ブレーブスは2025年シーズンの主力救援投手2人と別れてから数週間で、いまや球界屈指のセットアッパーとクローザーのコンビを手に入れた。
34歳の右腕ロベルト・スアレスが11日(日本時間12日)、ブレーブスと3年総額4500万ドル(約70億円)の契約を結び、アトランタのブルペンはさらに厚みを増した。スアレスは、11月に1年1600万ドル(約25億円)でブレーブス残留が決まったクローザー、ライセル・イグレシアスの前を任されるセットアッパーとして起用される見込みだ。
スアレスは2026年に年俸1300万ドル(約20億1500万円)、2027年と2028年にはそれぞれ1600万ドル(約24億8000万円)を受け取る。ベテラン救援右腕はパドレスで2024年に36セーブ、2025年に40セーブを挙げており、この契約の後半2年はアトランタの守護神を任される可能性もある。
ブレーブスはライセル・イグレシアスとロバート・スアレスに大きな投資を行ったことで、11月7日時点で残っていたブルペンの不安を大きく和らげた。球団はピアース・ジョンソンの700万ドル(約10億8500万円)のオプション(球団側の契約延長権)とタイラー・キンリーの550万ドル(約8億5200万円)のオプションを行使しない決断を下しており、その分の資金をブルペン再編により有効に振り向ける狙いがあった。
プロとしてのキャリア最初の6年間をメキシコと日本で過ごしたスアレスは、2021年12月にパドレスと契約した。ベネズエラ出身の右腕は22年4月、31歳でメジャーデビューを果たした。その後は2023年にやや物足りないシーズンがあったものの、球界屈指の救援投手として評価されている。
スアレスはメジャー4シーズンで通算防御率2.91、77セーブを記録している。ポストシーズンでは12試合で防御率2.45、3セーブをマークした。
球種はフォーシーム、チェンジアップ、シンカーの3球種が軸だ。最も威力のある球種はフォーシームで、昨季の平均球速は98.6マイル(約159キロ)。被打率は.169で、全投球の60%をフォーシームが占めていた。リリース時の伸び(エクステンション=投手プレートからどれだけホームよりでリリースしたか)は6フィート8(約2メートル)と長く、打者から見る体感速度はさらに速く感じる。今季のエクステンションの長さはメジャー全投手の中で上位2割近くに入っていた。チェンジアップも速球とのコンビネーションが良く、空振り率は32.8%だった。
スアレスはここ2年ほど、いくつかの重要な指標で右肩上がりの傾向にある。昨季の奪三振率27.9%は2022年以降で自己最高で与四球率5.9%はキャリアで最も低かった。FIP(守備の影響を除いた投手指標)も2025年は2.88と自己ベストを更新し、2年連続のオールスター選出につながった。

