【レイズ4-3ヤンキース】ニューヨーク/ヤンキースタジアム 10月7日(日本時間8日)
「スタッフ全員、選手全員、コーチ、そしてケビン・キャッシュ監督にも、本当に感謝している。みんなが僕を信じてくれた。レイズに来たばかりのころは、ヒットも出なかったし、出塁もできなかった」
レイズのビクター・メサJr.は、今季、移籍したばかりの頃をそう振り返った。
キューバ出身の25歳。昨年5月にマーリンズでメジャー昇格を果たしたものの、春季キャンプ前にDFAとなり、レイズへ。レギュラーシーズンは79試合で14本塁打、OPS.825を記録。終盤に調子を上げ、9月7日からの1週間には打率5割5分6厘、3本塁打、6打点、OPS1.914をマークし、週間MVPにも輝いた。その勢いをポストシーズンでも持続した。
その感謝の気持ちを、最高の形で恩返しした。
ヤンキースとのア・リーグ地区シリーズ第3戦、、2−2の同点で迎えた六回、レイズは2死からジュニオール・カミネロが安打で出塁すると、メサJr.が打席へ。フリードの初球スイーパーを捉えた打球は右中間スタンドへ飛び込み、勝ち越しの2ランとなった。メサJr.にとっては、これがキャリア初のポストシーズン本塁打。大舞台で放った一発が、レイズにとって大きな意味を持つ一打になった。
「変化球が来ると読んでいた。あの変化球は真ん中に残ってくれたので、うまくコンタクトできた」と振り返る。
2点リードを奪った直後、今度は守備で大きなプレーに絡んだ。
六回2死一塁、ヤンキースのアンソニー・ボルピーが左翼へ大飛球。メサJr.がフェンス際まで追い、ジャンプして捕球を試みたが、左翼席の観客が身を乗り出してボールに触れた。
当初は本塁打と判定されたものの、リプレー検証の結果、観客による守備妨害と判定。ボルピーには適時二塁打が与えられ、ヤンキースは4-3と1点差に迫った。
キャッシュ監督は「私の見た限りでは、判定は正しかったと思う。ボールが抜けていたら捕球できたのか、得点していたかは分からない。ボールが観客の手に当たった時点で走者は二塁を回っていたので、本塁まで与えられたのだと思う」と説明した。
レイズはその後、反撃を許さず、4-3で逃げ切り、3連勝でチャンピオンシップシリーズに駒を進めた。
歓喜のシャンパンファイトでずぶ濡れになったメサJr.は、記者会見後、記者に元気よく「こんにちは!」と日本語であいさつ。こちらが本塁打について質問しようとすると、間髪入れずに両脚に入った「NARUTO」のタトゥーを見せ、一つずつキャラクターを説明しながら、NARUTO愛を語ってくれた。大一番での活躍には、「NARUTOパワー」も少し貢献していたのかもしれない。