”タンパベイらしい”オフを経て、レイズはア・リーグ東地区の最下位との予想がされていた。それでもチームは当初から、世間の予想以上に戦えると感じていた。ロースターに揃ったタレントと、クラブハウス内の結束は、最下位に沈むようなチームのものではなかった。
野球部門編成責任者のエリック・ニアンダーはセントルイスで、シーズン前としては珍しく、スピーチを通して選手たちに思いを伝えた。
「心からの言葉だった。われわれが信じていることを伝えただけだ。それだけだった。毎年することではないが、彼らに伝えるのが重要だと感じた」とニアンダーは語った。
自信に満ちた言葉で始まったシーズンはこの夜、シャンパンシャワーへとつながった。トロピカーナフィールドでのアストロズ戦で、ジュニオール・カミネロが左翼席へ劇的なサヨナラ本塁打を放ち、今季40号を記録。ア・リーグ最高成績で、メジャーで最初にポストシーズン進出を決めた。
失敗のシーズンになると思われていた時から5カ月半。もう、彼らを疑うものはいない。
「選手たちは私をばかだと思ったかもしれない。しかし、このチームとア・リーグ東地区のほかの4球団との差は、世間が考えているよりはるかに小さいと、われわれは本気で信じていた。この先に何が起ころうと、選手たちはその考えが正しかったことを証明した」とニアンダーは語った。
レイズには、まだ大きな目標が残っている。ヤンキースとレッドソックスの追撃を振り切り、2021年以来となるア・リーグ東地区優勝を果たすこと。そして2021年から23年まで3年連続で早期敗退に終わった10月の戦いで、勝ち進むことだ。それでも、まずは球団史上10度目、23年以来となるプレーオフ進出を確定させた。
期待されていないときほど最高の仕事ができると、たびたびレイズは話していた。実際、今季もその主張を裏付ける新たな証拠となった。
「エリックやフロント、首脳陣が自分たちをどう見ているのかが伝わり、大きな自信を与えてくれたと思う。選手にとって素晴らしいことだ」と、ニック・マルティネスは語った。2月にレイズと契約して以降、先発としてマウンド上でもクラブハウスでも計り知れない影響を与えてきた。
「彼らは最初から、僕たちが勝ち、いいチームになると期待していた。それが正しい方向へ進むきっかけになったと思う」
88勝59敗、残り15試合の時点で地区2位のヤンキースに3.5ゲーム差をつけている。シーズン最終週の初めには、ヤンキースタジアムでの4連戦も控える。それでも仮に今日シーズンが終了すれば、ア・リーグの第1シードとなる。
「気を緩め、今の位置に満足している余裕はない。集中を保たなければならないし、ア・リーグ東地区で優勝したい。目標はそこにある。だから毎日、やるべきことを確実にやらなければならない」と先発のドリュー・ラスムッセンは話した。
レイズがポストシーズン進出にふさわしくないと主張できる者はいない。ア・リーグ東地区首位で過ごしたのは116日。ア・リーグ最高成績を保持した日数も球団記録の115日に達し、現在も更新を続けている。
「このチームの一員でいるのが本当に楽しい。スプリングトレーニングからシーズンを通じて、本当によくまとまってきた。一緒にいるのが楽しく、心から応援したくなるチームだ」とケビン・キャッシュ監督は語った。
そして、スプリングトレーニングの時点では周囲の誰も気づいていなかったとしても、チームとしての編成も優れている。
打線上位は、ア・リーグMVP候補のカミネロと、常に過小評価されてきたヤンディ・ディアスを中心に才能豊かな選手が並ぶ。下位打線は、チャンドラー・シンプソンを筆頭に、コンタクト能力とスピードを組み合わせ、容赦なく相手へ圧力をかける。ローテーションの先頭にラスムッセン、ブルペンの最後にオールスター守護神ブライアン・ベーカーを擁する投手陣も、メジャー屈指の成績を残している。
ニアンダーとレイズのフロントは、捕手リアム・ヒックス、先発フレディ・ペラルタ、救援タイラー・ウェルズとトレード期限に3人の重要な戦力を加え、ロースターを強化した。
ハリケーンによる被害のため、昨季はタンパの屋外球場ジョージMスタインブレナーフィールドで戦うことを余儀なくされた。しかし今季は、再建された本拠地のドーム球場トロピカーナフィールドへ戻り、その恩恵を大いに受けている。それだけに、2021年以来となる本拠地でのポストシーズン進出決定には、より大きな意味があった。
スプリングトレーニングの時点で見られた仲間意識は、シーズンを通じてチームを支え、前向きな空気と自己犠牲をいとわないプレースタイルを育んだ。
「クラブハウスの雰囲気と、選手がフィールドでどうプレーするかには、直接的な関係があると信じている。僕たちは互いのためにプレーしている。開幕からずっと、夏の最も厳しい時期でさえ、互いのために戦ってきた」とマルティネスは語った。
今度は、その戦いを10月でも続けることが目標だ。
