【ホワイトソックス6−8フィリーズ】フィラデルフィア/シチズンズバンクボールパーク、6月5日(日本時間6日)
2点を追う八回無死一、二塁。ホワイトソックスは、右打者のルイスアンヘル・アクーニャ(24)に代打、西田陸浮(25)を起用した。相手は、中継ぎ右腕のブラッド・ケラー(30)。アクーニャは打率.191、西田は同.208と大差はない。そして、2人とも俊足。
送りバントで同点機を作るか。しかし、西田はヒッティング。2球目、低めの97.6マイル(約157キロ)にバットを折られ、ピッチャーライナー、二塁に転送してダブルプレーとなった。顔を背けながらも差し出したグラブに入り、二塁への送球はショートバウンドだったが、ターナーが巧みにすくい上げて捕球した。
「九回に(守護神の)デュランが登板することが分かっていたから、あそこは同点狙いではなかった。陸浮は足が速くて、ボールを前に転がせる選手だし、野手の間を抜けてダブルプレーを避けられることを期待していた。結果的にダブルプレーになってしまったけれど、同点狙いではいきたくなかった」
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試合後、ベナブル監督は強攻策の意図を説明した。アクーニャの場合、右対右でマッチアップは不利。さらにフライ率25.3%で西田の同11.1%の方が低い。ゴロのインプレーにして、チャンスの拡大、あるいはタイムリーヒットを狙って、なおも逆転機を残す。そんな作戦だった。
仮に8−8の同点に追いついたとしても、フィリーズは九回に絶対的なクローザー、ヨハン・デュラン(28)が登板する。100マイル(約161キロ)以上のスピードボールに加え、スプリットでも97〜98マイル(約156〜158キロ)を投げる難敵。デュランが登板する展開を避けるため、一気に逆転する作戦にかけた。まず同点にして、九回や延長に持ち込む選択肢もあったかもしれないが、フィリーズのホームアドバンテージやホワイトソックスの起用可能なリリーフ投手陣とフィリーズ打線との相性など総合的に考え、犠打をしない作戦を選んだ。
結果的に併殺に倒れた西田は試合後のクラブハウスで「バントしたらよかったかな…」と悔しがった。しかし、ベンチの指示は「打て」。セオリーは犠打かもしれないが、首脳陣は西田の器用さ、バットコントロールに懸けた。結果、裏目に出た。
だが、それも野球の一部だ。
その後、西田は右翼の守備に入った。八回2死では、シュワーバーのライナーにチャージしてスライディングキャッチ。一度はアウト判定だったが、リプレー検証でショートバウンドしてからの捕球と判定され、安打となった。
「自分では(ダイレクト捕球かワンバウンドか)分からなかった。ボールの縫い目のあとが、ついているんですけどね」とグラブの薬指部分をみつめた。直接、グラブに収めた“証拠”だったかもしれないが、捕球直前に芝生で弾んでいたようだ。
データサイト・ファングラフスによると「守備で何点防いだ」かを示す指標DRS(守備防御点)で西田は、右翼手部門で「+4」。つまり4点分防いだと算出され、メジャー5位の好成績だ。なお、カブスの鈴木誠也外野手(31)は「+5」で3位につける。
西田は、この日で右翼では9試合目(スタメン7試合)の出場。5月25日にメジャーデビューし、まだ12日ほど。出場機会が少ないながらも、守備力で存在感を示している。さらに本職は、二塁手だ。
全体練習前には、早出特打や二塁と三塁での守備練習などユーティリティー起用に備えている。
